4月3日日曜日

バンベルク

今日も快晴。この時期のドイツでこれは珍しい事だ。同時期に来た前回などは1日しか晴れなかった。Kさんによればこの天気も明日は駄目らしいけれど。

 今日はバンベルクに行くのだが、その前に朝飯を食べる。ブロートヒェンを2つほど取り、それにハム5種類ソーセージ3種類、バターに蜂蜜、コーヒーにミルク生野菜etc.実にゴージャスで美味い。特にミュンヘン名物白ソーセージ(Weisswurst)はカマボコの様で良い。朝しか食べないソーセージだという事だが納得だ。ここのは少し小振りだけれど、これまでホテルで出た事はなかった。

 今日は昨日の様に遅れないでホテルを出る。ICEでニュルンベルクまで行き、REに乗り換え2時間程でバンベルクに到着。街全体が世界遺産になっているし、バンベルク交響楽団で有名だ。市としては小さいので、も大きくはないがオペラハウスの様な外観ではある。到着するとKさんがトイレに入る。トイレはドイツではほぼ有料だ。小をするだけでも0.5EUR程度取られるのだ。しかしデパートやレストラン、商店では取ってはいけない事になっている。駅でも昔は取らない所が多かったが、今は殆ど番人がいる。人がいなくても、コインを入れないと扉が開かない仕組みになっている。もっとも、番人がいないトイレでは内側の人が扉を押さえて次の人を入れたりしている。誰だってトイレでお金など払いたくないのが本音だ。まあ出来るだけしないのが一番(笑)そう巧くはいかないが。

 ついでの話だが、バンベルク交響楽団はナチスの時代国策で現在のチェコ、ズデーテン地方に進出した時、プラハに作られたオケが元だ。戦争に敗れて戻った演奏家をここに集め創設したのがバンベルク交響楽団だ。小さい街なのにAクラスのオケがある理由はここにある。また、ハンガリーに創設したオケが戻って、ホフと言う町に作ったのがフィルハーモニア・フンガリカだったが、こちらは潰れてしまった。それはさて措き話を戻す。

 ここに来た目的はと言えば、レグニッツ川の中洲にある旧市庁舎は有名で見てみたかったが、実はそれより燻煙ビール(Raufbier)が飲みたかったのだ。とは言え市庁舎を実際に目の当たりにすると、その光景は素晴らしい。さらに歩いて行くと手頃な店を発見。喉も乾いたので、早速入るとこれが大正解。ビールも美味いが白アスパラガス(Spagel)があった!これは4月から5月にかけてドイツで最も注目される食材だ。レストランでは通常のメニューとは別に専用のメニューが用意される。ミュンヘンでも野菜売りの屋台にはあったが、レストランでは見ていなかった。味付けは、バターソースも美味いので迷ったがオランデーズソース(要はマヨネーズ)で頂く。1人前280グラムほどあるので、一皿取ってシェアー。付け合せのポテト(Kochtkartoffel)も美味しい。太いアスパラガス(直径2cm長さ25cmほど)が、一人充て3本あるので十分だった。それに店の造り、雰囲気、調度品も良かったしウエイトレスも美人だった。上機嫌で丘の上のレジデンツと教会を訪れる。これも素晴らしい。時間を持て余すかと思ったが、良い時間を過ごした。高台にある教会から見るバンベルクは奇麗だった。帰りの列車まで時間があったので、散歩がてら駅の周辺を歩くと線路に沿って長いショッピングモールになっていた。入ってみると一部は開店しているが、全体はまだらしい。

 そして、またミュンヘンへ。来る時と経路を変え乗り換えの無いアウクスブルクを通るICEにしたのだが、反って時間が掛かったので失敗だったかもしれない。ICEとは思えないスローな列車で、着いたのは18時近かった。

中華屋さん

 ドイツには閉店法というものがあって日曜は店が閉まる。日本では考えられないけれどねえ。従って人出が少ない。州によって違いもあるので、確とは言えないが、以前に来た時(2008年に行ったベルリンなど)はもう少し開いている店が多かった記憶がある。法律の運用が緩くなって来ているとも聞いていたのだが、ミュンヘンは違うのか? とは言え、閉店法は駅構内やレストランには及ばないので、飯は食える筈だ。

 ドイツで食べる支那料理はなかなか美味い。中国は嫌いだが、料理は悪くない。ドイツ人は甘い味付けが好きなので、首を傾げる店もあるが、米を食いたくなるとそれを求めて行く。今日はひとつそれにしようと思い、何度も行って気に入っていたマリーエンプラッツ近くの金魚茶楼に行ったがここも何故か閉まっていた(後に分かったが、店を閉めていた)。

 次善の策として、目に留まっていたカールスプラッツの「大上海楼」という所に行ってみた。そっと覗いてみると店内に客がいない。人気のない店かと心配になったが、他に選択肢もないので、ここに決めた。よくよく見ると、中々広くて立派な店だった。テーブルにはリネンのクロスが掛かっている。従業員は中国人ではなく、東南アジア系の小母さんが注文を取りに来たが、接客は悪くない。二人用の定食とヴァイスビアで食事を始めると、これが美味い。酸辣湯(ドイツでは北京ズッペと言う事が多い)前菜それにカレー味や各種の醤で味付けした炒め物三種類、香の物があった。お替わりまでしてご飯をしっかりと食べてしまった。我々に取って、米と言うのは何か魔力がある。この間にテーブルも埋まって来ていた。     

支払いを済まして出ると疲れがどっと出た。ホテルに戻ると9時前に寝てしまった。さて、明日はウルムを見てハイデルベルク入りだ。