進撃の巨人、PS4版

原作モノは損をする 2016_04_30

 

アニメや漫画がブームになると、拒絶反応と知っておきたいという気持ちが同時に出るな、私の場合。
『進撃の巨人』に関していえば、最初は拒絶反応が勝った。
アニメ版を実際に観たのはだいぶ後になってからのことである。
Huluで観られるようになったから。
最初のうちは主人公が、いきがっては挫折、いきがっては挫折、の繰り返しで生理的に受け付けなかった。
さすがに中盤ぐらいからはグッと惹き付けられたけどね。
そこはさすがにブームになるだけあって、それなりの力はあるんだろうな。
シーズン2の制作中らしいけど、結末は知りたいと思っている。
ナイト・シャマラン的な落ちがあるんでしょ、きっと。
だって、たった百数年前に創られた壁の経緯を誰も知らないっておかしいもんね。

アニメを観てしまったので、一応やっておこうかと思ったのが、PS4版の『進撃の巨人』。
どんな感じであの世界観が再現されているのか、ちょっと観てみたいじゃん。

事前情報では無双系って聞いてたんだけど、ファーストインプレッションは全く別物に感じる。
立体機動装置を駆使して、スピーディーに飛び回る光景は一見に値するな。
ただ、慣れてくると、やっぱり無双システムだって思うけどね。
敵の背後に回って障害物を避けながら、□×△の順に適当に押しているだけで巨人を倒せてしまう。
雑魚を一度にたくさん倒すか、大きい敵を一体だけ倒すか、だけの違いである。
簡単操作で凄そうなことできるという意味ではテレビゲームとして優れているとも言えるし、狭義のゲームを重視する立場からは下らないと切り捨てることも出来るだろう。
これはこれでいいと思うけどね、私は。

しかし、酷く損をしていると思うことがひとつあった。
ストーリーモードはほぼアニメと同じ展開で、アニメで見覚えのあるシーンを3Dで再現しました、みたいな感じなのだが、これがいただけない。
というのは、全部知ってるから。
新規な情報が全くないから、すっげーつまんないの。
ムービーを飛ばしたいのだが、初見では同じかどうかも分からないから飛ばせないでしょ。
時間の無駄以外の何物でもない。
仕方ないから、経済ニュースを読みながらチラ見してた。

最初のエンドロールを観るまでは全く新しい情報がなくて、そこから先に進むとちょっとだけ新しい部分があることはある。
ただ、それを見るためには、あからさまな水増し要素である壁外調査モードを進めなければならない。
これがまた凄い量なんだ、新規な情報の少なさに比べて。
凄く損してる気がするの。

漫画版を読んだことがないから、どこまで話が進んでいるのか、私には分からないが、アニメよりゲームが先に進むわけには行かない事情もあるんだろうな。
だったら、別の主人公視点で描かれたアナザーストーリーみたいなのを入れた方が、まだマシなんじゃないか。
原作をそのまま再現されても、ただ損してるだけな気がして仕方ないんだ。
まあ、よっぽど好きな人なら、再現度が高ければ高いほど喜ぶということもあるのかもしれないが。


戻る