いつもゲームをやっているからといって、どんなゲームでもいきなり上手くできるぜ!なんてゲーマーは存在しない。 はじめは誰でもヘタッピである。 だから、ゲームの序盤というのは大抵簡単なのである。 対戦格闘ものであれば、コンピ側が手心を加えなければならない、ということになるだろう。 なにせ、敵は目の前の一人だけなんだから。 このところ、『DOA4』のタイムアタックを少しずつ進めている。 ネットワーク対戦にも多少興味はあったのだが、ワイヤレスコントローラーを修理に出しているうち、無料期間が過ぎてしまった。 もちろん、お金を払えばいいのだが、1ヶ月分だけ払うと割高でなんかムカツク。 マイクロソフトを喜ばせるのも悔しいから、タイムアタックだけやることにした。 そもそも見も知らない人たちと会話するつもりもないし、ただ対戦するだけならば、良くできたアルゴリズムは人間と変わらない。 実際やってると結構楽しい。 はじめは非常に難しいと感じたのだが、今では割と良くできたアルゴリズムなんじゃないかと思えるようになってきた。 と同時に、手心の加え方に問題があることもわかってきたのである。 人間はなかなか敵さんのモーションを見て対応はできないので、大抵の場合、前もって決めた行動を取っている。 初心者なら、モーション見てもわからないしね。 一方、コンピュータは本気を出せば、相手が何をしてくるのか瞬時にわかるので、そこは人間らしく行動を事前に決定するアルゴリズムが採用されているはずである。 このことを少し考えてみよう。 もし仮に、イニシャルの状態で打撃・ホールド・投げの三すくみが完全にジャンケンと同じだとすれば勝つ確率は1/2であって、これは初心者であってもさほど変わらない。 むしろ、浮かしたとき、よろめいたとき、ダウンしたとき、といった優劣の付いた状態で力の差が出る。 COMは追撃を最後まで入れられるが、自分は何をして良いのかわからないとなると、一回の攻防で与えるダメージの総量に大きな差が出てしまうだろう。 すると、ジャンケンの勝率が1/2であるかぎり、力のないプレイヤーは高い確率で負ける。 にもかかわらず、へたっぴなプレイヤーでもそこそこ勝てるのは、イーブンな状態での勝率が1/2ではないということだ。 つまり、COMはイーブンの状態で手を抜いているのである。 何もしない時間を入れたり、出の遅い技を選択してくれているのだろう。 ここら辺が『DOA4』のコンピ戦が難しい、つまらない、と感じさせる要因になっているんじゃないか。 むしろ、優劣のない状態からはほぼ1/2で良いけど、一回のダメージを小さくすることで手加減したほうが良いような気がするな。 一回の攻防でガーっと削られるとむかつくんだよ。 イーブンの状態での攻防は誰でも出来るだろ。 考える時間もあるし。 今の『DOA4』のコンピ戦は、離れた状態で射程の長いワザを出したり、打撃でぐいぐい押していくと勝てるようになっている。 最初の一撃はかなりの確率でプレイヤーが取れるのだ。 そこがわかれば、ヘタッピでもクリアできるわけだから、救済措置のつもりなのかもしれない。 でも、分かっちゃうとそれはそれで面白くないわな。 やっぱ、手心の加え方に問題あるんじゃないの? |