平成18年10月8日 愛知県犬山市を訪ねて

今日は、犬山市内の古い町並み、古い建物、商店街などの写真を撮るため、犬山市を訪ねた。


名鉄犬山駅前
犬山駅は駅ビルになっている。

駅改札口を出て、すぐのところにある観光案内所へ立ち寄った。
「犬山城下町 まち歩き MAP」という地図を1枚いただいた。
係の人が、親切に、歩きのポイント、コースを説明してくれた。
丁寧に、黄色マーカーで、色を付けて、説明していただいたのは
結構であるが、自分がもらった地図に色を付けられるのは、
ちょっと、困った。

駅ビルの左側に、イトーヨーカドーが見えるが、この大型ショッピングセンターが
地元商店街に与えた影響は、実際、街を歩いてみて、相当大きいと思った。


駅前のメインストリートが、西へ伸びているので、それに沿って歩き出す。
すぐ駅前に、金券ショップがあったので、立ち寄った。
名古屋へ帰りのキップで、割安キップがあるのではないかと思ったからである。
案の定、土日祝日専用キップが440円である。今日来しなに買った通常キップが
540円だったから、100円も安い。
名古屋の金券ショップを数軒回って、名古屋〜犬山の割安キップがないかと
探したが、どこにもなかった。
ところが、犬山では売っているのである。今後も、名鉄で地方都市に行くときは
とくとくキップに注意である。


駅前からの目抜き通りを歩くが、閉まっている商店も多い。

日曜日だから休んでいるというより、廃業しているようである。


同じく閉店した店が並んでいる。
食料品店、鮨や、靴屋



本町通りまできた。南北に通じる本町通りが、縦のメーンストリートである。この本町通りを北へ行くと、犬山城に至る。


東西の駅前通りと南北の本町通りの交差点にある商店街ビル
本町通りの両側にあるそれぞれ十数軒の商店が、自分たちの店を
取り壊し、共同ビルを、昭和40年代に造ったそうである。
それには、国や市の補助金をもらったそうである。
1階は店舗、2階以上は住まいになっている。

これができた当時は、日曜日には、車を通行禁止にして
歩行者天国となり、たいへんな賑わいをみせたとのこと
(2年ほどで廃止になったらしいが)
この商店街にも、端の方に、少し駐車場があるが、
それだけでは間に合わない。

車社会の波が押し寄せ、郊外に大きなショッピングセンターができ、
街の中心部の商店は、だんだん寂れていった。

通りがかった年配の男性にお話を聞いたら、
そういう意味のことを話してくれた。



上の写真の反対側の商店街

ほとんどの店が閉まっているが、看板の出ている店も
商店街に昔からある店というより、やや新しい感覚の
店が多いように思った。


大半の店が、休業中



この薬局では、完全に店を取り壊し、駐車場として使っている。
裏にしゃれた住居がある。
奥行きは意外に深いようである。



車を洗車していた呉服屋のご主人に話を聞いた。
この人のお祖父さんが呉服の行商を始め、ここに落ち着いたそうで、この人で3代目というわけである。
店の中をちょっとのぞかせてもらったが、日曜日ということもあるのか、店頭がはなやかという風でもない。

今、着物を買う層が限られているようで、一般の人は、成人式や結婚式といっても、着物を買うわけでもない。
この店では、踊りを習っている人とか、お茶、お花をやっている女性などの買ってもらっているとのこと。
だから、そういうけいこ事の先生とか生徒にうまくアプローチして、商売をしていく必要があるようだった。
いずれにしても、厳しい現状のようである。


本町通り交差点の一等地にある真野家住宅

パンフレットによれば、明治24年建造
元丹葉銀行頭取の本宅とある。



真野邸から北へ(お城の方へ)歩くとすぐ、どんどん館・中本町まちづくり拠点施設という市の施設?があった。
入場料200円を払って入館する。
1階には、犬山市にある13台の山車のうち4台を展示してある。
2階には、その他の展示物とビデオの視聴コーナーがある。


4台のうちの2台
館内は薄暗いので、手ぶれ防止のため椅子の上に、デジタルカメラを置いて
写真を撮った。
ストロボは発行禁止にしてあるが、これだけきれいに撮れるカメラを自慢したい。
シャッター時間 0.3秒、F値 1.8、ISO(自動) 200、露出補正 +0.7



