エターナル アルカディア 2

@バライを先払って 2000_11_23

 

終わってみれば、大変面白いゲームだった。
正直ここまで面白いとは、序盤からは想像できなかった。
『エターナル アルカディア』。
弱い弱いといわれているセガの歴代RPGの中にあっては、一際輝いている印象だ。
恐れずにいえば、私の知る限りセガのRPGの中でベストゲームである。

しかしながら、このゲームほど立ち上げに苦しんだゲームも珍しい。
軌道に乗るまで本当に苦しかった。
人間、何よりも時間が大事だし、別にやめちゃっても良いんじゃないか、と何回思ったことか知れない。
どうにかしようと思って、キャラを動かそうと思ったが、主人公ヴァイス君は意外と没個性的で動いてくれなかった。
軌道に乗ったのは、プレイ開始後実に20時間も経ってからだったのだ。

とにかくプレイヤーにいらん時間をとらせる構成になっているのである、ありとあらゆる点において。
戦闘シーンにおいて、上手に戦うかどうかは生死にかかわるのではなく、早く終わるかどうかにかかわっている点などは、それを端的に示していそうだ。(敵がやたらとダウナ(攻撃力低下)を使ってくる辺りは、作り手の思想が見え隠れしている)

RPGの本質を「暇潰し」である、という風に捉えるのはある意味正解かも知れない。
とはいえ、明らかにプレイヤーに「暇潰し」だと感じさせてはいけないのであり、この辺は次回への反省点として欲しい。
ボリュームをこのままに、ボス戦以外にかかる時間的負荷を3分の2ぐらいするつもりで創ったら、文句なしの作品だったのになあ、という気がする。

さて、本当に苦しんだ立ち上げだったが、どうして我慢して続けたかというと、私がお金を支払ってしまっていたからである。
発行部数100万(推定)のファミ通にディスク2枚をつけてしまうという賭に出たのだから、当然面白いんだろうと思って先に@バライしてしまったのである。
当然後悔した。
「@バライの趣旨に反した事してるよ、俺・・・」
しかし、もう払ってしまったし、何とかして楽しんでみたいと思ったことが粘りを生んだ。
結果的に見れば大正解だったのである。

人から借りた大作RPGをプレイしたあとに、困ったことはないだろうか?
いまいち面白く感じられなかったのに、貸してくれた人から「面白かったでしょ?」とか言われて。
お金を出していないゲームって、なんか楽しくない。
逆に、発売日に定価で買ったりすると、もうすごく興奮してゲームが楽しく感じられる。
お金を払うという行為が、自分をゲームに駆り立てると言うことは、間々あることなのである。

私は雑誌等での『エターナル アルカディア』の高すぎる評判を信じていない。
多くの人が耐えられる時間的負荷だとは、とても思えないのだ。(セガへの応援票が入ってる)
しかしながら、お金を払った人だけがたどり着けるモノの素晴らしさは信じることが出来る。
私もそれを経験したからだ。


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