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土の種類肥料の種類土づくり播種間引き・仮植え・定植病害虫の防ぎ方肥料の与え方ふやし方

土の種類

[黒土]
火山灰が堆積してできた黒い土で、通気・排水性に欠けるので、
腐葉土や堆肥を混ぜて使う。

[赤玉土]
関東ローム層に多い土で、排水・保水力に優れ、大粒・中粒・
小粒がある。無菌な土なので挿し木の用土にもなる。

[腐葉土]
広葉樹の落ち葉を腐らせたもので、保水・排水・通気性に富み、
肥料分も含む。

[パーライト]
真珠石を焼成したもので、非常に軽く、通気・保水性に優れて
いる。

[バーミキュライト]
ひる石を高熱で焼成したもので、軽く、排水性・保水性に富み、
無菌なので種蒔きや、挿し木用土に使われる。

[砂]
火山や河川で取れる砂で、桐生砂、富士砂、川砂などがあり、
排水性を良くする時に使う。



肥料の種類

[有機質肥料]
油粕、骨ふん、鶏ふんなど動植物質の肥料で、長い間効果が
持続する遅効性肥料。肥料成分(窒素、リン酸、カリ)が少
ないので肥料やけを起こす心配がないが、悪臭を発するもの
があるので、室内に置く鉢物には不向き。

[無機質肥料]
化学肥料とも呼ばれ、肥料成分が単一(単肥)のものと2種
以上の成分を含む化成肥料や液肥などの複合肥料がある。
化成肥料は元肥や追肥に最も広く使われる肥料で、即効性
と遅効性がある。液肥は水で薄めて使うもので、水の量に
よって濃度を調節できる。

[有機質配合肥料]
有機質肥料と化学肥料、有機質肥料と化成肥料を配合した
もので、双方の利点を生かし、元肥や追肥に使われる。

土づくり

土中に張った根から水分を吸い上げ、葉での光合成によって
養分を作る植物にとって快適な土とは、通気性が良く、保水
性があり、なおかつ余分な水を排する力を兼ね備えた軟らか
い用土のことをいいます。日本は酸性土壌が多く、自然から
還元される有機物質を施すことが大切です。

と、いっても、特に痩せた土地意外ならハーブは育てられま
すが、土の良否が後の生育を左右するので、保水、排水性が
良く、通気性のある、ふかふかした土に改良するのが望まし
い。そのために、

[よく耕す]
石などを取り除き、スコップを肩まで入れて30〜40cm
ぐらい耕すと、土が団粒化して、ふっくらとした通気性に富
んだ土になる。

[有機質を施す]
堆肥や腐葉土をすき込むと、細かい粒子と粒子が有機物と結
合して団粒をつくり、その隙間に空気や水がたくわえられて、
ふかふかで通気・排水性の良い団粒構造に改良される。有機
物は、土が固まるのを防ぎ、団粒構造を長持ちさせると同時
に、やせた土を肥沃な土に変える働きもする。

[石灰を施す]
日本の土壌の多くは酸性土壌で、地中海原産のものが多いハ
ーブにとっては苦手な土なので、アルカリ性の石灰(消石灰
や苦土石灰)を施して土を中和する。石灰は土の表面にうっ
すらと霜が降りたように見えるぐらいの量を平均的にまき、
石灰が固まらないように土とよく混ぜて十分にすきこむ。

[土の状態をみる]
土を手にとってギュッと握り、軽く指先でおしてみると、
各粒子間の隙間が開いているので、パラっと崩れる。
簡単に崩れない土は通気、排水が悪く、根腐れを起こす単粒
構造の土。石灰をすきこんでから2週間ぐらいそのままおい
て(2回ぐらい雨が当たるのが理想的)から植えつける。雨
が降らなかったときは水をまく。

《コンテナ用の土づくり》
限られた空間で植物を育てるコンテナ栽培では、特に用土づ
くりは重要な作業です。保水力に富み、水はけのよいことは
庭の土作り同様大切なことだが、ハーブの多くは他の植物の
用土より、一段と水はけをよくすること。

■赤玉土(小粒)6、腐葉土3、バーミキュライト1の割合
で混ぜ合わせて培養土を作っておき、用意した鉢の鉢底に防
虫網を敷く。ラベンダーやタイムなどを植える場合は、ふる
いにかけてミジン(細かい粉のような土)を捨てる。
■ゴロ土(大粒の赤玉土、鉢のカケラ、発泡スチロールなど)
を鉢の深さの5分の1(鉢底が見えなくなる程度)入れる。
■ゴロ土の上に、作っておいた培養土を3分の1〜半分ぐら
い入れ、元肥に粒状の化成肥料を茶さじ1杯(6〜8号鉢の
場合)ほど入れて混ぜ合わせる。土の量は植える苗の大きさ
によって決める。
■植える苗の大きさによって培養土を足す。土の酸性度を調
べ、酸性の場合は、苦土石灰を小さじ1杯加え、よく混ぜ合
わせる。一般にハーブはph5.5〜7.5の間で良く育つ。
ここまでする人はいないと思いますが・・・・(^^;)
ちなみに、ズボラなσ(^_^)は『ハーブの土』として、ハーブ
に適した土がブレンドされて市販されているので、それをその
まま使っています。



播種

ほとんどのハーブは平鉢や箱などにタネをまいて苗を育てる移
栽培植をするが、移植を嫌うものは直まきする。
●少し大きめの容器にバーミキュライト2、ピートモス1の割
合で入れ、固まったピートモスをほぐして、バーミキュライト
とよく混ぜ合わせる。
ピートモスが多いと水はけが悪くな
るので注意する。

