事跡:
貞観14年(872)年、出生
延喜元(901)年ごろより、女房歌人として頭角を現す
元慶2(945)年以降、間もなく、68歳以上で没したと推定
伊勢守藤原継蔭の御女。宇多天皇皇后温子に仕え、温子兄の時平、仲平に愛されたほか、宇多天皇の寵愛を受け、一児を生むが夭折。宮仕え退下後、敦慶親王に愛され一女中務を儲けた。『古今集』以下三代集に女性最多の歌を採られている。屏風歌・賀歌が多い。
家集:
大別すると3類になる。
1西本願寺本三十六人集系 483首
2群書類従本系 518首
3(1)定家本系
(2)正保版歌仙家集本系 513首
(3)神宮文庫本系
すべて同一祖本から派生したもの。1、2、3類の順に祖型を保っていると考えられる。
巻末に2度の増補があり、最初の30首は歌物語的、200首ほどは組織的、後は雑然としており、他撰であろう。
成立は拾遺集時代ごろ、以後三十六人集編纂時代(院政時代)に2度の増補がなされ、現在の形になったと思われる。
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