平成19年7月8日 三重県伊賀上野 (その2)


さて、昼飯も済んだので、街の写真を撮りに行くとしよう。

先ほどの産業会館から、1本ほど南へ下って、そこから
かってのメーンストリートを東に向かって歩く。

上野。本町通り

本町通りというと、ほとんどの市で
シャッター通り化しつつある通りである。

ここも、そのような感じである。

正面にあるのが、天神さん

これが、かっては、商売に役立ったかと思うが
今は、道がカギ型に曲がるし、肝心のところに
大きく場所をとるし、むしろ商売には
じゃまになるように思った。



三重銀行上野支店があるから、ここが中心街だったのは
間違いないだろう。
それにしても、日曜日のこの閑散ぶりは。




天神さんの横の商店街ビル?

左側の洋品店のおばさんとしばらく雑談。

ここができて30年になるが、最近はますます
業況はよくない。

ほとんど店が、スナックなど、夜型の店に
変わってしまった。

特に、日曜日と木曜日が、閑である。

木曜日というのは、なんですかと聞くと
木曜日は、お医者さんが休みの日だそうである。
この店のお客は、年配の女性、お医者へ行った帰りに
寄ってくれるらしい。そのお医者が休みの日はあきませんとのこと。



この商店街の一番向こうの奥まで行って、戻ってきた。



商店街一番奥の反対側からの写真




近鉄伊賀上野線、広小路駅(上野市駅の一つ手前の駅)

面白い絵を書いてある。

無人駅

駅前の自転車がたくさん並んでいた。

ここまで自転車できて、ここから通勤、通学するようである。




また、本町通りに戻り、、東に向かって歩く。


以下にも古そうな薬局(創業何年?)

とても現業中とは思えなかったが
近くの人の話では、
今日は日曜日定休だが、普段は
営業しているとのことだった。




これも古いお菓子屋さん

もちろん営業中

古い建物をうまく改造して使っておられる様子




燃料店

この店も古そうな店である。

ご商売はどうなんだろうと余計な心配もしてしまう。





表具店

現業中

この店も、このあたりの老舗のようである。





建材店

元の店舗を残しつつ、だいぶ改装されたのでは
ないかという気がした。




造り酒屋さん

近所の人の話では、このあたりは
地形的に盆地になるので、酒造には
向いているそうで、造り酒屋さんが
多かったそうである。

この店の裏に大きな土蔵がいくつか
あった。




この真ん中の家は、さきほどの建材店の
本宅らしい。
みごとなうだつが上がっている。

そうとう以前からの格式のある商家だったのだと
思われる。




さきほどの表具店の前にあるすきやき屋さん

ここの奥さんらいい人としばらく雑談した。


このあたりで一番客の入りのよい店である。
店頭には、すき焼きの順番を待つ人がいた。
また、車で肉を買いに来ている人もいた。

すき焼きは、一人前約7000円
肉は150グラム
それがセット料金らしいが、それで十分だそうである。

わたしの話にも、気軽につきあってもらって
感じのよい奥さんだった。




さて、だいたい観光ガイドに従い、本町通りの端まで行ったので、
元へ戻ることにした。
そこし戻って、南へ向かった。

そこは寺町となり、お寺が固まって、7軒あった。

そのうちの一つの表に面白い記載があったので、写真を撮った。



この石碑の右端に
「伊賀越復讐遺跡 川合又五郎之墓」と書かれている。

有名な荒木又右右衛門仇討ちの相手方の
川合又五郎の墓らしい。

どちらに義があり、どちらに非があるかは、ともかく
討たれた敵役もちゃんとまつられているのだ。

こちらでは、意外に川合又五郎の評は悪くないのかも
しれない。

そんな感じを持った。



後、はっきりした目的はあるわけではないが、街を歩く。


三重県文化財指定
入交家(いりまじり)建物

元武家屋敷を保存したもの

左側は、長屋門というのかな。





また、駅近くまで戻ってきた。



こういう古い商家が、まだあちこちに
残っている。
その点から見ても、昔を感じさせる街である。





本町通り

さきほどの本町通りを、南北のメーンストリートの
西側を歩く。
西の方が、にぎやかですと聞いていたが、そうでもない感じ
である。





駅近くの商店街

まったくシャッター通りそのものである。




産業会館まで帰ってきたが、帰りのバスの時間まで、まだ30分ほどあるので、
先ほどの観光案内所へ行って、今日のお礼を言った。

昼の食事に食堂でざるそばを食べたが、美味しくなかったとう感想を言うと、
「食事のご相談をお聞きしておけば、お教えできましたのに」と残念そうに言わ
れた。
「わたしも観光案内所に勤めるようになって、食堂などをあちこち食べて歩きま
した。自分で食べてないと、人にアドバイスできませんので」と言われる。

何を聞いてもすぐ的確な答えが返ってくるので、
「ここの仕事はもう長いのですか」と聞くと、
「今年の1月からです」と言われる。

「えっまだ半年しかならないね」と言うと、
「はい、そうです。そのためにだいぶ勉強しました」と言われる。

ふーんとわたしは驚いた。

お客は何を知りたがっているか、的確に捉えて、すぐ答える。ベテランでもなか
なかできないことである。

この女性が自分の仕事を積極的にとらえて、努力されているのに感心した。

たぶんパートタイマーの契約職員ではないかと思う。観光客がきたら、観光パン
フレットをわたし、聞かれたら最低限のことだけ答えるのが、仕事であろう。
上司も、この女性に上野城の建造年時まで覚えてもらうことを期待しているわけ
ではないだろう。

この女性が、積極的に、自分の仕事に取り組む姿勢に、脱帽である。

気持ちのよい一日を送ることができたことに感謝したい。

帰りのバスは、午後3時半発である。名古屋のバスセンター到着予定は
午後5時2分だということだった。
バスセンター到着は、午後5時2分、バスが止まったときは3分になっていたが
まさに時間どおりといってよい。
降りるとき、「時間どおり、ぴっしりだね」と言うと、運転手は嬉しそうに
「ありがとうございました」と笑っていた。

以上