残りの2台
こちらは手持ち撮影
シャッタースピード 1/4秒、F値 1.8、ISO(自動) 200、露出補正 +0.7

左の1台には、提灯がついているが、宵山には全部の山車がそれぞれ365個の提灯を
つけるそうである。しかも、光源はローソクである。
今、山車の提灯には電球を使うところが多いらしいが、犬山では伝統を守り、今でも
ローソクを使うとのこと。
365の提灯をつけ、一つ一つローソクに火をつけるのは、たいへんな作業だが、
365個の提灯に彩られた山車が、13台そろうのは圧巻だそうである。

2階へ上がって、ビデオを見る。
犬山の歩みを写したものである。犬山の古い町並みを見る参考になると思って
ビデオを見た。



登録有形文化財建造物 旧磯部家住宅 
旧呉服商 柏屋
江戸時代から手広く呉服商を営んでいた。太平洋戦争後はお茶の製造、販売に転じた。
生活の本拠は、他地へ写った後、商品倉庫として使われていた。
犬山市が、土地、建物を譲り受け、保存修理工事をし、最近公開されるようになった(入場無料)。




上記、柏屋のすぐ近くにある高木家住宅

大正2年建築、酒造業の本宅。
今でも住んでおられる様子。



本町通りの一本東の通りにある造り酒屋さんを見に行くため
小路に入ったところ、向こうから、犬の散歩の少女がきたので
思わず写真を撮った。



錬屋町の山車倉
ほとんど裸の状態で見ても、ずいぶん背の高いものである。
町内の役員さんが集まって打ち合わせをしているのか。


小島醸造(荵苳酒本舗) 江戸時代初期からの荵苳酒の醸造元
白い塀が伸びているあたりまで邸宅である。ずいぶん立派な屋敷でる。
座敷棟は弘化4年、店舗は明治25年ごろのもの



上記小島醸造の店の内部をのぞいて、写真の撮らせてもらった。
いかにも古い造り酒屋さんの店先という感じである。


上記の小島醸造の斜め前で、二人の子供のおもりをしているおばさんに話しかけた。小島醸造のことをすこし聞きたかったからである。
おばさんは、自分ところの仕事に使っているらしい台車に二人の子を乗せ、押して、お孫さんの子守をしていた。
かわいい姉妹である。上の子に、「小学校何年生」と聞くと、「幼稚園年長組」と言う。下の子に「3つかな」と聞くと、指を2本見せる。
まだ2歳らしい。両方とも、もうすこし大きく見える。姉妹そろって、かわいい子供である。
「おばさんの孫かね。美人系だね」というと、おばさん、まんざらでもなさそうで、笑っている。
「息子さんの子供さん」と聞くと、「いや、娘が孫を連れてきとる。用事で出かけたんで、孫のもりよ」とおばさん。
「ほんとに、かわいい姉妹だね。じゃね」と言って歩き出した。
しばらくすると、「おじさん、バイバイ」という声がする。「おじさんとはわたしのことか」と後ろを振り返ると、
さきほどの二人が、大きい声で、手を振っている。わたしも、思わず手を振った。
歩き出して、しばらくすると、また、「おじさん、バイバイ」という声が聞こえる。
わたしは、「ありがとう」とつぶやきつつ、帽子を取って振った。
次の辻で曲がるまで、あの二人から見えなくなるまで、「おじさん、バイバイ」が続いた。
「見も知らぬわたしを、そこまで歓迎してくれるか」感謝しながら、わたしも手を振った。
この幼子二人に会っただけでも、今日犬山へ来た甲斐があったな」そんな思いがした。
心残りは、このかわいい姉妹の写真を撮っていなかったことである。

「古い町並みや建物に心ひかれるもよし、写真を撮るもよし、しかし、そこにいる人たちとの
気持ちの交流なくして、何のための写真か」
そんなことを感じさせるひとときであった。


三井家住宅、米清の屋号の米問屋

母屋は、明治22年、蔵は大正7年の建造


この後、また本町通りに戻り、お城の方へ歩いた。
お城へは行かなかったが、その手前の「犬山市文化資料館」へ入った。みるべきものなし。

ほかに特に見たいものもないので、駅へ戻ることにした。
この通りに沿って、店があちこちにあるが、それらの店は、地元の人の、地元の人による、地元の人のための商店ではなく、
古い町屋を借りて、観光客相手の商売(喫茶、飲食、グッズなど)である。
地元民でない人による、地元民でない人のための店という感じがした。

町並みも、古い建物があるかと思えば、新しい建物もあり、空き地、駐車場があちこちにあったり、
中途半端な街という感じがした。


老舗の銘菓店らしいが、おばあさんが、ぽつねんと座っていた。

その隣も、昔はなにか、商売をしていただろうと思われる店構えである。





以上


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