アラン ウェイク

不思議な方法で倒したい 2011_05_09

 

私はホラー映画が大好きである。
必然的にスティーブン・キング原作の作品もたくさん観てきた。
しかし、彼の作家としての高名さに比べると、映画はそれほどでもないものが多い。
どういうワケか不思議なことが起きてるのに、最後に物理的な方法で化け物を倒してしまうことが多く、そんなんでいいのか?と首をかしげることが多かった。
原作にどの程度忠実なのか分からないが。
世間一般的にも、彼の映画化された作品の中で評価が高いものは非ホラー系なんだそうだ。
私が大好きな『ショーシャンクの空に』もホラーじゃない。

ところで、『アラン ウェイク』をやっていると、いかにもスティーブン・キングの作品だって感じがするんだよ。
作家が主人公になっていたり、闇そのものに悪意のようなものが潜んでいるといったあたり、いかにもスティーブン・キングが考えそうな話だし、映像の雰囲気もどこかで観たことあるような印象だ。
スティーブン・キングが原作だと言われたら、たぶん信じてしまうだろう。
ただし、スティーブン・キング原作の多くの映画よりはむしろこっちの方が良いかもしれないと私は思っている。

このゲーム、敵は闇に潜む悪意?みたいなヤツである。
主人公に闇の力が支配する世界を小説に書かせて、実体化しようとしているらしい。
敵が闇だから、攻撃手段に光を用いているあたりが、ちょっと普通のゲームとは違う。
銃を撃つ前に光を当てないとダメージが与えられないのだ。
システムにストーリー上の意味づけがなされていて、非常に好印象だった。
負荷の構成としては光が照準になっているのと大して変わらないんだけど、意味づけがなされているだけでプレイヤーの気持ちが全く変わってくる。
ひょっとしたらワンパターンですぐに飽きるかな、と最初は思ったが、やってみたら最後までずっと楽しめたな。
演出面も凝っている。
これは素直に面白かった。

でも私が一番感心したのは、最後のところだな。
ゲームだから、物理的な攻撃はするんだ。
でも、肝心なところは物理的手段ではない。
ただのスイッチなんだ。
あそこが良かった。
可思議なことを起こす敵には、不思議な方法で対処したい。
それも、ある程度納得のいく手段で。
私は結構そういうところを気にするんだ。
このゲームの筋立ては非常に良かった。
スティーブン・キング原作のホラー映画よりずっとこっちの方が好きだな。
全体的にはパクリっぽいけど、全く気にならなかった。



戻る