アホでないことの証明

アホでないことの証明 2004_02_02

 

「なんで半袖なんですか?」と聞かれることがある。
私が冬でも半袖のTシャツを着ているからだ。
しかし、「なんで」と問われても答えに窮してしまう。
半袖でも平気だから半袖で過ごしているだけなのだから。
部屋の中が暖かいので長袖を着る必要はないし、短い時間なら外に出たって平気なのである。

しかし、最近は少し状況が変わってきている。
私は以前より寒がりになった。
歳をとったせいか、体の発する熱量が年々小さくなっているのを自分でも感じているのだ。
悲しい話である。

それでも、やはり可能な限り半袖で通したい。
意地がなくなったら人間は終わりである。
そこで私はいつも「なんで半袖なんですか?」と問われたときは、こう答えることにしている。
「俺も早く風邪を引いて、アホでないことを証明したいんだよ。
 はよ風邪ひかんかなー」

もちろん風邪はひかないだろうと思って半袖生活を送っていたわけだが、先日風邪をひいた。
思いがけずアホでないことを証明できたわけである。

ところが。
折角風邪をひいたのに、その症状は金曜の夜から日曜の昼頃までに治まってしまい、全く誰にも見せることが出来なかった。
つまり私がアホでないことを知っているのは私だけだということになる。
風邪ひいて苦しい思いをしたのに、詮のないことだな。

月曜日から私はまた半袖で暮らすことになったのである。
私が風邪をひいたことに気がついた人間は一人もいなかった。


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