桧原湖 2012.11.3〜4

磐梯山の北、裏磐梯にある桧原湖。1888年(明治21年)の起こった噴火による山体崩壊で河川がせき止められることにより形成されました。山と森と湖により作り出された景観はとても美しく、人気の観光スポットです。

 

ママキャンプ場に到着

晩秋の観光シーズンでもあり、東北自動車道は東京からずっと渋滞、4時間あれば楽々着くなんて考えていましたが、桧原湖についたのは家を出てから7時間後の午後2時半。いやあ疲れました。おまけに東京からずっと続いて晴れていた空が、郡山ジャンクションを左に折れ磐越道に乗ると、俄かに厚い雲に覆われ、たちまち激しい雨。すっかり気が重くなってしまいました。

キャンプ場に着く頃には、雨は上がりましたが、黒い雲が低く立ち込めて、夕暮れのような気配。おまけにキャンプ場の入口には車止めが立てられており、激しい胸騒ぎがします。それでも中には1台の乗用車が止めてあるので、恐々入ってみました。事務所らしき建物の扉を開けると、そこは管理人ご夫妻のお住まいのようで、こたつに入ったご主人と、ストーブにあたる奥さんが目に入りました。来意を告げるや、「キャンプか。もう終わったぞ」と言われてびっくり。

「さっき電話かけてきた人か?」
「いいえ、いきなり来ました。電話架けて来ないといけなかったでしょうか?」
「うんやぁ。電話かけてきた人はみんな断ったんだ。10月いっぱいでキャンプ場閉めたんだ。もう寒いからな。でも来てしまったんならしょうがねぇな。使っていいよ。防寒は十分だろうけど、車中泊の方がお奨めだな。トイレはもう閉鎖してしまったから、向かいの公園のを使ってくれ。」

一時はどうなることかと思いましたが、何とかキャンプサイトは確保できました。ラッキーです!

雨は上がりましたが、どんより暗く空気は冷たく、これからカヌー&キャンプをすると思うと気が重くなります。が、気持ちを奮い立たせてテントを張り、カヌーの準備にかかることにしました。

 


カヌーの組立が完了し、見上げると青空が広がっていました。

 

カヌースタート

午後3時半、キャンプ場先の湖畔から真っ直ぐ東に漕ぎ出しました。湖の中ほどに浮かぶ小さな島を目指します。島の辺りでは、北西から吹き付ける風をまともに受けるため、少し北側の湖畔にこぎ寄せ、磐梯山の頂から雲が取れるのを待ちます。青空が勢力をまして来て、もう少し待てば完全に晴れ渡るって感じでしたが、夕陽はもう山の端に迫っています。こんな寒い時に暗い中でカヌーを漕ぐなんて危険なことはできません。
お楽しみは明日に持ち越し。4時半に上陸、本日のカヌーは終了です。

 

 

青空が広がりましたが次第に暗くなり始めました。秋の夕暮れは早い。キャンプ場に戻らなきゃ!

 

キャンプ中

たちまち辺りは暗くなりました。午後5時半です。おでんを温め、お酒をちびり。ハモニカを吹いたりしながら寒さを紛らわします。しばらく過ごしていると、暗闇から「寒くねぇべか」と声がかかりました。管理人のおじさんが様子を見に出てきてくれたのです。「今年はもう終わってしまったけど、来年またおいで。米沢牛だぁ」と、暖かいお汁を差し入れてくれました。とっても美味しかったです。

夜空はすっかり晴れているようで、夥しい星がきらめきだしました。天の川がはっきり見えます。磐梯山の荒々しい山容も、暗闇に浮かび上がります。一つ、二つ。流れ星が走りました。
やがで東の空が明るくなり、月が登ってきました。月の明りが桧原湖に反射して幻想的です。先程まで星空は一気に様変わり。天の川も見えなくなってしまいました。

午後5時半、とにかく寒いです 米沢牛のお汁 月と木星

 

二日目も雲が取れず

寒さで何度か目を覚ましながらも、6時過ぎまで寝入っていました。人の声に飛び出してみると、磐梯山の写真を撮りに来た人達が、「赤富士を撮るぞ!」と意気込んでカメラを構えています。しかし、空全体が雲に覆われていて、やはり磐梯山の頂は見えません。カヌーに乗り込み、沖合の島の裏側に回り込み、風を避けながら雲が切れるのを待ちます。が、どうしても雲が取れません。

 

食事を済ませたあと、もう一度漕ぎ出しましたが、状況は変わりません。やむなくカヌー終了。
「来年またおいで」というキャンプ場のおじさんの声が頭にうかんできました。

来年また来よう!

 


道の駅裏磐梯からの眺め

 


荒々しい磐梯山

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