水戸線の旅


東北本線の小山駅から常磐線に接続する友部駅まで50.2キロを結ぶ水戸線の旅を紹介します。 水戸線は明治22年、水戸鉄道によって小山〜水戸間が開業。同25年、日本鉄道に合併された後、 39年に国有化され、東北本線と常磐線とを結ぶ連絡線として小山〜友部間が水戸線となりました。 現在は、水戸線のほとんどの電車が常磐線直通となっており、車両も常磐線と共用されています。
途中の下館駅からは、真岡市方面に向かう真岡鉄道が接続。1999年5月から6月にかけて行われた 真岡鉄道SL復活5周年を記念するイベントでは、下館から小山の区間にSL列車が乗り入れ、32年 ぶりで水戸線にSLが走った事から、多くの鉄道ファンでにぎわいました。

・小田林・

水戸線の起点となる小山駅を出発し、県内で最初の駅となるのが結城市の小田林駅。小田林という地名は、 背の低い潅木が生い茂る森林地帯を切り開いて、水田を作ったむことに由来します。
また、駅の南側むを走る国道50号沿いには、結城紬の制作工程などを展示した工芸館などがあります。

・結城・・東結城・

小田林駅を出ると、電車は結城市北部を西から東へ横断していきます。結城市は鎌倉時代に結城氏の城下町 として栄えたところで、史跡や文化財が数多く残されているほか、古くから伝わる結城紬の関連施設も点在しており 、県内外からも多くの観光客が訪れます。
市街地が広がる結城駅の北部には、当時の町並みを生かした『紬のふる里歴史の道』が整備されています。築地塀の 眺めやせせらぎの音を楽しみながら歩くと、桜の名所としても知られる結城城跡公園に到着。園内の水辺を散策して あずまやでひと休みした後は、市街の『見世蔵』(土蔵造りの商店)でみそ造りや紬織りなどを見学。駅まで戻ると 2〜3時間の行程となり、軽く汗をかくのにもちょうどいいコースです。
次の東結城駅は市の北東端に位置し、駅の北部を流れる田川は、下流で鬼怒川に合流します。駅を出て北へ 徒歩5分のところには結城市伝統工芸館があり、結城紬や桐下駄、桐たんすなどの特産品が展示されています。 希望すれば昔ながらの地機で織りを体験することができます。少し難しい技術ですが、専門家が指導して くれるので、挑戦してみてはいかがでしょう。

日高川通り 機織り

・川島・・玉戸・・下館 ・

下館市に入って鬼怒川を渡り、最初の駅が川島駅。明治時代まで、東京に通じる鬼怒川水運で栄えた場所 で、地名に残る河岸の名が当時の名残を留めています。
次の玉戸駅は昭和63年に開業した、水戸線では最も新しい駅。付近には、新興住宅地やショッピングセンター があり、下館市の新しい街として発展しています。
下館市は、県政地西地域の交通の要衝であり、水戸線の開通とともに商業の街として発展したところです。 その玄関にあたる下館駅には、週末にSLの走る真岡鉄道と、JR常磐線取手駅を結ぶ関東鉄道常総線が乗り 入れています。今に残る明治期の商家造りの家並みや『板谷波山記念館』を訪れると、陶芸家故板谷波山氏 と洋画家森田茂氏の2人の文化勲章受章者を排出している下館市の歴史むと文化に触れることができます。
また、毎年7月に行われる祇園祭は、勇壮な二基の大御輿、30を越える元気な子ども御輿が各町内を練り歩き、 街中が祭りの熱気に包まれます。さらに、10月には薪能が行われ、当代一流の演者の舞が、観衆を幽玄の世界 へ誘います。

板谷波山 祇園祭の御輿

・新治・・大和・

小貝川に架かる橋を渡ると、電車はやがて新治駅に到着。新治の地名は新たに開拓されたことを示す農耕地名 で、この駅を中心とする協和町は、県下でも施設園芸が盛ん。こだますいかやきゅうりは県銘柄産地の指定を 受けており、特に『紅こだますいか』は全国一の名産地です。さらに、伝説小栗判官ゆかりの地としても知られています。
また、駅から車で約十分の所にある「県西総合公園」は桜やマリーゴールドなど四季折々の花や木が人の心を和ませ、 豊かな自然を満喫することができます。広々とした公園内では多目的運動公園やこども広場などがありさまざまな スポーツやイベントが楽しめます。
次の大和駅がある大和村は、加波山に連なる燕山や雨引山、丸山などの山並みが四季折々の景色を醸し出し、 自然の美しさを堪能させてくれます。
さらに、古跡・旧跡が点在し、中でも雨引観音は桜の名所としても知られています。また、大和村は石彫の郷でもあり 、街の片隅や県道沿いに置かれたユニークな石の彫刻が訪れる人の目を楽しませてくれます。

