納豆をつかった簡単朝食メニュー  納豆をつかった簡単あさごはんむけレシピです。
       TOKYO FM   2007年11月放送              レシピ&写真  武田三花 (料理研究家)
納豆とスティック野菜の海苔巻き餅


調理時間  5分




納豆は、俳句では冬の季語で、かつては、一般家庭で作られていました。煮るか蒸した大豆を、わらつとという、わらで作った筒に詰め、こたつのわきなど暖かい所に数日おいておくと納豆になります。
以前は、納豆ファンといえば関東以北の人でしたが、パックいり納豆にたれがついて販売されるようになってから、全国的にファンがひろがったそうです。
かきまぜればかきまぜるほど、食物繊維であるねばりがふえ、うまみも増します。
ご飯にのせて食べる納豆ご飯は、手軽なだけでなく、ご飯のたんぱく質と納豆のたんぱく質をたすと、ちょうどいいバランスになるので、栄養学的にもすぐれています。
ただ、納豆を食べたあとのご飯の食器を洗うのがつらい・・という方には、ご飯をお餅にかえて、のりでつつんで食べてみませんか。
きょうは、納豆とスティック野菜の海苔巻き餅を紹介します。納豆は、食べやすく消化吸収もよいひきわりタイプをおすすめします。
【材料】1人分
・ひき割り納豆・・・小1パック(50グラム)、パックについたたれも使用
・切り餅・・・2個
・スティック生野菜
   {・きゅうり、大根、にんじん・・・餅の長さに切ったものを適量}
・焼き海苔・・・1/2枚

【つくり方】
1、切り餅はオーブントースターか網で焼きます。
2、きゅうり、にんじん、大根は、5ミリ角くらいの太さで、切り餅の長さのスティック状に切ります。
3、ひきわり納豆を、たれとまぜてよくかき混ぜ、焼いた餅にのせ、その上にスティック野菜を好みの量だけのせて、海苔を巻きます。
好みでからしやわさびをつけてたべてもよいでしょう。野菜の歯ざわりが納豆とお餅をさらにおいしくしてくれます。


ところで、納豆には、ビタミンKがとても豊富です。ビタミンKは、血液を固める働きを手助けします。なので、血がかたまって血栓ができるのを予防すために薬を飲んでいる方、たとえばワーファリンという薬がありますが、こうした薬を飲んでいる方には、納豆はすすめてはいけないので、ご注意ください。


ナットー・バゲット


調理時間 5分


ナットー・バゲット、つまり、フランスパンをつかった納豆メニューです。
実は私は、週に数日、非常勤で高校の先生をして、数日は大学生として栄養学を学んでいるのですが、高校生や大学生に、納豆をどういうふうに食べるのが好きか、きいてみると、パンにくみあわせて食べるという人が、数名いたのです。
その中で、女子大生の亜希子さんがおしえてくれたのが、納豆トースト。
のりをしいた食パンに、たれでよくかき混ぜた納豆をのせ、チーズをのせてオーブントースターで焼くと、とてもおいしいとの事。半信半疑でやってみたら、本当においしいのです。
ただ、食パンに納豆をのせると、食べるときこぼれやすいので、バゲット、つまりフランスパンにきりこみをいれてはさんで焼いてみました。ついでに、ゆでたほうれん草も加えてみたら、彩りも味も栄養のバランスもよくなりました。
バケットのパリッとした歯ざわりと、納豆、チーズ、ほうれん草、のりのやわらかい食感がよくあい、手軽でとてもおいしい朝ごはんです。

【材料(1人分)】
・ひきわり納豆・・・小1パック(50グラム)
・バゲット・・・長さ10センチくらいに切ったもの
・焼き海苔・・・適量
・ほうれんそう・・・1株(塩茹でしてきざむ)
・とろけるスライスチーズ・・・1枚
【作り方】
1、納豆は、たれか、しょうゆを加え、粘りがでるまでかきまぜておきます。
2、バゲットに切り込みをいれ、内側に焼き海苔をちぎってしきます。この上に納豆をのせ、ほうれん草、チーズをのせて、パンの切込みをとじます。
3、バゲットの形がととのうようにホイルで包み、納豆のはいった切り込み部分にはホイルがかからないようにしておきます。これを、オーブントースターにいれ、チーズが溶けるまで焼いてできあがりです。


納豆と生野菜のねばねばサラダ

調理時間  5分  


 
納豆が生野菜にあうなんてと、信じない方もいるかもしれません。でも刻んだトマトやきゅうりとあわせると、ねばねばした中できゅうりの歯ざわりがアクセントになり、トマトの酸味が納豆のにおいをさわやかにしてくれて、納豆の概念を超えた、おいしいサラダになります。
ご飯にもパンにも、食欲のない朝にもたべられます。
実は、私は子供の頃、納豆が大の苦手でした。朝、母がよく、温かいご飯に納豆をだしてくれたのですが、においが気になるし、口のまわりにねばねばがつくしで、どんなに栄養があるといわれても、食べられませんでした。納豆が食べられるようになったのは、大人になってからです。でもこのメニューを、小学生時代の私にだしたら、たぶん、喜んで食べたと思います。