●鉢底に防虫網を敷き、あらかじめ湿らせた用土を入れ中高に
盛り、手のひらで表土をおさえる。このとき鉢いっぱいに用土
を入れると水をやったとき鉢からあふれるので、8分目ぐらい
にしておく。

●細かいタネ(微細種子)は古ハガキやメモ用紙などにのせて、
紙の裏から軽くトントンと叩きながら、用土の表面に少しずつ
落としていくと薄く平均して播ける。
まき終えたら薄く土をかけて(通常はタネの2〜3倍)発芽を
促すが、細かいタネは覆土しない。

●タネをまき終えたら適当な容器に鉢を並べ、水を注ぎ入れて
鉢底から水を吸わせる(腰水という)。
ラベルをつけ、風通しのよい半日影に置いて乾かさないように
管理する。

間引き・仮植え・定植

間引きとは、タネが発芽すると密生状態になって日照や通風が
悪くなり、徒長して貧弱に育つので、発芽してから本葉4〜6
枚になるころまで、2〜3回成長の悪い苗を抜くことをいう。

仮植えは、定植前にタネをまいた平鉢や育苗箱などから
ビニールポットなどの違う環境へ移動することで移植による刺激
が根に与えられ、発根を促して根張りがよくなり、徒長しない丈
夫な株に育つ。

定植とは、仮植えして育てた苗が4〜5cmに育ったら、あるい
は購入したポット苗を庭やコンテナに植えつけることをいい、何
よりもよい苗を適期に植えることが大切。
徒長していたり、病害虫に侵された苗は避けて、枯れた枝や葉の
ない、茎が太く、節間のつまった根張りのよい、しっかりとした
苗を選ぶこと、品種が正確であることも、よい苗を選ぶ条件のひ
とつ。

病害虫の防ぎ方

元気に生育しているときは、病害虫の被害も少ないので、肥料の
与えすぎ、過湿、乾燥に注意する。また、花がらや枯れ葉、雑草
をこまめにとり、株元を清潔にし、こみあった枝葉を剪定して通
風をよくするなど、普段の手入れを怠らず、病気を予防するよう
心がける。万一病気が出たら被害の株を抜き捨てて、他の植物に
広がるのを防ぐ。アオムシなどの害虫は発生時期を知って見つけ
たら捕殺する。まわりに植えられた植物を元気づけるカモマイル
やヤロウ、ネマトーダを殺すマリーゴルドなどを混植したりする
のもよい。
防除できないときは、薬剤を散布するが、説明書をよく読むこと。
散布後2〜4週間は飲食などに利用しないこと。

肥料の与え方

肥料を選ぶときは肥料の3要素を知っておくとよい。窒素(N)
は葉肥ともいわれ、主に葉や茎を利用するハーブに。
不足すると生育が止まり、葉の色が悪くなる。リン酸は(P)は、
実肥ともいわれ、主に花や実を利用するハーブに。不足すると根の
発達や花や実のつき方が悪くなる。カリ(K)は根肥といわれ、主
に根部を利用するハーブに。不足すると植物全体が弱くなり、病害
虫の被害にあいやすくなる。


肥料の与え方には元肥と追肥があり、元肥はタネをまいたり、苗を
植えたりする前にあらかじめ土に混ぜる肥料で、植物が成長する間
にゆっくり効く緩効性や遅効性の肥料を施す。追肥は生育の途中で
与える肥料で、鉢土の上に置く肥料もあるが、速効性の液肥や化成
肥料を使うのがよい。短期間で成長させて収穫する一年草のバジル
やチャービルなどには速効性の追肥は欠かせない。化成肥料には、
窒素、リン酸、カリの順で含有量のパーセンテージが表示されてい
る。ハーブでは枝葉を利用することが多いので、窒素成分の多い
10・8・8(窒素10%、リン酸8%、カリ8%)程度のものが
適している。

ふやし方

[タネでふやす]
コリアンダー、タイム、バジルなど、ほとんどのハーブはタネでふ
やせ、一度にたくさんつくるのに最適。タネは庭やコンテナに直に
まいて育てる直まきと、平鉢や箱などにまいて育てる床まきがある。
まき方には条まき、ばらまき、点まきの3つの方法があり、種の大
きさや性質によってまき方を変える。

[挿し木・挿し芽でふやす]
枝や茎を切り取って水や土に挿して発根させる方法で、よい親株と
同じ苗を一度にたくさんつくるのに適している。挿し木用の枝は若
く勢いのある枝を約8cmぐらいにナイフで斜めに切って、下の葉
を除き、水につけて水揚げしてからバーミキュライトや赤玉土に挿
す。半日影で管理し、発根したら培養土に移植する。

[株分け]
ミント類やオレガノ、ヤロウなど多年草のバーブに有効なふやし方
で、これらは何年も放っておくと根詰まりして株が弱るため、定期
的に株分けするとよい。庭植えの株は根を痛めないように掘りあげ、
鉢植えは鉢の周りを手でたたいて逆さにして取り出す。分けるとき
は手で割るようにするか、ナイフやハサミで切り分け、根を広げる
ようにして植える。

[取り木]
枝から根を出させて、親株から切り離して新しい株を作る方法で、
枝の表皮を剥いで水ゴケを巻きつけて発根させる高取り法と、枝を
地面につけて発根させる枝伏せ法がある。ハーブでは枝伏せが一般
的で、勢いのあるナガイ枝を選び、地面につけて針金などで固定し
て土をかけ、新芽が伸びだし十分根づいたら鉢上げする。