指揮者日記 millennium

 

10月 9日(月) 13:00〜17:00 文京シビックホール

 

 文京シビックホールでの初の男声練。実は私はこの日初めてシビックホールに行ったのですが、出来たばかりのきれいな練習場に感激しました。部屋の大きさの割に天井が低いのと意外に響かないのがやや気になりましたが、気分良く練習できる環境だったと思います。
 ただ、練習用に楽譜をコピーしていたら大いに遅刻してしまったのが反省点。初のシビックホールと言うことで、行くのにどれくらい時間がかかるのかをあまり考えなかったこともあってなんと30分近く遅刻してしまいました。が、そこは男声らしくというか何というか、練習場には2人しかいなかったのですが。
 少なくとも1パート1人ずつの4人、ソロのことを考えると5人来たら練習を始めようと考えていたのですが、結局発声練習を始めたのは18時50分頃のことでした。

 この日最初に取り組んだのは、「Ev'ry Time I Feel the Spirit」 団員の方からのリクエストにお応えしました。
 実はこの曲を私はさっぱり知らなくて、団員の皆さんが音取りをしているのを聴きながら曲のイメージをつかみました。こういう時、楽譜を見ると曲が脳裏に浮かぶ人はうらやましいなぁと思います。あるいは、4パートを同時に鍵盤で弾ける人もうらやましいですね。私の場合はそういった能力は全くありませんので、どうしてもやるならばパソコンで打ち込むことになります。労力がかかるのですが、全く何の手段もないよりはましでしょうか。もっとも、最近は時間がなくて打ち込んだり出来ないのですが。
 自分が思っていたよりも随分ノリの良い曲で、特にトップパートの人はかなりの張り切り具合でした。夏合宿までの練習ではセカンドテナーよりも低い旋律を歌うことを強いられていた鬱憤をはらすかのような張り切りぶり。逆にセカンドパートは意外と言葉に弱いらしく、歌詞と格闘していたのが印象的でした。でもなんだかんだ言って一番楽しそうに歌うのはセカンドのように思います。バリトンは独立独歩というかマイペースというか、およそまとまりがありそうには見えない中で各自が真摯に曲に取り組んでいました。ベースはバリトンとは対照的に結束力を示した練習ぶり。互いに寄り添いながら頑張っていこうという連帯感には哀愁さえ漂っていたように感じたのは気のせいでしょうか。
 前述の通りノリがよい曲だったので、楽しく練習できたのが良かったです。夏合宿で「Ride the Chariot」を歌ったときには劣りますが、曲にもう少し慣れ親しんで言葉が口になじめばもっともっといじりたくなるんじゃないか、そんな感想を持ちました。

 次に取り組んだのは「Great Day」 わずか2ページ、6段しかない短い曲なのですが、繰り返しが実に多くて全部歌うと意外なほど時間がかかる曲です。ただ、そこが逆に冗長すぎて歌い手の方が飽きてしまうのが難点ですね。4番まであるのですが、これを2番までにすれば歌い手も聴き手も楽しめるんじゃないかなぁと思いました。ただ、イメージ先行で団員のやる気が削がれてしまったのがちょっと残念。ページ数の少ない小さい曲こそ深く練習する良いチャンスなのですから、私がもっとやる気を見せて団員を引っ張ることが出来ればよかったと思います。

 最後に取り組んだのは、黒人霊歌ではなく愛唱曲として取り上げた「U Boj」 楽譜についていたちょっとした解説には、この曲はイヴァン・ザイツという人が作曲した「ニコラ・スピク・ズリンスキー」というオペラのフィナーレによったのものらしいと書かれていましたが、クロアチア語の曲らしいです。そしてこの曲は、男声合唱団ならば必ず1回は歌ったことがあると言っても過言ではないほど男声合唱界では有名な曲です。決して派手さはないと思うのですが、4拍子のリズムを体で体感でき、そして全力で歌うことの出来る曲なので団員にも好評のようでした。ただ、いかんせんクロアチア語の歌詞が下になじまなくて、最後まで歌詞と格闘していたのが残念でした。後2,3回は取り上げて、団員がノリノリで歌えるくらいにはなりたいなぁと思いました。

 

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