私は基本的に緩いゲームを許容する立場である。 コアなゲーマーというのはジャパニーズRPGのような誰でもクリアできるように作られているゲームを批判しがちだが、私はそういうネット上で声のでかいコアゲーマーにむしろ批判的なのである。 我々が求めてきたからゲームは緩くなってきたのだ。 ところが。 自分の立場と矛盾する反応を今まで示してきたゲームがある。 コーエーの「無双」シリーズがそれだ。 私はあのシリーズのデモを見た瞬間からずっとバカにしていて、今まで一度もやろうと思ったことがなかった。 なぜバカにしていたのかというと、ただボタンを適当に押しているだけで大量の雑魚が吹き飛ばされていくその構成からして、狭義のゲームであるところの負荷が極めて小さいであろうと容易に予見できたからである。 でも、それはおかしいわな。 小さな負荷を乗り越えることによって大きな喜び(成果)を得られるようにすることに、あるいはそう錯覚させることに我々は娯楽としてのゲームを見出しているはずだ。 無双シリーズだって当然に認めてあげるべきじゃないか。 これを認めないのはダブルスタンダードというべきであって、自分に猛省を促したいところである。 何でこんな話から書き始めたかというと、初めて無双系をやったからである。 PSPで遊びたいのに遊ぶものがないので、『無双OROCHI』をやってみた。 そしたら、やっぱりこのゲームに対して強い軽蔑のまなざしを向けている自分に気付くのである。 駄目なゲームだと思うね。 長年こういうゲームだろうなと思っていた通りだった。 何でこんなにこのシリーズが嫌いなのかと私は考えてみた。 やっぱり、あれだな、PS2のサードパーティーで大成功したシリーズだからなんだろう。 コーエーはPS2になって一番伸びたサードパーティーだからな。 コーエー自体は昔から馴染みがあって嫌いになれないから、無双シリーズを特に敵視してきたんだ。 DCにはさすがにこれだけの出力はないしな。 積年の恨みはそう簡単には晴れない。 雑魚をなぎ倒していても全然嬉しくないのである。 無双アレルギーを克服するのには相当の努力が必要になりそうだ。 |