映画 「天と地と 天ノ盤」DVD

「運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり」

いまになっても頭にこびり付いている、映画の中で上杉謙信こと榎木孝明が発した名言である。
確か渡辺謙が病気で降板し、榎木孝明が急遽、上杉謙信役に抜擢されたと記憶している。どちらが良かったというのはここで語るべきではない。

さらには「赤と黒のエクスタシー」というキャッチコピーさながらの、大合戦シーンの迫力には驚いた。高校生であった私にとって合戦の映像といえば、NHKの大河ドラマくらいしか目にした事がなかった。その後すぐに黒沢明監督の「乱」などをみましたけど。合戦時の主役である騎馬武者が走り回る姿は、臨場感を漂わせるに十分な迫力ではあった。

ただあの地は現在の川中島の地と、だいぶ地形が異なる・・・というのが感想だけど、あまり映画とは関係ない。

この映画は海音寺潮五郎の同名小説「天と地と」を映画化したもので、上杉謙信の半生を描いている。ここで誤解してはいけないのは、この時点で謙信という名は用いられていない。永禄四年の川中島合戦当時は上杉政虎である。

娯楽映画であるのでそこまで突っ込む必要は無いと思うが、あえて言わせてもらいたい。竹田城跡を春日山に似せたセットを作る意気込みがあったのだから、もう少しリアリティがあってもよかったのでは?史跡として有名である竹田城。まだ足を運んだことがないが,いつかは訪れたいです。

1990年に映画化され、2004年にDVDとして発売。

改めて今になって見直してみると、だいぶ違和感のある映画である。おそらくあの合戦シーンを撮りたく、観てもらいたくて作成した映画であろう。また榎木謙信と津川信玄ではだいぶ格が違う感じです。ただこの2人については本来の年齢差くらいはあるはずだから、納得しておくことにしよう。

一連の川中島合戦の中で,財前直見が率いる武田女騎馬隊。歴史の記録に残っているのかどうかは定かではないですが,女武者ばかりの一隊がいても不思議ではない。でも騎乗での討ち死にや,一隊すべてが壮絶な討ち死にシーンを見せられると,もうちょっと活躍の場を与えてあげてもよかったのでは。

また渡瀬恒彦の宇佐見駿河守は個人的には好きです。この映画の中でははまり役であったかも。娘役の浅野温子は「あぶない刑事」の印象が強すぎ,ちょっと違和感を持ってしまった。

見所を一言で表せば、合戦シーンである。黒の上杉軍と赤の武田軍。戦っているのはやり合わせをしている人たちだけ。騎馬武者たちの手綱さばきはすごいです。人馬一体となった動きも見逃せません。

ちなみに音楽は小室哲哉が担当しておりました。サウンドトラックも「天と地と」として発売されております。

このDVDは2つのバージョンが存在します。この「天と地と 天ノ盤」。それと「 天と地と -HEAVEN & EARTH- 地の盤」。内容は本編があり、一方は合戦シーンの時間が長くなっているとか。 どうせならTVのみで放映された、若かりし頃の謙信を描いた作品もDVDとして発売してもらいたいものです。



おもなキャスト
上杉謙信・・・榎木孝明
武田信玄・・・津川雅彦
奈美・・・・・浅野温子
八重・・・・・財前直見
太郎義信・・・野村宏伸
昭田常陸介・・伊武雅刀
山本勘助・・・夏八木勲
渡瀬恒彦・・・宇佐見定行

DATA
ジャンル:DVD
出 版 元:角川エンタテインメント
     (http://kadokawa-ent.co.jp/hollywood.html )

時   間:119 分
DISC枚数:2 枚
言   語:日本語
音声仕様:ドルビー
お 値 段:\4,935(税込み)