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若干時間がかかるかもしれません。

平成11年9月19日
JR中央線南木曽駅〜中仙道〜妻篭〜馬篭 12.3km

今日は妻と次女と一緒に中仙道を歩いてきた。
いつも近くを歩いていたので、今日は少し遠くへ行くことにした。
そこで妻の希望で妻篭、馬篭へ行くことにした。
私は去年の11月と今年の4月の2回行っており、その時は中津川まで(去年の11月は
更にもう1駅分歩いて美乃坂本まで)歩いているが、今日はとてもそこまで歩けないので、
馬篭からはバスで中津川へ帰ってくることにした。


朝、6時40分に家を出て車で多治見に向かう。30分も掛からずJR中央線の多治見駅に着く。
駅前の駐車場へ車を預ける。10分ほど待って中津川行きの電車に乗った。
沿線の高校の学生らしい高校生が主な乗客である。
他には大して乗客も見当たらず、電車は空いていた。
中高年の女性のハイカーらしきグループも少し見受けた。
終点の中津川に着くと、すぐ南木曾行きの電車に連絡がある。
8時半に南木曽駅に着いた。乗客は私たち以外は十人弱の学生だけである。
秋の「さわやかウオーキング」号が着いた時とは大違いである。
タクシーが数台客待ちしているが、乗る人もいない。
駅構内の観光案内所にも人がいない。観光案内の地図を貰おうと思ったがあてが外れた。

トイレへ行って、出かける前にもう一度駅に寄ると、観光案内所の女性が来ていた。
役所の勤務時間が8時半からということなのか。
前に貰った中仙道の案内書は無く、もう少し簡単なのになっていた。これも経費節減の
影響か。

妻篭へ行くバスがすぐ出るが、もちろん乗るつもりはない。バスに乗れば10分もかからないが
歩くと1時間弱である。
見たところバスも乗る人もいない様子。日曜日というのに、バスもタクシーもこれでは
商売にならない。と余計なことを考えつつ歩き出す。


南木曽駅

しゃれた駅舎である。
タクシーが数台客待ちしている。
右側がバス乗り場。


案内板に従って中山道を歩き出す。
ゆるやかな登りになっている。
9月も中旬を過ぎかけているが、まだまだ暑い。上り道を歩き出すと汗が出てくる。
この辺りの中山道が、常設ハイキングコースになっていて、こまめに案内が出ているので
道に迷うことはない。
途中、蒸気機関車のD51(デコイチ)が小公園に保存されている。


小高い所まで上がって来て
振り返って南木曾町を写す。



前来た時のことを思い出しながら、ゆっくり上り道を上がっていく。
その間、住宅の間を中山道が通り抜けて行く感じである。
どの家も綺麗に庭を手入れされている。

南木曽駅から妻篭へは、一つ峠を越してまた下っていく。
途中、妻篭の町屋の保存事業の解説がある。
よく見なかったが確か、昭和40年代初めにこの保存事業が始まったと書いて
あったと思う。


妻篭宿入口

真中にあるのは高札。



妻篭宿に着くと、今までの静けさが嘘のように、突然人が湧いてきたように大勢の
観光客が溢れている。
それぞれ、みやげ物屋をのぞいたり、写真を撮ったりしている。
ここだけ人でごったかえしているという感じである。


妻篭宿

前来たときもここで写真を撮ったが
もっとも妻篭らしい所だと思う。
絶えず人が通っているので、人の影が
入らない写真を撮るのは難しい。



同じく妻篭宿

こういい感じの家が並んでいる。

宿屋、民宿、みやげ物屋、そば屋、
和風喫茶店など


妻篭宿の本陣を復元した建物もあるが、寄らなかった。
町並みをずーと一通り見て歩くと、他に見るものも無い。
暑いせいか、観光客もアイスキャンデーを食べながら歩いている人が多い。

