『岩倉アリア』、面白かった。 パッケージの絵に惹かれて、どんなゲームなのか知らずに買ったのだが、これは予想外だった。 いや、そうでもないか。 ちょっと読んだことがないようなストーリーのノベル系アドベンチャーなのだが、パッケージの絵がよく内容を表しているようにも思える。 ストーリーは絵から想像していただきたい。 私はキャラクターの話だけ書く。 このゲームの主人公が私はあんまり好きではない。 というか、納得できない。 ご主人様の秘密を探りすぎだよ。 養護施設育ちで16歳で就職しなければならず、困っているところに待遇の良い働き口を貰えたのに。 普通そんなに探るか?って思ったね。 主人公の行動に全く同意できなかったな。 16歳の女の子の気持ちもよくわからないしね。 お嬢様に惹かれていく描写もピンとこない。 もう一方の主人公である岩倉アリアもいまいち納得できなかった。 20年やそこらでその境地に達するかな?と思ってね。 一応立場上は自分の方が上なんだから、もっと強く出てもイイじゃん。 このキャラクターもあんまり好きになれなかった。 それでもこのゲームを最後までプレイできたのは、周(あまね)のおかげだった。 周というのは、岩倉アリアの父に扮している、元執事のような男のことである。 このキャラクターが複雑で酷く興味をひかれた。 最初はめちゃめちゃイイ人っぽかったのだが、だんだん化けの皮が剥がれてくる。 でも、それを隠さない。 主人公が秘密を暴こうとするたびに、全部手の内を自分からばらしていくのだ。 ここが面白かったな。 全部手の内を見せながら、それでもまだ何か裏がありそうに感じさせる絶妙なキャラクターだった。 このキャラクターをもっと知りたい、と思えたから、どうにかこうにか最後までプレイできた。 ゲームの中では描かれていないが、深読みすれば最終的な結末も周の狙い通りだったと考えられなくもないし、私はそう思ってあげたいぐらいである。 結果的に見ると、最後までプレイして良かった。 中盤ぐらいまでシンドかったけど。 キャラクターにゲームが救われた好例だと思うな。 |