手打房 とき(東村山、手打ちうどん)

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蔵野うどんの聖地、東村山付近にあるうどん店は、どちらかといえば飾り気のない家庭的な店が多い。
 住宅街の狭い道を入り込んだ場所にある「とき」は、確かに家庭的な雰囲気も感じられるが、店内に入ると高い天井とシックな内装で、
高級感の感じられる落ち着いた佇まいとなっている。これは、東村山では珍しいタイプである。
 調理場に沿って10人弱ほど座れるカウンターがあり、さらに4人テーブルが3卓ある。水はセルフサービス。店の手前に駐車場も完備している。
 休日には、開店と同時に次々と客が集まってくる。すっかり有名店になったので、遠来の客と近所の常連が半々といったところか。常連の多いカウンター席は回転が早いが、テーブル席は少々待つ可能性が高い。家族連れなどは注意が必要だ。

ときの店頭

の店の最大の特徴は、剛直なうどんである。重厚がウリの武蔵野うどんの中でも、屈指の剛性を有している。冷水で引き締められたギチッと強靭なテンションがあり、歯を押し返すグルテンの緊縛がすごい。
 しかし、ごつくて固いだけではここまで評判にならない。感心するのは、剛直でありながら表面感が滑らかで、口当たりと喉越しがスムーズなところである。女性や子供でも抵抗なく、噛み締めるのは大変だろうが、コシの強い手打ちうどんの醍醐味が楽しめる。それこそが驚くべきところだ。
 人気メニューは、何といっても
肉汁うどん。自慢のうどんを、豚肉とネギがたっぷりの肉汁につけて食べる。別に、刻みネギが小皿でついてくる。

肉汁うどん(バカ盛り)

 うどんの量には、大盛100円、バカ盛200円、バカ王300円の増量設定がある。上画像はバカ盛りだが、男性にとってそれほど多い量ではない。ただし、うどん自体に食べ応えがあるので、腹にズシッとこたえる。
 まずは、うどんをそのまま口にすると、
ムチムチ・グリグリとした食感が実に印象的。芯に粉気が残っており、単に茹で加減が弱いだけではないかとも思わせるが、熱々のつけ汁に浸けると丁度良い具合に感じられるから不思議だ。
 うどんは、あえて
不均一の太さにつくられている。しっとりした細めの部分、より剛性を感じられる太めの部分、シート状の「みみ」の部分と、それぞれの異なる食味を楽しめるところが素晴らしい。
 肉汁は、どちらかといえば上品な味であるが、力強さが不足するところは皆無。ダシの効いたキレのある旨味で、ほんのり生姜も効いている。たっぷりの豚肉とネギが美味しくて、そのまま汁物として御飯に合わせても良さそう。これも、武蔵野うどんでは比較的珍しいタイプではないか。

直なうどんを熱々の肉汁に放り込んで、少々緊縛の緩んだところをササッと食べる。それこそが「とき」のうどんの醍醐味である。
 
武蔵野うどんを代表するストロングスタイルでありながら、全体としては実に完成度の高い味に仕上げられている。まさに職人の仕事だ。食後の満足感は圧倒的で、他の追随を許さない。文句なしで「最強の武蔵野うどん」の尊称を奉りたい。


「手打房 とき」
東京都東村山市野口町1−7−10
042-394-9800
11:30-15:30,17:30-20:00(売切御免)、日・祝休
すでに閉店したが、記念にレポートを保存する。
最終訪問日 2009/12/19