私は普段、ゲームのムービーが綺麗かどうかなんて話はあんまり書きたいとは思わない。 だって、ムービーが綺麗なのは創ったヤツが凄いだけだからね。 そりゃ金かけて凄いムービーを創ってる連中からは、「俺のことを監督と呼べ!」って言い出すヤツも出てくるよ。 おそらくそういう自己認識も産まれてくるだろう。 でも、我々はそれに何にも寄与していないから凄くも何ともないでしょ。 書いたところで自分に何の得もない話を書くなんて馬鹿げている、と私は思うのである。 しかし、いま私はムービーについて書く必要に迫られている。 『IA/VT -COLORFUL-』のPVと呼ばれる背景のムービーについてである。 このゲームをやっていて、酷く眠いことに私は気付いた。 プレイしてても何にも頭に浮かんでこない。 考えることがないんだ。 情報がないから。 というのもこのゲーム、効果音がかなり激しいせいもあって、歌詞が全く聞き取れない。 セガの初音ミク系なんかより一段と聞き取りにくいな。 だから、なんについて歌っているのか分からない曲が多い。 そういうときに助けとなるのがPVのはずなんだが、PVはPVでワケが分からないんだよ。 PVを創った人がこの曲をどういう風に理解したのか、が全く伝わってこない。 セガの初音ミク系は割と伝わってくるんだ。 例えば、『Project DIVA- 2nd』の巨大少女なんかだと、PVに怪獣が出てくる。 でも歌詞に怪獣は出てこない、たぶん。(正確な歌詞は知らないが) おそらくPVを創った人が、思春期の頃の自分を怪獣に見立てたんだろうし、大人になる過程で思春期の自分と戦っている歌だと解釈したんだろう。 正確な歌詞が分からなくても、それを見れば何についての詩なのか、こっちも大体想像がつくじゃん。 そうすると、こっちもそれについて考えることが出来るようになる。 そういうのが『IA/VT -COLORFUL-』にはあんまりない。 全部が全部ないわけじゃないが。 意味不明の静止画をスライドさせつつ、何かの模様の繰り返しを被せてみた、みたいなのが多い。 これでは何のことかさっぱり分からんな。 だから眠くなるんだろう。 まあ、初音ミクに比べたら売り上げは少ないと予想できるし、曲数も多いし、PVにお金をかけられない事情もあったんだろう。 なんと発音するのか分からないIAっていうボーカロイド、せっかくモデリングしたのに、あんまり動かないのもそのせいなのかな。 やけに顔のアップ、あるいは変なアングルが多いのが気になる。 お金が掛かるからモーションキャプチャーしたくなかったのかもしれないね。 眠くなるのも、元をたどれば売れる見込みの多寡に行き着いちゃうってのが悲しいところではある。 |