十三機兵防衛圏

振り切れてるのがイイ 2020_01_11

 

今でもアニメはまあまあ観てる。
というのも、NetflixとかHuluに加入している時に、映画を観るのがシンドイもんだから、アニメに逃げがちなのだ。
日本のアニメは短いのがいい。
30分といいつつ、実際は正味22分しかないからね。
どんどん話数が進んでいくから、払ったお金以上に情報を消費している実感が得られて嬉しいのである。

観てると、ちょっと気になるところはあるんだ。
今どきはちょっとふざけているのが人気なのかな。
一般の人から見たらキモイと分かっててやってるんですよ、我々は、という感じ。
一種の照れ隠しのように感じるんだ、私は。
もっと振り切った方がいいんじゃないか、痛いなら痛いなりに。
その方が美しい気がするんだよな。

ところで、これから『十三機兵防衛圏』の話を書こうと思っている。
これはすごいゲームでした。
あんまり細かいことを書くつもりはないのだが、私が気に入っている点について書こうとすると、どうしても多少ネタバレになってしまいそうな気がする。
何も知りたくないという方は、ここから先に進まないで下さい。


この『十三機兵防衛圏』はアドベンチャーパートとバトルパートに別れているのだが、最初はどちらも難しくはない。
アドベンチャーパートなんか、フローチャートを見ながらフラグを立てるだけ。
しかし、始めてから3週間ぐらいは全然進まなかったな。
話がなかなか見えてこなくて、やる気が出なかったのである。
アドベンチャーパートでは、13人の少年少女がなぜ機兵に乗って戦う決意をしたのか、をそれぞれ追っていきながら少しずつ全体像を解き明かしていく構成になっていた。
しかし、断片的で且つ時系列がメチャクチャで、しかも登場人物が多いときてるから、なかなか頭の中で整理できなかったな。
中盤ぐらいになってやっと話が見えてきて、その時点である程度は展開を予想したよ、私も。
ところが、それを遙かに上回る複雑なお話だった。
負けたと思ったね。
部分的にはどこかで観たことのあるお話なんだけど、ここまで複雑に組み合わせた話はちょっと見たことがない。
エンディングを見ても、細部までちゃんと理解できているか自信が無いぐらいだ。
度肝を抜かれた。

考えようによっては痛い話ではあるんだ。
大体ナノマシンが出てくるお話なんては、出来もしないことを出来ることにしてるわけだから、SFといっても最底辺みたいな部類だよ。
でも、このゲームは振り切ってる。
まるで照れがない。
それを象徴しているのが、各話の最後にスタートボタンを押すシーン。
別の時間軸の自分や、別世界の自分の思惑はありながらも、今の自分の気持ちで機兵に乗ると決意するのだ。
そして、自分でスタートボタンを押す。
そのポーズがイキってるの。
あれがいい。
かっこいいよ、キャラクターも創った連中も。
アレを見たときに、これは素晴らしいゲームだと確信できた。

私はこういう話はどちらかと言えば好きじゃないんだよ。
ナノマシンで凄いことが出来るみたいな話が私はとにかく嫌い。
自分をコピーすれば生き延びられる、みたいな話も嫌い。
それは自分とは別の個体だからね。
でも、それを押しても尚余りあるほどの素晴らしさがここにはある。
久々にこれはプレイして良かったと思えるゲームだった。


<後日談 2020_01_14>
書いていて気付いたが、私はナノマシンが出てくる話が大嫌い。
タイムマシンなんかと違って、ナノマシンって得体がしれないんだ。
そもそもサイズがナノスケールなマシンの総称だからね。
具体的に何がどうなってるのか、こっちは全然分からないでしょ。
でも、ナノマシンと書いておけば、体の中で何を起こしてもOK!みたいな感じがイヤ。
許せない。


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