指揮者日記'99
1月29日(土) 18:50〜19:30 川口リリア音楽ホール
ホール練習! 川口リリアの音楽ホールは4回ほど訪れたことがありましたが、歌うのは初めて。予想以上に響くホールに驚きつつも感激しました。
ところがです。男声の力強さがホールの響きに上手くなじんでおらず、言葉が全然聞こえないのです。客席側からだと、舞台の上で頑張ってるなぁという感じにしか聞こえませんでした。その後に練習した女声が、男声とは違って言葉が客席まで良く聞こえていたのとは対照的。練習はあと1回しかないので、そこで何とか直していきたいところです。
○ ホール練で思ったこと ○
・山台の位置が舞台の随分後ろだったので、響きがいまいちでした。これは本番で改善される予定。位置一つでかなりよくなると思います。
・山台はベタを使わないで2列にします。最初はベタと1段目で歌っていたのですが、1段目と2段目でうたった方が響きがいいようです。歌い手が山台に乗っているので、釣り合いをとるために指揮者は指揮台に乗ることにします。
・ピアノの位置は端の前方が良い。ホール練では舞台の真ん中だったのですが、ピアノの響きが歌の響きに対して壁になっているように感じました。また、ピアノが真ん中にあるため山台が後方に追いやられていたのも気になりました。
・言葉ははっきりと。昨年末頃からずっと言い続けているのですが、音だけではなく言葉をもっと意識しないと客席に全然伝わらないことが再確認されました。また、入りや切りを意識するのはよいのですが、もっと発声に基づいた切り方をしないと汚く聞こえることも分かりました。意識の持って行き方一つで随分変わると思うので、最後の練習で頑張りましょう。
・響くホールではあまり速くしすぎない方が良い。良く響くホールであまり速く演奏すると、残響の関係で汚く聞こえてしまうのだそうです。そこで、獅子の「肩に食い込んだ……」から「百里を走った」までは、180よりも少し遅めにしたいと思います。そのかわり他の曲がちょっと遅めだったようなので、これはもう少し速くしたいと思います。
・獅子のゆっくりした部分が、周りを聴きすぎるあまりゆっくりになっていたという指摘を受けました。これは私が「もっと周りを聴いて」と練習中に何度も言ったことを実践して下さっているのだと思うので、もたれてしまわないように指揮が少しあおるように注意しようと思います
歌い手が11人しかいなかったのが非常に残念でした。歌い手が、いない方の分まで頑張ろうと意識しすぎるあまりちょっと汚かったように思います。今のところ20人が舞台に乗る予定なので、当日は倍。それだけの人数がいれば一人一人が無理に頑張らなくてもたくさんのことが表現できると思います。
痛感したのは、のびのびやらないと駄目だということ。お客さんに「一生懸命さ」をアピールしても仕方ないんですよね。やっぱり「楽しんで歌っている」ところを聞いてもらいたいです。楽しんで歌えれば自然と曲にのれるでしょうし、そうすればきっとホールに美しく響くと思います。
ホールの中を走り回ったせいか、男声練が終わったらとても疲れてしまいました。今年の男声曲って疲れますね(笑) 演奏会当日は男声ステージの後インターミッションなので、ゆっくり休んでいただきたいです。