今は亡きセガが最も輝いていたのは、ゲーセンでモデル2基盤が採用されていたころだった。 同業他社に対して3D技術で圧倒的優位に立っていたからだ。 その当時モデル2基盤を最も上手く使いこなしていたのがAM2研であり、そこのボスが鈴木裕だった。 一時期はハイエンドゲーム界のリーダー的存在だったな。 セガファンを自称する我々にとって「鈴木裕」という名前は特別なのである。 AppleArcadeに鈴木裕の新作『Air Twister』が登場すると知って、私は即座に加入した。 しかし、ゲームが面白いことを期待していたわけではない。 もうお爺ちゃんだからね。 さすがに才能も枯れてるでしょ。 事前の紹介画像を見る限り、スペースハリアーにロックオン機能を追加したような印象であり、やはり古臭い感じはした。 やってみたら、古臭い印象は当たっていた。 大体予想通りの作品だったのである、この時点では。 iPadでタッチ操作を使うことによって、多少は目新しさを感じるのだが、手で画面が隠れてしまい、敵弾が見づらい。 そこで、AppleTV4kでコントローラーを使ってみたところ、敵弾は避けやすくなった。 でも、その代わりロックオンはやりずらいし、古臭さ全開でプレイする意味を見出せなかった。 正直もうやめようかと思ったのだが、ここで重要なことに気づいた。 このゲーム、マルチタッチに対応していたのだ。 これは凄く重要。 なぜなら移動とロックオンを切り離せるから。 自機を安地にキープさせたうえで、どこでも攻撃できちゃうの。 ボス戦なんかはかなり楽になる。 その代わり、両手を使うから画面が全然見えないけどね。 敵は自分が少し前にいた位置に弾を撃ってくるから、ゆっくり回るように移動することによって大抵は回避できるんで、クリアすること自体は問題なかった。 実際、エンディングまで行けたよ。 10回はやってないと思う。 スローモーションを獲得する前にクリア出来ちゃった。 振り返ってみると、マルチタッチを使ったシューティングゲームは斬新だ、とは言えた。 少なくとも私は初めてやったからね。 しかし、面白いかというと、さてどうか。 特に面白いとか、やりがいがあるとか、そういう感想はないな。 このゲームには成長要素があるし、成長したうえでスコアアタックすることもできるわけで、私が気づいていない何かがあるのかもしれないが。 |