平成14年8月17日

瀬戸市・雲興寺〜東海自然歩道〜猿投山往復(11.0km)

残暑お見舞い申し上げます。

ウオーキングもだいぶ長い間ごぶさたした。
8月14日、私の夏休みの最終日に自宅を出て瀬戸東公園、窯垣の小径、瀬戸市街など10kmほど
ぶらぶら歩いてきた。久しぶりに歩いたせいか、翌日すこし足が痛かった。
こんなことでは、来週あたりからまた中山道の続きを歩きたいと思っても、行けないなと思った。
そこで、そのため足慣らしもかねて猿投山へ登ることにした。ほんとうに久しぶりである。

午前8時に家を出た。出発点の雲興寺まで、車なら15分か20分でいける。
猿投山頂上まで往復3時間半として、昼までに家へ帰ってこれる。

雲興寺の駐車場に車を止め、8時25分に歩き出す。
今日は山歩きということもあり、長袖のTシャツ、長ズボン、サングラス、帽子にスティックという格好である。
ちょっと曇っていた。カンカン照りでないだけ、すこしは楽のようだ。

国道を渡り、日陰の道を国道に平行して数百メートル行って、右に(南へ)曲がると、そこから上り道になる。
石というか岩が露出していて、ごつごつしていて、歩きにくい道である。

上り道を上りかけたころ、後ろで物音がするので、驚いて振り返ると、登山客が一人やってきた。
サングラスをかけ、私よりだいぶ若そうな人が、2本のスキーのようなストックを使って、上ってきた。
すいすい上っていくので、道を譲った。「そのストックのようなものは、役に立ちますかな」と聞くと、
「ええ、楽ですよ」という返事だった。私同様、雲興寺に車を止め、猿投山へ上るらしい。

私の歩き方は、例によって、ゆっくりした上り方である。
石段、木や土の階段を登るときは、3歩で1段登るやり方である。またなるべく階段を登らず、その横の
土の傾斜の部分を登る。高度的に1歩の上下差をなるべく少ないところを登る。そのために階段の右側を
登ったり、左側を登ったりする。平面的には歩数をかけ、上下の動きを少なくするやり方である。
山道を歩くときは、私の歩幅は小さい。なるべく小さくするのだ。「スライド走」「ピッチ走」という言葉からいえば
私は「ピッチ歩き」だ。
だから同じ距離、高さを登るのにしては、歩数計の歩数は多くなる。
水平面ではむだな動きだが、上下面、高度面ではなるべく体力をロスしないやり方である。

だから、猿投山など東海自然歩道の山道は苦にならない。ゆっくり一歩一歩進んでいけば
いずれ頂上に着くのだ。
歩くときも、上やずっと先を見ないで、足元を見ながら登る。
ずっと続く上り道を見ていると、それだけで歩くのに、余計なプレッシャーとなる。
足下を見つつ、一歩一歩足を進める、ときどき前の方を見るというやり方である。

足早にさっさ歩いてどこかで休憩するというのは、私のタイプではない。
左右の足を出して歩いていくということは、片方で体重をかけつつ歩いていく。そのとき片方の足は
遊んで休んでいるのだ。歩いていって休むのでなく、休みつつ歩くというのが、私のやり方である。
だから、私は基本的に途中で休まない。数時間歩くときでも、基本的に休みなしである。
休みつつ歩いているのだ。止まって休む必要がない。
ただ、こういう暑いときだ。水分の補給に気をつける必要がある。気をつけないとずんずん歩いて
しまうので、1時間ごとには水分の補給を強制的にするよう注意している。

猿投山は標高629メートルである。出発点の雲興寺は228メートル。ちょうど400メートル登るわけだ。
東海自然歩道を歩き出し、1キロ半くらいはゆるやかな道だが、そのあたりから階段道のかなり急な
上りになる。高度で200メートル登ったところが一つのピークとなり、そこからまた、だらだらと下り道になる。
高度でいえば50メートル下ったところに休憩所がある。トイレもある。
東海自然歩道はここから右へ向かうが、逆の左行くのが近道である。
この先行き止まりという標識があり、鎖が張られている。それを無視して進めば、道がつながっている。
送電線の鉄塔保守用の道があり、これが猿投山に登る東海自然歩道に合流するのである。
この道はよく知られている。雲興寺側から猿投山へ上るという人に聞いても、この近道のことを知っている
という人が多い。送電線鉄塔38号というのが、この道の手がかりである。38号の送電塔の下をくぐるように
細い道がついている。


東海自然歩道をはなれて近道を行く。
しばらくこんな感じの道である。

このあたりから、例によって虫の歓迎を受ける。
このくらいの高さの所にいる虫である。
追っても追ってもまつわりついてくるので不愉快である。
そういえば、今日は虫除けガードを持ってくるのを忘れた。

虫を手で払いよけながら、また階段道を登っていく。


10時頃、また東海自然歩道に合流した。ここから1.5kmほど尾根道、稜線を歩くことになる。
私にまつわりついてきた虫も突然いなくなった。虫の生息する高度をはずれたのか、虫が平面的に自分の
領域を守って戻っていったのか、私にはわからない。いずれにしても、小うるさい虫から解放されてやれやれだ。
歩き出して初めて、ここで立ったまま小休憩する。
顔や頭の汗をぬぐい、リュックからお茶を取り出し、すこしお茶を飲む。

