織田信長編

織田信長は黒人を見てその肌を洗わせた。

ある宣教師が織田信長に謁見する為に安土城を訪れた際に、一人の黒人がその宣教師に同行していた。

そしてそのまま織田信長の目の前に出たのであった。その時、織田信長は宣教師との会話よりも、その後ろに控えていた肌の黒人に目を奪われ、肌の色が黒いのに疑問を感じ、さらに興味を覚えたのである。

信長はなぜその様な色をしているのかを質問した。宣教師は答えた。

生まれた時からこの様な色であるという。

それを聞いても信長は半信半疑であった。そひて家来に命じて、目の前でその者の背中を洗わせたのである。何かを肌に塗っているのであれば、これで落ちるはずであった。

しかしいくら洗い流しても黒色は黒色であった。そこで初めて信長は、世界にはこの様な肌の色をした住民が居ることを理解したのである。

そしてこの者は信長が引き取り、名を弥助と改め信長に仕えたと言われている。

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