小栗判官まつり(出演:羽賀研二)

雨引観音 雨引観音

・岩瀬・・羽黒・

電車は大和村を過ぎて、岩瀬町に入ります。謡曲『桜川』の舞台となつた「磯部桜川公園」の桜や「羽黒石」の異名を 持つ御影石で知られる岩瀬町。豊かな水と緑に恵まれ、アウトドア派にも人気のある地域です。
町役場の最寄りの駅となる岩瀬町のホームに降り立つと、田畑の緑と野鳥のさえずりが迎えてくれます。駅の脇には、 常総筑波線跡地を利用したサイクリングロード「リンリンロード」が敷かれています。土浦まで約四十キロを結ぶ道は アップダウンも少なく、今は使われていない踏切やホームの眺めに鉄道の歴史が感じられます。また、国道50号 沿いにはユニークな石の彫刻を配した遊歩道「石匠のみち」が整備されているほか、協和町との境にある上野沼の ほとりに、オートキャンプ場やテニスコートなどを完備した「上野沼やすらぎの里」があり、県内外から訪れる 家族連れでにぎわっています。
駅を出ると間もなく右手に加波山が姿を現し、羽黒駅に到着。県外の釣り人にも人気の高い「小ノ池」水面に加波山の 姿を映し出す「ますみが池」などは散策にも最適です。

上野沼やすらぎの里 上野沼やすらぎの里

・福原・・稲田・・笠間・

笠間市に入り、最初の駅が福原駅。駅の北西には島根県の出雲大社の分社にあたる「出雲大社常陸分社」があり、 大社造りの社殿が荘厳さを漂わせています。
次の稲田駅を降り、国道50号を西に行くと親鸞聖人ゆかりの古刹「西念寺」がひっそりとたたずんでいます。 駅周辺は日本最大級の御影石の産地で、駅の北西にある採掘現場「石切り山脈」の眺めは迫力があり、その規模 の大きさがうかがわれます。また、近くの「石の百年館」は、全国でも珍しい採石の歴史を残す資料館です。
次の笠間駅周辺には、菊まつりい゛有名な「笠間稲荷神社」や「笠間つつじ公園」、北大路魯山人の旧宅「春風萬里荘」や 「笠間日動美術館」のほか、佐白山の頂上には笠間城跡もありハイキングにも最適です。
また、毎年開催される笠間焼の祭典「陶炎祭」や「匠のまつり」の会場となる笠間芸術の森公園内には、2000年 4月に「県陶芸美術館」がオープン。「笠間工芸の丘」が隣接しているので、笠間焼の手ひねりやロクロの体験もでき、 女性グループや家族連れに人気です。

笠間稲荷神社

・宍戸・・友部・

友部町に入って最初に停まるのが宍戸駅。駅名の宍戸は、かつてこの周辺に鹿が多くすみついていたことを示して いるといわれます。鎌倉から戦国時代にかけて宍戸氏、江戸時代は明治維新に至るまで松平氏がこの地を治め、点在 する古い民家や古刹などが城下町宍戸の歴史を物語っています。
駅の改札を出て南へ十分ほど歩いたところに「友部町立歴史民俗資料館」があり、考古資料や城下の資料、農具、民具 などの展示品に友部町の変をうかがい知ることができます。資料館の建物は、旧宍戸町役場の庁舎をそのまま利用 した昭和初期の洋風建築で、館内の黒々とした柱やシャンデリアには当時の様子がしのばれます。また、駅北側の 十文字山近くの、緑に囲まれた北山公園には、キャンプ場やローラーすべり台、水車小屋、湿性生態園などがあり、 行楽に最適です。なかでも周囲約二`の白鳥湖では、冬には優美な白鳥の姿がみられます。
宍戸を出ると、常磐線との分岐点である友部駅に到着。駅の南に整備が進められている北関東自動車道の、友部 ジャンクションと友部インターチェンジ間が、開通。

北山公園 北山公園

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