ALTER EGO、PlayPass版

境界線が曖昧になる 2022_10_27

 

カラメルカラムという会社にちょっと興味があった。
『AZNANA』はお気に入りの作品だったので。
その前にリリースされた『ムシカゴ』もやってみたのだが、こちらはいまいちよくわからなかった。
ただただ広告を見せたいだけのような気がして。
そこでいったん私の興味は途切れた。

今回『ALTER EGO』をプレイしたのはPlayPassに入っていたからなのだが、これは気に入ったな。
広告なしでプレイできたからかもしれないが。
DLコンテンツまでプレイした。
これから書くことは私の感覚の話なので、読んでも構いません。
でも、もし興味があるなら、何も知らない方がいいような気がします。

このゲームは、自分が思考の迷宮に迷い込んだ、というような体で始まる。
そこになぜか本だけしかない部屋があって、その部屋に正体不明な女性が住んでいる。
最初は、自分が彼女に相談する、という体裁で精神分析のようなことをやらされるのである。
その分析が正しいのかどうか、私にはわからない。
おそらくそれはどうでもいいことなのだろう。

ゲームとして見れば、どうということはない。
画面をタップするか、あるいは放置してポイントを貯めて、物語を開放していくだけ。
タップをすることを過去の名著を読むことに置き換えている点に、ちょっと独創性は感じるけれども。

問題はお話の方。
最初は自分が相談していたはず。
ところが、最終的には自分の方が相談に乗っているような展開になっていく。
更に彼女の言っていることが自分のセリフのように感じられてくるの。
境界があいまいになっていくような不思議な感覚。
これはちょっと他では感じたことのない感覚だね。
考えようによっては、自分が自分に相談しているようにも思われる。
このゲーム、副題に「自分探しタップゲーム」と書かれているのだが、まさしくそんな感じ。

ここのライターさんはなかなかの実力者なんじゃないか。
『ムシカゴ』もよく考えれば何か意図があったのかもしれないな、広告のせいで私の目が曇ってしまっただけで。
今後とも注目したいところではあるんだけど、メインスタッフが二人しかいないみたいから、そうそう新作は出てこなさそうではある。


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