ゲームで遊んでいると、なるほどな、と思うときがある。 ハードウェアの設計思想が垣間見えたり、ゲームの負荷設計に得心が行く時があるのだ。 しかし、3DSには全然そういうのがないな、今のところ。 どういうことなのか全然分からない。 でも、名前がDS2ではなく、3DSになったのはそういうことか、と思い当たる節はあった。 あんまり気持ちのいい話ではないのだが。 『スターフォックス64 3D』をプレイしてみた。 今更といった感はあるが、3Dが負荷のデザインに与える影響やジャイロセンサーの使い勝手を体感するにはちょうどイイかと思ったのである。 ところがこれは当てが外れた。 そもそも3Dとジャイロセンサーは共存し得ない。 3DSを動かしたら、視線が3Dの許容角から外れちゃうからな。 まずどっちを優先するか決める必要があった。 どっちかと言ったらジャイロでしょ、普通。 タイトルに「64」って入ってるぐらいだから、3Dを採用したことにより負荷設計を大きく変えているとも思えないしねえ。 しかし、これは長続きしなかった。 3DSを立てないといけないので、プレイする姿勢が限定されるんだよね。 このところ同じ姿勢でいることが辛くて、プレイするのがシンドかった。 ジャイロは断念して3Dをオンにすることに。 しかしまたこれが上手くいかない。 全然3Dに見えないのである。 というのも、Aボタンを連打していると、力が入って3DSが傾いて来ちゃうんだよね。 ボタンが小さくて、重くて、ストロークが浅いんだ。 ここがよくわからないんだよ。 3DSって上画面が大きいから、相対的にタッチスクリーンの重要性がDSの時より下がってるはずなのに、ボタンは凝った作りになっていない。 タッチスクリーンを使わない局面が増えるはずだから、もっと押しやすいボタンを採用しても良かったのに、と私は思うのだが。 ボタンが素っ気ないデザインになっているのは、たぶん一般人向けですよ、というアピールだと思うのだが、だったら上画面と下画面を一致させるべきだったんじゃないか。 上が大きいとどうしても上を使いたくなるでしょ。 そうすると、タッチスクリーン側を単なる差分入力のインターフェイスとして使う羽目になっちゃう。 でも差分入力で使うなら、アナログパッドを使ったっていいわけで、非常に勿体ない。 よっぽど3Dに一般人向けの訴求力があると考えたから、このデザインになったんだと思うんだけど、どうなんだろうね。 私は全く賛成出来ない。 結局、『スターフォックス64 3D』は3Dオフ・ジャイロなしでプレイして、とても面白かった。 さすがに名作である。 3DSでプレイする意味があったのかと言えば、全くなかったのだが。 ただし、3DSに逃げ道があることは理解出来た。 あらゆるゲーム、あらゆるアプリで3Dがオフでも動くように作ってあるって事は、まあ、たぶん負荷の設計に3Dは影響を及ぼさないか、あっても非常に軽微なんでしょう。 だったら、『NINTENDO 2DS』を発売することは出来るよな。 3D機能をカットした廉価版。 名前をDS2にしなかったのは、3Dで失敗した場合に方向転換出来るように、という意味があったのかもしれない。 名前がDS2で、すぐにDS3を出したら大ひんしゅくだけど、先に3DSを出しておいて、廉価版の2DSを出す分にはそんなに文句も出ないのではないか。 先に3DSを買った人は優越感あるだろうし。 その場合、一般向けを捨てて、DSで捕まえた既存ユーザーをワンステップ上連れて行く、といった具合にコンセプトチェンジを図ることになるだろう。 となれば、もうちょっとマシなボタンを採用してくれるんじゃないか。 というか、是非採用していただきたい。 スタートボタンとか電源ボタンとかも押しにくくて仕方ないよ、現行の3DSは。 <後日談 2011_07_28> 3DSはいきなり1万5千円に値下げされるそうだ。 まさか単純な値下げに来るとは。 部品メーカーとの契約があるから生産量を減らせないとか、何か事情があるのかもしれない、もしかすると。 しかし、先に買ってくれたユーザーが怒りそうだな。 値引き幅が大きいからね。 |