平成12年4月30日
JR南木曽駅〜中山道〜妻篭宿〜馬篭宿〜落合宿〜JR中津川駅(20.8km)

今日は久しぶりに妻篭から馬篭を歩くことにした。
JR南木曽駅に行くにはJR中央線の電車が極めて限られるので、その電車に
間に合わせるため、家を朝6時40分に出る。車で中央線の釜戸まで行って駅の近くに
置いておくことにした。
釜戸コミュニティセンターに車をとめ、駅まで5分ほど歩く。
電車はハイカーらしき人もそこそこいる。

中津川で南木曾行きに乗り換える。
2両編成のワンマンカーである。
結構リュックサックをさげたハイカーが結構乗っている。
最近、無人駅対策として中津川以遠はワンマンカーにしたらしい。
一番前のドアーしか開かないので、うろうろしている人がいた。
南木曽の一つ手前の「田立」で40人前後のハイカーが降りた。今日はJRの
さわやかウオーキングの指定コースになっているらしい。
全部といっていい程中高年の男女である。
普段は無人駅が今日は駅員らしい人がいた様子。

南木曽駅に8時半に着く。
南木曽の駅員の人に田立でたくさん降りたね、今日何かあるのかねと聞くと
やはりさわやかウオーキングの指定コースになっているとのこと。
その時は料金は特別に安くなっているのか聞くと、特にそのために安くはなっていないが
土日祝日はフリー切符が2040円で区間内だと乗り放題なので大分安くなるとのことだった。

こちらはハイカーらしいのはほんの数人である。
駅前の観光案内所で地図と記念品(木曾檜の箸)をもらう。
駅前のタクシーが数台待っていたが乗る人なし。
妻篭経由馬篭行きバスがすぐ出るが10人近くの人が乗っていた模様。

私は早速歩き出す。
このコースは4度目である。
一回目は一昨年の秋でJRの「さわやかウオーキング」の指定日だったので
たくさんのハイカーで一杯だった。
2回目は丁度一年前にきた。
3回目は途中の馬篭までだったが妻と次女と一緒に去年の秋にきた。


しばらく歩くとSL公園というのが
あってD51が展示してある。
桜がきれいだったので写真を撮る。

ここを過ぎるとずーとゆるやかな
上り道となる。

歩いている人は一人もいない。


道はよく分かっているが、標識を確認しながら妻篭へ向かってゆっくり歩く。

一旦、上ってまただらだら下りかけた辺りで
写真を撮る。
妻篭まで半分くらい来たところ。



30分弱で妻篭着。
今日はビックリするほど観光客がすくない。
いままでこんなことはいっぺんもない。やや時間が早いせいか、ゴールデンウイークの
はざまということか。
写真を撮ったが、いままでなら人影をいれないで撮ることは不可能だったが
観光客が通らない写真も結構撮れた。















やっぱり妻篭はすごいと改めて痛感した。
私は妻篭は作られた町と言ったが、それにしても流石という感じはする。
今更ながら大したものだと思った。
時代劇を見ているように、江戸時代にタイムスリップするようだ。
観光客がすくないだけ、写真は撮りやすいが、それにしても苦になるのが
車である。
他所の車は進入禁止だが、業者の車や地元の人の車である。
自分の車を道路へ置くなといいたい。
RV車とか軽トラックが目に付く。
そういう点、まったく無神経だと思う。

写真をそこそこ撮って、次の馬篭に向かう。


大妻篭の手前の坂道を上りながら
振り返って満開の桜を撮る。
カメラのファイダーを覗きながら
バックして行って写真を撮っていたら
気が付いたら、車が一台すぐそばに
いた。
私が写真を撮るのを待っていてくれた
らしい。
私も慌てて、お辞儀をしたが、
普通ならクラクションを鳴らすところだが
待っていてくれたらしい。
私も突然クラクションを鳴らされると
びっくりするところだった。

こちらに落ち度があるとはいえ、突然のクラクションでびっくりさせれると後まで気分が悪い。
運転している人の人柄に救われた気がした。


山路になっていかにも昔ながらの中山道という感じの道をあるいていると、中年の女性に会う。
馬篭まで車できて、妻篭まで歩いて往復するとのこと。妻篭〜馬篭は8.3kmと出ていたので
往復だと16kmあまりになる。ちょくちょくきているみたいで歩きなれている感じだった。
この先の観音のよこのしだれ桜が満開で綺麗だと教えてくれた。

