それは長野県松本市にあった。ドライブでブラブラする時に長野県方面へは,比較的よく向かうことが多い。そんな中で今まで訪れた事が無く,あまり興味もなかった一つにダムがあった。
ダムなどは家の近くにもある。津久井湖ダム,相模湖ダム,宮ヶ瀬ダムなど。そんな中で国道158号線沿い,いや道の真下に建てられているダムである「奈川渡ダム」に訪れた。 といってもダムを上から眺めただけではない。隣接している東京電力の「梓川テプコ館」におじゃましたのが事のはじまりである。中に入るなぜか「見学ツアーに参加しませんか?」という誘い。断る理由も無く,何を見せてもらえるのかという期待もあって,ツアーに参加させてもらった。 まず通されたのはエレベーター。そのエレベータで下りることおよそ1分。そこは先ほどの地上からはるか130メートル下。ヒンヤリとした地下道を進み屋外へ出ると,目の前にはコンクリートの壁がそびえ立っていた。 それこそダムである。真上見上げダムを下から眺めた。 実はこのツアー,単にダムを下から見せてくれるだけではなく,本来は電気を造る発電施設の見学が主であった。 まず説明をしてくれたのは,このダムについてである(記憶が曖昧なので,詳細は割愛)。なにやら目の前のコンクリートの厚さとか,ダムの反対側には水が何メートルも頭上まで迫っているとか・・・いろいろとである。 そしてついに発電所へと足を踏み入れた。そこでまず説明があったのが,この奈川渡ダムの役割である。どうやらここは臨時に発電を行う施設であり,常時電気をつくっているというわけではないらしい。供給量が足りなくなったと判断された時につくるのだとか。 さらに電力の使用量をグラフにし,水力,火力,原子力での発電割合などの説明もあった。水力の比率はものすごく低いらしい。しかしいざ供給が足りないという時には,すぐに発電ができる迅速性に優れていると説明があった気がする。 またここでは揚水式という方式を用いて発電されているとか。この揚水式というのは需要の多い昼間には,水をダムから放水して発電を実施。やがて需要が一段落した深夜に放水した水を汲み上げて,またダムへ返すという方法をとっているとか。だから多少の渇水になっても電力の供給には支障は無いのかも。またこの方式をとっているところは,発電は大出力らしい。 そして今度は階段を下りさらに地下施設を目指すと,体育館の様に思える広い部屋があらわれた。さらに奥には貯水タンクの様なえんじ色の円形した物体が数個立ち並んでいる。これらはいったい?という疑問がわいてくる。 実はこれがメイン部分である発電機だとか。この中に水車があり水の力でもって動かされ,電気が起きるという仕組みらしい。さらに天井を見上げるとクレーンが両端に設置されており,これらはメンテナンスを行う時に水車などを持ち上げる為のものだとか。さらに分解できる様にかなりのスペースも用意されていた。 発電の仕組みはわかった。では実際にどうやっているのか,実物を見てみたいと思うのが好奇心というやつなのだろうか。なんとそれを満たしてくれるかの様に,この発電機の中に入れてもらえるという。 ただ先にも述べた様にここは臨時に発電を行うところである。だから訪れた時には発電をおこなっていなかった。でもいつ稼働するのか不明だということで,中を見学中に稼働したとき,誤った行動をすると危険だという注意を受けた。 中に入ると20人が入れば狭く感じてしまうほどの広さ。ちなみに実際に水が流れ水車が回るのは,はるか下の方だとか。また稼働していないので,静かな者であるが,発電を始めるとかなりの音が発せられるとか。 最後に23年の間,実際に使っていたという水車を見て終了となった。ちなみにこの展示されている実物の水車は2つに割れていた。これは壊れたわけでもなく,運送などの問題ではじめから割られているとか。 なるほど,と関心ばかりしてしまうおよそ1時間である。 東京電力 梓川テプコ館 http://azusagawa.tepcokan.jp/index.html |
奈川渡ダム
発電施設内 発電用の水車 ダムを見上げる ダムを見下ろす |