【材料】2人分
・ひきわり納豆・・・小2パック(たれも使う)
・きゅうり・・1本(5ミリ〜1センチ角に切る)
・トマト・・・1/2個
・塩、こしょう・・・少々
・オリーブ油・・・少々
・たまねぎ・・少々(スライスして刻む)
・レタス・・・適量
【作り方】
1、きゅうりを5ミリから1センチ角に刻みます。トマトも同じように刻みます。
2、納豆をたれとともによくまぜ、ここにきざんだきゅうりとトマトをくわえてさらに混ぜます。ここに塩コショウします。
3、ちぎったレタスを器にもり、ここに、野菜いりの納豆をのせます。スライスして刻んだたまねぎをトッピングし、オリーブ油少々をふりかけて、できあがりです。


納豆汁
秋田バージョン

調理時間 10 分






寒さの厳しい東北地方では納豆を汁物にする事が多く、お正月に納豆入りの雑煮を食べたり、七草粥のかわりに納豆汁を食べたりする地方もあります。
料理雑誌にはときどき、味噌汁に納豆をそのままいれるレシピが紹介されていますが、岩手や秋田、山形の郷土料理として伝わる納豆汁は、納豆を刻んでよくすりつぶしてから、熱い汁に流しいれるのがポイントです。納豆をすりつぶして汁に流しいれると、そのまま入れたものとは風味がかなり違うので、ぜひお試しください。
東北地方の納豆汁は、納豆、味噌、豆腐、油揚げ・・という、大豆製品を4種類使いますが、他の具は、ある地方ではかかせないものでも、別の地方では絶対にいれない・・というように地方色が濃いので、まずは秋田周辺のバージョンで紹介します。
「さわもだし」というきのこをよくつかいますが、関東では手に入りにくいので、なめこにしました。

【材料(4人分)】
・ひきわり納豆(粒納豆を刻みますが、ひきわりで作れば簡単)・・・小2パック(100グラム)
・だし汁・・・3カップ
・豆腐(木綿豆腐)・・・1/3丁(1センチ角に切る)
・なめこ・・・1パック
・油揚げ・・・1枚(刻んでおく)
・塩出しして刻んだ高菜漬け(塩分が気になる方は、ゆでた小松菜にしてください)・・・少々
・味噌(辛口)・・・・大さじ3     
・せり・・・適量
・長ネギ・・・1本(薄切り)
【作り方】
1、なめこはざるに入れてさっと洗います。木綿豆腐は、1センチ角にきります。高菜漬けはうすい塩水につけて塩抜きして刻みます。高菜漬けがなければ、塩ゆでした小松菜を用意します。
2、鍋にだし汁を沸騰させ、なめこ、高菜漬け、油揚げをいれます。
3、納豆と味噌、鍋のだし汁少々と一緒によくすりつぶし、鍋に流しいれます。
これを簡単にするには、ひきわり納豆を、万能こし器か、小さな金属製のざるにいれて、鍋の中で納豆をつぶしながらときいれるといいです。
4、豆腐を加え、温まったら、長ねぎ、せりを加えて火をとめます。
納豆汁・山形バージョン

  
調理時間  20分

 


納豆汁を、秋田周辺のバージョンで紹介しましたが、こちらは、納豆汁の山形バージョンです。
夫は関東出身で、山形に6年住んだことがあります。納豆汁は関東では食べたことがなかったので、山形の納豆汁を初めて食べたとき、「トン汁の豚肉が納豆に入れ替わった感じの、コクのある味噌汁だなあ」と思って、感激したそうです。

山形の納豆汁は、大根やにんじん、ごぼうなどの根菜のほか、芋や、こんにゃくをいれるのが特徴です。納豆はすりつぶしていれる、豆腐、ねぎ、せりがはいるところは、秋田バージョンと同じです。納豆をいれたあとは、あまり煮ないで火からおろすのがポイントです。

【材料】(4人分)
・だし汁・・4カップ
・大根・・・・5センチ分(半月切り)
・にんじん・・・1/4本分(半月切り)
・ごぼう・・・4センチ分(ささがき)
・サツマイモ・・・4センチ分(半月切り)
・油揚げ・・・1枚分(細く刻む)
・みそ・・・大さじ1
・ひきわり納豆・・・小2パック(100グラム)
・木綿豆腐・・・1/3丁(1センチ角に切る)
・せり・・・・少々(なければ水菜など)
・長ネギ・・・1本

【作り方】
だし汁に、大根、にんじん、ごぼう、サツマイモを入れて煮ます。
2、ひきわり納豆は、味噌,、鍋のだし汁と一緒にすり鉢ですりつぶし、野菜がやわらかくなったら鍋に加えます。簡単にするには、ひきわり納豆を、万能こし器か、小さな金属製のざるにいれて、鍋の中ですりこ木でつぶしながらときいれるといいです。
3、
豆腐、油揚げを加え、豆腐が温まったら、せりとねぎをちらして火をとめます。