最近読んだ本で殊に面白かった本がこの本、『中国文学における孤独感』。
この夏に一括重版されたものの一つで、底本は1958年に岩波から出ています。
ISBN4-00-331801-3、1999年7月、第三版。斯波六郎(しば ろくろう)著。
この本では『詩経』から李白杜甫までの、晋代を中心とした中国文学の各詩人が、
どう「孤独」を感じてどう捉えてどう対処していったかが、詩人別にまとめて書かれています。
そもそも孤独とは何なのか、それは何に起因するモノなのか。
それを見つめる事は何か人生を見つめる事に繋がるのではとこの本を読んで思いました。
屈原の「正義感」と「信念」、項羽の「時」、東方朔の「衆人の信じ難き」等々。
「人人はめいめい孤独である」(本書10P)とあるように、
今の我々も突き詰めていけば何処か孤独であり、人間が「社会」の中に身を置く以上、
本質的には孤独から永遠に抜け出せないのではないかと思います。
その自らの「孤独」を知り、戦うための指針となりうべき本であるように思います。
追伸 しのやん、もっと漢文臭い本もいっぱい書評しておくれよ。寂しいじゃないか。
書き込み予告
『中国文学における孤独感』続編
『辞海』
『宋氏一百首』 他