指揮者日記 millennium

 

8月12日(土) 19:30〜21:00 田観光農園

 

 いよいよ合宿。最初の男声練は初日の夜でした。
 夕飯の時に団員全員が注目する中で女声指揮者とじゃんけん。これに勝ってきちんとした練習場を確保し、意気揚々と練習に臨みました。
 取り上げた曲は「Ride the Chariot」 実にノリの良い曲で、団員の中でも知っている人が多かったです。この曲を選んだ理由はまさにそこで、これを最初に歌うことによって合宿での男声練を軌道に乗せたいと思いました。結論から言うと、この目論見はまさに的中したのでした。

 まずは簡単な音取りから。S.P.P.の男声陣は音取りが実に巧み。大概の曲なら、特に難しくもないように音を取ってしまいます。逆に難しすぎると匙を投げてしまうのが玉に瑕かもしれませんが(苦笑)
 合わせてみると、これもなかなかの出来。最初だからと少し遅めにしていたのですが、すぐに「もっと速く!」の声がかかってスピードアップしていきます。そして、「もっとこう歌いたい!」という要望や「その歌い方は嫌だ」という意見も出て、単なる練習に留まらない全員で創りあげる練習が出来たのではないかと思いました。
 正直言って指揮者自身が曲の作り込みに関しての勉強不足を露見させてしまったのですが、歌い手の熱意がそれを補ってくれました。いつまでも歌い手におんぶにだっこではいけないと思いつつ、歌い手が意見を出してくれるのならそれもまた良いかなと思ったのも事実です。この先は歌い手も意見を出し、指揮者も提案を行う練習を目指していきたいですね。

 「Ride the Chariot」は結局「悪ノリが過ぎる」と評価されても不思議じゃない作りになったのですが、今まではその曲を流れのままに作ってきた私にとって「こてこて」と言えるような意図的な作り方をするのはとても新鮮でした。曲の流れと演奏者の意図。これが上手く混在できると良いのですが、まだまだ勉強不足の部分が多いので今後の努力目標にしたいと思います。

 とにもかくにも、初日の練習はその9割を「Ride the Chariot」に費やし、残りの時間で「Nobody Knows De Trouble I See」という曲を練習しました。この曲はゆったりとした良い曲なのですが、ちょっと編曲が悪かったように思います。何というか「単純」なんです。もちろん単純なのが悪いことではないのですが、歌っていてあまり楽しそうでなかったのが気になりました。曲全体が低めで、Bassは低すぎて苦しいですしTop Tenorは低くて歌いづらいというのがその原因だと思います。後日男声合唱に詳しい方から聞いたのですが、本当に良い黒人霊歌の楽譜はコピーの形で流通している、のだそうです。男声合唱団が、代々財産として受け継いでいるというのが男声合唱の曲に関しては多いようです。そうなると、私のように男声合唱の門外漢はちょっと辛いですね。一刻も早い男声合唱の楽譜の充実を切に願ってやみません。

 

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