著者:鷹見一幸
イラスト:あんみつ草
発行:2001年3月25日
発行所:メディアワークス
発売元:角川書店
定価:本体590円
ISBN4-8402-1759-9
時空のクロス・ロード〜ピクニックは終末に〜 の続編。とは言っても舞台が同じなだけで、
人物のつながりはほとんどありません。前作を読んだことのない方でもすんなり入ることが出来
るでしょう。もちろん前作をご存じの方がより楽しめる仕掛けもあります。
親友も嘆くほど運に見放された少女朝霧夏実。ある時謎の老人から「お前の不運を幸運に変え
ることが出来ると言われ、不思議な装置を渡される。そのスイッチを押した夏実がたどり着いた
のは疫病を発端に崩壊した自分の町だった。当惑する彼女は、しかしそこで幸運という意味を見
つめ直すことになる。
荒廃した世界でありながら、いささか豊かな状況にはやや首をひねりました。どことなくのん
びりした雰囲気が漂っているのも気になるところです。しかしそれを気にしなければ、素敵なお
話を目の当たりにすることが出来るでしょう。
このお話、とりあえず2作目まで出たのですが、このまま出し続けるのはちょっと厳しいと思
います。のんびりしているだけに、どうしても間延びするんですよね。1作目とどちらが良いか
と言われるとストーリー的には2作目の方が好きなのですが、完成度では1作目の方が上回ってい
ると思います。
文章が若いので、二十歳を過ぎると違和感を感じるか拒否反応が出ると思いました。
文章力 :6
ストーリー:6
イラスト :7
基本的に20歳以下奨励でしょう。それ以上になると共感できない部分が多くなると思います。
また、「かっこよさ」を求める人は満足できないと思います。
平凡な中にある非現実を楽しいと思える人にはお勧めです。
前作を楽しめた人なら間違いなく楽しめると思います。