毛利元就編

三本の矢

戦国時代,中国地方を治めていた毛利元就。彼が死の間際に息子の三人を枕頭に呼び寄せ,訓示を垂れたと言われている。

三人というのは,長男の毛利隆元,二男の吉川元春,三男の小早川隆景。

そばにおいてあった矢を手に持ち,それを簡単にへし折ったという。今度は矢を三本にして折ろうとするが,今度はなかなかおれない。

そこで「1本であれば簡単におれるが,3本であれば折ることは容易ではない」と。

これにより三人の息子たちの結束は,より堅固になったといわれている。

この話は有名ではあるが,後生の作り話とされている。少なくとも元就が死ぬ間際に,三人の息子を呼ぶことは,長男の隆元がすでに亡くなっている事を思えば不可能である。

しかしこの逸話が示す様に,毛利家と吉川家,小早川家の三家の関係は,戦国時代の幕が閉じるまで続いた。

▲「戦国のはなし」トップへ戻る