早々に次の馬篭へ向かう。
妻篭を出てしばらく登って行くと、大妻篭という所があり、数軒民宿がある。

そこを通り越すと、中山道は山に入っていくが、山ばっかりではなく、車の通る舗装道路と
何箇所かで交差し、また舗装道路と合流して、舗装道路をしばらく歩くところもある。

かなりの上りなので、車の通る道は曲がりくねって登って行くが、中山道はそこを
貫いているという感じである。
この辺の中山道は道幅2メートル足らずで、さびしい所だったのではないかと
想像される。一人で歩くのはぶっそうだったのでは。


昼尚暗きという感じの杉並木。

ここは平坦だが、全般的には登り道である。

前来た時は、登りがきついという印象は
まったくなかったが、今日はそれなりに
登りはしんどいと思った。


途中、立場茶屋跡という所に休憩所があり、しばし休憩。
昔の、江戸時代の建物を復元したらしいものであり、無料の休憩所になっており、
お茶の用意までしてあった。ポットにお茶を入れ、茶碗の用意をしてあった。
いかにも昔の農家風の建物である。もみすり機、糸車、脱穀機なども置いてある。
私より、やや年配のご夫婦が休憩しておられ、しばし雑談。
長野県伊那から来られたとかで、車を妻篭の駐車場に預けて、これから馬篭まで歩き、
落合川まで歩いて、バスで妻篭へ戻るとか言っておられた。この辺りへは車では
よく来るが、歩くのは初めてとか。
奥さんはここのお茶を飲んでおられるが、ご主人の方は缶ビールを出して、こっちの
方がいいと言っておられた。缶ビールもなにか簡易の小型クーらのようなものに入れて
持ってきたようで、そうでないとビールも生ぬるくなってしまう。
好きな人はそれなりの用意をしてあるということか。

私たちは小休憩して、お先にと言って歩き出す。
その辺りから、馬篭から妻篭へ向かうグループによく出会うようになった。
先ほどの茶屋跡からしばらく歩くともう馬篭峠に着いた。あっけなく着いた感じである。


馬篭峠頂上
801メートルもあると感じはしないが、
歩き始めた南木曾もそこそこ高い所に
あるせいだろう。


ここから下る一方である。
数十人の集団に会う。馬篭から妻篭へ向かう観光客である。

あとはどんどんくだって、馬篭宿には11時50分に着いた。
12.3km、3時間10分。

いつ来てもすごい人だ。とにかく名古屋の盛り場並みの人出である。
人にぶつかるように歩く。

今日は、藤村記念館を見物した。入館料500円は高いという感じがするが仕方がない。
一部、馬篭宿の本陣を復元した建物を使っている。
島崎藤村の生家が馬篭宿の本陣だったらしい。彼の「夜明け前」を昔読んだような気も
するが、記憶は定かではない。この小説の主人公は彼の父親がモデルだったと思う。

藤村の「若菜集」は私の好きな詩集で、特にその内、「初恋」の朗読が私の十八番であるし
「惜別の歌」は私がカラオケで歌える唯一の歌でもある。
そういう意味で、藤村に敬意を表して入館した。
藤村の写真、手書きの原稿、蔵書などが展示されていた。

どうというほどのものでもないが、一度だけなら見ておいてもいいということか。

中津川行きのバスまで30分ほど時間があったので、そば屋へ入った。
ビールを飲んで、ざるそばを食べたが、信州そばというのか、普段食べるそばとは
ちょっと変わったそばで、色が黒目でこしがしっかりしていて、美味しかった。

12時55分のバスで中津川へ向かう。乗客は私たち3人にもう一人のみ。

途中、健康温泉館とかいう、多分市営の保養施設でもう一人の乗客は降りたが、
そこから数人乗客が乗ってきた。
うとうとと眠っている内に中津川に30分ほどで着いた。
中津川名物の栗きんとんを買う予定だったが、電車がすぐに出るので、それは
諦めた。
多治見で電車を降りて、車を運転して、2時40分には帰宅、以外に早く帰れた。

以上