日野川 2015.2.21
「オシドリに会ってみたい」と、あちこち出かけてみましたが、なかなか叶いません。そんな時、以前、もう15年ほどにもなるでしょうか、NHKの番組「にっぽん川紀行」で紹介された日野川のことを思い出しました。オシドリの餌付けに成功し、町のみんなで大切に見守っているという話です。
鉄橋下に設けられた手作りの観察小屋、その前の日野川に、オシドリの好物、どんぐりをたくさん撒いて、オシドリが近づいてくるのを静かに待ちます。調べてみると、オシドリ観察小屋は今も健在で、一般の私たちでも利用できるということです。善は急げ! 新幹線と特急を乗り継ぎ、早速出かけてきました。
11:50分、特急やくも7号を根雨駅で下車。5分ほど歩いて、鉄橋の下に造られたオシドリ観察小屋に付きました。勇んできたものの、川面にオシドリの姿はありません。集まってくるのは朝と夕方。太陽が高い時間帯は山の中に姿を隠しているそうです。「日が傾く3時ごろにまたくるかもしれないから、その頃にまたおいで」とオシドリグループの方に言われ、ひとまず町の中を散策することにしました。
あいさつの町
歩いていると、バイクで郵便配達中の局員の方に「こんにちは」とあいさつをされました。次にすれ違った小学生からも、その次の中学生からもあいさつしてもらいました。軽トラックから荷物の積み下ろしをしているおじさんからも声をかけられます。歩いていて納得。日野川にかかる野田橋に、「あいさつ橋」って書いてありました。とっても素敵ですね。
彼方で白く輝く大山 | |
散策中に出会った鳥たち | ||
カワガラス |
カワアイサ |
コガモ |
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オシドリ観察小屋 | ||
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観察小屋の前で、ジョウビタキがさえずっています。聞きつけたオシドリグループの方が、「ジョウちゃん」と呼びかけながらどんぐりの実を置くと、 すぐに取りにおりてきました。よく慣れていて、いつも餌をもらいに来るそうです。 |
雲が出てきたので2時過ぎに観察小屋に戻ると、中には5・6人がいて、熱心にのぞき穴の外を見ています。オシドリが集まってきているようです。急いでカメラをセットし、夢中でシャッターを切りました。オシドリは警戒心が非常に強く、下流側から少しずつしか近づいてきてくれません。
少しずつ、少しずつ。で、気が付けば観察小屋のすぐ前、3メートルぐらいでしょうか。ここまで来れば警戒も何もなくなり、しきりに潜り、どんぐり探して大騒ぎ。
観察小屋に入れ替わりやってくる見学の方から、「まあかわいい。来た甲斐があったね」なんて声が聞こえてくると、私は窓を離れて振り返り、声の主と笑顔を交します。本当に来てよかった、オシドリたちに会えてよかったです。
鉄橋を電車が走り抜ると、そのものすごい音に驚き、オシドリたちは一斉に飛び立ってしまいました。また少しずつ近づいてくるのを待つことしましょう。