平成18年11月15日 番外編 「ドラゴン桜」

わたしの愛読週刊漫画誌「モーニング」に連載中の「ドラゴン桜」も、いよいよ佳境に入りつつある。
あらすじをごく簡単に書くと、債務超過におちいり、破産寸前の私立龍山高校の再建を
請け負った弁護士桜木は、学校再建のため、受験有名高にして、生徒を集めようと立案する。
そのためには、今年の3年生の中から東大に合格させることが必要不可欠である。
ところが、この高校は、いわゆる落ちこぼればっかりの3流、4流校である。
高校3年生が、ひどい話、小学校の算数ができないものが多いというレベルである。

そこで、桜木は、矢島、水野という家庭がいわく付き男女の3年生を選び出し、
この二人を来年3月、東大に合格させるため、数学、英語、国語、物理など受験指導の
専門家を呼び、この二人に特訓につぐ特訓をする。

二人の生徒も、何度かギブアップしそうになりながら、なんとか、踏みとどまり、
紆余曲折を経て、最近、センター試験の模試を受けたところ、なんとか、
東大受験にメドが立ったところまできた。
中学1年生の数学から始めて、ここまできたのである。

来年春の東大入試に、この二人が晴れて合格して、めでたしというハッピーエンドになることを期待している。

ところで、1ヶ月くらいの「ドラゴン桜」の内容が面白いと思って、ちょうどデジタルカメラと
デジタル・オーディオ・プレーヤーをを持って、マンガ喫茶へ行っていたので、写真を撮って
中身をプレーヤーに吹き込んできた。
これを、いつかメールに書こうと思っていたら、ちょうど今、高校の必須科目・世界史を履修していない問題が
出てきた。
世界史の授業をせずに、受験に役立つ科目を受けさせていたとは、とんでもない話である。
それが、公立高校に多いというから、あきれてものが言えない。
そんな高校の校長、教師、生徒は、「ドラゴン桜」を読めと言いたい。


以下の話は、桜木のやり方に批判的な二人の女教師に、「その年の3年生の大学受験の
結果を、受験のずっと前から分かる場所がある」と言ったところから、始まる。


桜木が連れて行った場所は、
生徒の下駄箱である。

下駄箱を見れば、生徒が時間どおり
来ているか、どうか一目で分かる。
そして、「遅刻してくる生徒が多ければ
その年の合格率は悪くなる」と断言する。



有名進学校では、高校3年生の遅刻が
多いと今年の3年は、受験で大苦戦する」
と予測する。

その理由は



その理由は

「生徒の生活が、学校中心ではなく
自分中心になっているからだ。
受験で失敗するのは、自分の時間を
優先して生活を組み立てていくタイプだ」

そのわけは



自己中心タイプの生徒は
「だから勉強も自学自習が中心。
深夜まで家で勉強するかわりに
朝寝坊して学校に遅刻する。

授業中も教師の話を聞かず
寝てしまう
受験のポイントを押さえられずに、
当然受験に失敗する」

桜木は、こういう自己中心タイプの
生徒は受験に失敗するという。



受験特待生の水野(女生徒)と
矢島(男生徒)の二人は
二人とも、学校中心の生活サイクルを
守れているからここまでなんとか、
センター試験模試で、いいところまで
くることができたんだ。


「重要なのは、子どもにとって
生活の基本が学校にあると
いうこと
学校の授業や行事を優先して
行動できてこそ子どもは
成長できるんだ。

なぜなら、子どもの成長には
規律と統制が不可欠だからだ」

個性と自主性は規律と統制の中で
生まれる。
規則を守ることと自分のしたいことに
知恵を絞って工夫する。
規則を利用して、自分を磨くことに
よって自分の個性と自主性を伸ばす。


有名進学校では、こういうことは
よくわかっている。
たとえば、体育祭だ。」


「多くの高校では、春に体育祭を行うが
有名進学校では、秋におこなう。
しかも、3年生が中心となって、実行する。
教師の方も、受験を控えた3年生に
配慮するようなことはしない。
体育祭は秋と決まっている。
だからしっかりやれというだけだ」

「自分たちでなんとかしなければ」という
意識をもった3年生は、
下級生をリードしながら、短時間で
効率よく、体育祭の準備をし、実行する。

3年生の能力と指導力が、高ければ
高いほど、体育祭は盛り上がる。



「だから最高の盛り上がりを見せた
学年の受験は絶対にうまくいく。

逆に盛り上がらなかった学年は受験も
失敗する。」



「授業においても、教師は、全力をそそいで、内容にこだわった、ハイレベルな授業をする。
生徒も、内容のある、ハイレベルな授業が提供されているということが分かっているから
それを徹底的に活用しようとする。
教師と生徒が、お互い切磋琢磨しあって、授業を盛り上げるから、これが受験に役立たないはずがない。」

以上で「ドラゴン桜」の引用は終わり。


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ここに書かれている話は、理想論かもしれない。
しかし、自分の大学受験、その他の試験の受験経験からも、受験の最大の手段は
毎日の学校の授業であるということを、骨身に染みついて知っているので、
今回の「ドラゴン桜」は、まったくそのとおりだと思って、書いてみた次第である。


以上

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