ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」:上遠野浩平:主婦の友社(電撃文庫) 


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お名前: 難波武彦   
ユージンはきっと生きていると信じている。そしていつしかフォルテッシモと戦って欲しい。
歪曲王の復活を願いたいね。私としてはブギ―のピンチの時に登場して欲しい。

お名前: 秋葉原   
阿智太郎の本を読んでいると気分が落ち着く

お名前: 海王   
ユージンのとった行動が未だに理解できない。彼が戦わなければならない理由は何もないはずなのに。わかっていることは、統和機構の監視者「ユージン」ではなく、「天色優」として、仲間を助けるために戦ったということ。(もはや裏切り者?)どうせなら、復活して「フォルティシモ」と戦うところが見たい!

お名前: 緒方紗茎也   
すごく好きな本。ブギーは全部持ってるけどすべて好き。あと、画集が最高。学生にはちょっと高かったけど。

お名前: アンダショウ   
もうすでに、「パンドラ」からあと、2冊出てたりするけど書き込んでみたりして。
ブギーポップはいいねぇ。
特に、凪の親父さんが書いた本を引用したりする所がよい。
というか、霧間誠一の本の文章が好き。
あと、本が出るのがかなりハイペースで、すごいよね。
ことろで、「歪曲王」で最後、ブギーポップが笑ってたけど、笑わないんじゃなかったっけ、この人。まぁ、いいんだけどね。
以上。

お名前: 篠原 泰彦    URL
著者:上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
発行:1998年12月25日
発行所:メディアワークス
発売元:主婦の友社
定価:本体550円
ISBN4-07-310350-4

 第4回電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作品である「ブギーポップは笑わない」と
いう作品の第3弾に当たります。ちなみに第2弾は「ブギーポップ・リターンズ VS
イマジネーター」(Part 1,2の2冊組)という作品です。

 最近小説を読むことが少なくなったので一概には言えませんが、この作品は他の作
品とはちょっと毛色が違うと思います。出てくるのはありきたりな人々。やや現実離
れしたところがあるものの、その辺の小説ほどではありません。しかも、ありきたり
な人々はありきたりな言葉で話し、ありきたりな行動をとります。つまり、一見する
と単なる日常の積み重ねにすぎないのです。
 たいていの場合、日常の積み重ねというのはつまらないものです。しかし、その日
常を読み続けさせるのが筆者の実力。少しずつ話を進展させながら、しかし描いてい
るのは日常なのです。このあたりの手腕はすごいなぁと思いました。
 登場人物が多いのがやや難ですが、一人一人が等身大で描かれていて共感がもてま
す。また、ブギーポップという非日常的な要素をうまく組み込むことによって話にメ
リハリがつけられています。
 場面転換が多く、時々ついていけないこともあったりしますが、第1弾、第2弾の
情景もうまく絡めながら進んでおり、最初から読んでいる人は思わずにやりとしてし
まう(私の場合は思わず読み返してしまいましたが)ことでしょう。

 登場人物全体にスポットが当たり、扱いに差がないのも特筆すべき点でしょうか。
誰が主人公とか、脇役とか言う区別がないように思います。
 主人公の視点から見た1人称や、主人公の頭の後ろからものを見ている3人称とは違
い、完全に客観している3人称だと思います。部分部分では一人称があったりもする
のですが、他の小説に比べて視点がお話から遠い感じがしました。

 不満な点は、登場人物が多い、名前が一般的ではないので読みにくい、話の持って
いき方はともかく地の文がややこなれていない(もう少しスムーズに読めるような文
章だとなおよい)、という点でしょうか。

 さらに、イラストがまたいい味を出しています。
 私は、とても淡泊な絵だと感じました。それが、本文の日常性にうまくあっている
と思います。ここで元気のいい絵、主張の激しい絵が入っていると、雰囲気を壊して
しまいます。そういう意味で、非常にいいイラストだなぁと思いました。
 個人的には、第1弾に比べてちょっとこなれてきたのが不満ですが(苦笑)