しばらく歩いていると三脚を構えて写真を撮っている男性に会う。
桜もないので何を撮っているのかと聞くと、沢につつじを望遠で撮っているとのこと。
望遠は200ミリ、カメラはニコン。
車で馬篭まできて、写真を撮るため歩いてきたとのこと。
定年になってから本格的に始めたといっておられました。写真は健康にもいい。
三脚が重いので、それを気軽に持ち運べるかどうかが体調のバロメータだとか。
確かに重い三脚を持って馬篭から急坂を上ってくるのは大変でしょう。

中山道の昔の関所かがあったところに休憩所あり、初めて休憩する。
そこが先ほどの女性が教えてくれた桜の名所らしい。




道はだんだんのぼりとなっているうちに馬篭峠に11時丁度に着く

馬篭峠で夫婦連れの方の写真を撮ってあげ
私の写真を撮ってもらった。

天気はよく、風は少しあるが歩いているものには
心地よい。
ここからは結構急な下りである。
馬篭から上ってくる人は大変である。


この辺りから、馬篭からやってくる人にたくさん会う。
ハイキングの人、山歩きの人は人に会うと必ずお互い挨拶をするが、観光客でたまたま歩いて
いるという人はまず山中で人に会っても挨拶をしない。知らない他人に挨拶をするということが
まったく考えられないことなのであろう。街中もアウトドアーでも全く同じということだろう。
仲間たちで喋っているだけで、途中人に会ってもお構いなしである。別にそれがどうこうでは
ないが、私たちから見ると、違和感があるというだけのことである。


11時半ごろ馬篭着。
あいかわらず大変な人出である。
馬篭は妻篭からみるとなんとも、どうしようもないところという感じである。
観光客が坂道を歩いているだけ、坂の両側に御土産屋、そば屋、民宿、喫茶店、食堂があるだけで
ある。
私は通り過ぎただけであるが、おやきというよもぎ饅頭を一つ買って、食べながら歩く。

ここからはただどんどん歩くだけである。
約2時間、8kmあまりである。
とにかく早足でどんどん歩く。

道端で休憩している夫婦連れに挨拶する。
どこまでと聞かれたので、南木曽から中津川まで歩くというと、私らもだが何時に出たというので
南木曽を8時半だったというと、私らは6時半に出てきたとのこと。
6時半とは随分早いねと言って、お先と先に歩き出した。


馬篭からしばらく歩いて新茶屋というところが
信濃、美濃の国境である。
ここからは岐阜県中津川市である。

落合の石畳という1km弱の石畳の道を歩く。


落合宿
旧本陣(の一部)が残っているほかは
昔のものは残っていないようであるが
町並みは元の街道筋だったかという感じは
する。
ここから国道19号腺に出てそれに沿って
しばらく歩きまた、旧中山道に入るが
与坂という大変きつい坂をのぼる。
上ったらまた下りて、下りたらもうひとつ
急な坂がある。
昔の旅人はどんな思いでこの坂を上ったのか
と考えながら歩く。

先ほどの夫婦連れはこのきつい坂をご存知なのかと余計な心配をする。


しばらく歩いてまた国道19号に出て、そこを横断する。
ということはさっき19号へ出たとき、国道沿いに歩いてくれば、あんな坂を上り下りしないで
ここへこれたのかと気が付く。
ここからは鼻歌気分でどんどん歩く。

芭蕉の句碑があった。
「山路きて、なにやらゆかし すみれ草」
説明によれば、芭蕉の「野ざらし紀行」に出ている句なのだそうである。

ここから駅まではもうすぐである。
そういえばこの辺で去年の今ごろ歩いた時、京都から東京まで中仙道を1週間で歩くと
いう一行にすれ違ったな。あの連中は予定通りついたのかな。今年はやらないのかな。
そんなことを考えているうちに駅が見えてきた。
中津川名物の栗きんとんを買おうと思って店に入ったが、栗きんとんは9月から12月までの
季節商品ですと断られた。代わりにおおば餅というのを買った。

中津川駅着、13時半、5時間、20.8km

電車の時間が12時37分であると調べておいたので、それに間に合わせるため
すこし急いであるいた。
昼飯をたべなかったので、どうせ始発の電車はガラガラだから、電車の中で食べようと
思って電車に乗ってびっくり。
満員である。ずーと前へ歩いていってやっと席を見つけた。
中高年のウオーキング客で一杯である。
ここが始発じゃないのか、どうしたのと不思議に思って隣に年輩の男性に聞く。
田立の今日のさわやかウオーキングの帰りだそうで、その人たちだそうである。
中津川まできて、この電車に乗り換えたらしい。

朝も田立の下りる人がいたが、それ以外にも臨時電車のウオーキング号が
出ていたのでしょう。
しばらくその男性と雑談するうちに釜戸に着く。
車に乗り、3時20分ごろ家に帰る。

以上