最上川 芭蕉ラインを舟下り 2022.8.21
五月雨をあつめて早し最上川
松尾芭蕉の『奥の細道』に出てくる句です。芭蕉も乗った最上川の川舟下りを楽しんできました。観光船である「最上川芭蕉ライン」は、戸沢村のJR古口駅近くから、白糸ノ滝を過ぎた「川の駅くさなぎ」までの運行ですが、舟下りの前日、まずはずっと上流の大石田に立ち寄りました。
1.大石田
『奥の細道』の最上川の章は、「最上川にのらんと、大石田と云所に日和を待」で始まります。芭蕉一行は、尾花沢から立石寺へ行き、大石田まで引き返してきて、ここから最上川を舟下りしたようです。大石田でも句会が催され、その冒頭、芭蕉の発句が「五月雨をあつめて涼し最上川」だったとのこと。「奥の細道」執筆の際に、「はやし」書き換えられたのです。最上川近くにある西光寺には、「さみだれをあつめてすずしもがみ川」の句碑が建てられていました。
2.芭蕉ライン
新庄から代行バスでJR古口駅へ。2022年5月14日から2024年度中の予定で、JR陸羽西線は全線(新庄〜酒田)の列車が運休となり、バスでの代行運航が行われています。原因は国道47号線「高屋道路」のトンネル工事ということですが、なんだかよくわかりませんね。古口駅から歩いて10分ほどで、舟乗り場につきます。
川へと下る通路に刻まれた増水の記録
いも煮と鮎の塩焼きを予約しておきました
いざ出港! | ||
青空の下の川下り、とっても気持ちがいいです |
瀬が迫ってきた。大きな観光舟でもスリル満点。風がヒュッと吹き抜けました。 |
船頭の岸昭夫さん。素敵な歌をたくさん披露していただきました。民謡No.1
「奥の細道」最上川より
最上川は、みちのくより出て山形を水上とす。ごてん・はやぶさなど云おそろしき難所有。板敷山の北を流れて、果ては酒田の海に入。左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。是に稲つみたるをや、いな船というならし。白糸の滝は青葉の隙ゝに落て、仙人堂、岸に臨て立。水みなぎって舟あやうし。五月雨をあつめて早し最上川
本文では白糸の滝が先に出てきますが、実際には 仙人堂のほうが上流にあります。 青葉の隙間に落ちていく白糸の滝は、芭蕉が見たままのもの。 悠久の自然の営みに、ただただ感じ入りました。 |
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仙人堂 |
草薙頭首工をへて、ゴールの「川の駅くさなぎ」に到着しました。ああ、楽しかった! |
再び古口駅に戻り、最上川にでると、次の船の出向です。またさっきの船頭さんみたい。