あれはいつのことだったか。 年末が近づいていたような記憶はある。 ニンディーズの動画を観ていて、衝撃を受けたゲームがあった。 『Baba is You』がそれだ。 見た感じ、シンプルなデザインのパズルゲームっぽいのだが、紹介動画の説明を聞いて胸が高鳴ったのを覚えている。 聞いた瞬間、凄いと思ったな。 何が凄いって、ルールそのものを変えられるところが凄い。 「Wall」「 is」「 stop」のルールを崩すと、壁が素通りできたりするんだ。 ルールを変えることによって、一見無理そうなパズルがいとも簡単に解けたりするの。 正に発想の転換! あくまで動画を観た印象だったのだが、ひらめきで謎を解くゲームのように思えたのである、この時は。 これはやっておかなきゃならないゲームだと思ったな。 まあ、実際にはSTEAMでセールのときに買おうと思いつつ、すっかり忘れていて、年が明けてからNS版を買ったんだけれども。 しかし、やってみたらちょっと趣は違っていた。 ひらめきの入り込む余地があまりない、ごりごりのパズルゲームだったのである。 解くための考え方からして、ひらめきとはほど遠いんだよね。 まず可能性を狭めるところから始める。 四隅にくっついていたり、消せないブロックに囲まれているルールを確認して、選択肢を消していく事を真っ先にやる必要があるのだ。 その後、最終的に達成する状態から逆算して、出来ることを更に絞っていく。 無限の可能性の中から、ひらめきで答えを導き出す、なんてことはまず滅多に無いな。 ゼロでは無いかもしれないが。 これはかなり緻密なパズルゲームですよ。 難易度もかなり高い。 私の力では3割も解けないかな、ヒント無しでは。 時間をかければ出来るかもしれないが、そこまでの根気はない。 たぶんメチャメチャよく出来たゲームなのだろうとは思うのだが、やっぱりちょっと違うんだよな、期待したのとは。 思えば、あそこがピークだった。 あの動画を観たときの胸の高鳴りが、このゲームに対する私のピークだった気がする。 |