ここの稜線を歩くのが、雲興寺側からの猿投山登山のクライマックスである。稜線といえども平坦ではない。
この程度の山で1キロ以上も平坦な尾根道があるわけがない。稜線上に小さなこぶがいくつかあって、その都度
アップダウンを繰りかえす。その上り下りを繰り返しながら、頂上に近づいていくのである。


猿投山尾根道


猿投山山頂
10時ちょうどに着いた。
数組のグループがいた。





山頂に着いて、すぐそばにいた人に写真を撮ってもらった。
帽子、サングラス、長袖シャツ、長ズボン、スティック、小さなリュックというのが今日の私のスタイルである。



山頂のベンチですこし休憩している間にも、先に来ていた人もやがて順番に山を下りていく。
時間的にまだ昼には早いし、弁当を広げる人もいない。
もう2時間もすればこのベンチもいっぱいになるかもしれない。

私が体の汗を拭いていると、山頂に上がってきた人がいる。
雲興寺から登ってくるとき、私を追い抜いていった人らしい。
私のように近道ではなく、本道を来たようである。
話を聞くと、今日が初めての様子である。「尾根道になってからでも、ずいぶんアップダウンがありますな」と
言われる。初めて来たら、そう感じるかも知れないなと思い、「そうですな」と相づちを打つ。
2リットルのペットボトルを出して、お茶を飲まれるが、かなり減っている。途中でだいぶ休憩してこられたらしい。
シャツを脱いで、着替えられたので、余計なお世話と思いつつ、速乾性のシャツをお勧めした。
「ユニクロで安くて売ってますよ」と宣伝しておいた。
私の話し方から、「関西のご出身ですか、三重県ですか」と聞かれたので、「大阪の生まれ育ちです」というと
「自分は教員だが、同僚のものにやはり関西訛りの者がいますので」ということだった。
そういうことから、「私の娘も中学校の体育の教員をしてます」ということなど話をし、しばらく雑談をした。
この方は今年から高校の定時制に変わったそうである。「定時制は夏休みはすることがないから、時間は
たっぷりありますよ」と言われる。「そういえば私の高校の同窓生も高校の教員をしていて、もっと大学で勉強したい
から、わざわざ定時制に変えてもらったものがおります」というと、「そういう方には定時制はぴったりですよ」という
ことだった。定時制の生徒のつきあいの難しさなど、ご苦労話もお聞きした。
テニスがご趣味だとか、道理で真っ黒に日焼けしておられるはずだ。
海上の物見山の話になって、「物見山からここの猿投山まで尾根づたいに来る道があるはずですがね」と
私が言うと、それを聞いていた、近くにいた人が、「あの道はけもの道だよ。コンパスと地図を持って行かんと
行けんよ」と話に入ってきた。「今日はまた、えらい空いとるな」。そういえば、このときは頂上は私たちだけ3人
である。「めずらしいこともあるもんや」という。もう一人の先生が「今日は空いていますか」と聞くと「いつもは
人がいっぱいでこの辺に座れんくらいやが」

そんなことで、思いもかけず、30分ほど頂上で休憩した。10時半頃、私ももと来た道を引きかえし、下山し始めた。

稜線を歩き、送電線鉄塔38号の標識のところから、近道に入った。その道を下っていったところで休憩している人が
いた。さきほど山頂で見かけた人である。この人は山頂でほとんど休憩せず、そのまま歩いて行かれた人だった。
猿投神社側から上り、山頂を通り越し、このあたりまできて、また戻るということである。
山登りのトレーニングとしてきているということである。本格的な山登りリュックに15kgほど詰め込んで
きたといわれる。ちょっと持たせもらったが、15kg入りのリュックは重い。とても私では担げそうにない。
今度も赤岳へ行くそうだが、登山となるとこれくらいのものを持っていくらしい。えらいことだ。
お年を聞くと60歳ということだ。若く見える。2週間に一度くらい登山に行くそうである。
登山をやっていると、体力がつく。日常生活が楽である。仕事をしていても、少々のムリはへっちゃらである。
そういうお話を伺い、10分あまり雑談してきた。

そんなことで、今日は意外といろいろ人から話を聞けて有意義だった。

近道を終わり、また東海自然歩道に合流したところがトイレのある休憩所である。
そこからまたすこし上りとなる。高度でいって50メートルくらいの上りなのだが、これが意外ときつく感じる。
一山越える感じがする。


ここが今日最後の上りである。
ここからは下り一方である。



雲興寺着、12時5分。
駐車料のつもりで、雲興寺の祭壇にお賽銭100円を入れ、お参りする。
自動販売機のお茶を買って、お茶を飲みつつ、境内で休憩する。


雲興寺境内


同じく雲興寺境内

参拝客はちらほら。



今日のコースは比較的日陰の道が多い。大半が樹木の下の道といってよい。
それに今日はどちらかといえば曇りだった。
それでも暑い。汗はかく。いくら乾きが早いといっても、出てくる汗には追いつかない。しぼるほど汗が出る。
パンツを通り越し、ズボンも汗に濡れている。

それでもこうして山歩きができるものが勝ちである。
12時半には帰宅して、シャワーを浴びていた。

以上