サロマウルトラマラソン初挑戦

【1日目、6月21日(土)】
 11時15分発のJAS女満別行きに乗るため10時頃空港に到着する。待合
い室で自然保護のニコルさんがいた。初夏の北海道に出かけるのであろうか。機
内は約1/3程がサロマランナーで占められていて満席であった。

 予定通りの時間に曇りの女満別空港に降りた。外は寒い10度で前日まで北見
地方は30度近くまで気温が上がり暑かったが台風一過で急に寒くなったようだ。
北海道はまだ寒いだろうと持参した上着を着込む。荷物になるが上着とトレーナ
ーを持参して助かった。  特別バスに乗り会場の湧別まで約1時間30分かか
った。途中、コースの一部を通過したが、既に距離表示や給水所のテントが用意
されていた。会場で大塚さんとパッタリ行き合う。久振りの再会を喜ぶ、サロマ
は4回目だそうで、もうすっかりサロマランナーだ。

 会場のランナーズテントでは、浅井えり子さんがサイン会を行っていたので、
帽子にサインをしてもらう。明日はこの帽子をかぶりゴールしよう。ウルトララ
ンナーの夜久さんが浅井さんの後ろにいた。地元の人が無料ホタテ焼きをサービ
スしていたので頂く。炭火で貝殻にホタテを入れ味付けをしたもので美味しかっ
た。

 続いて前夜祭をやっている会場に行く。食べ物や飲物が多く、北海道の料理は
美味しく満腹状態になった。隣り合ったランナーと話し合ったが、東京からオー
トバイで何日もかかってやってきてライダー宿に泊まっている若者、何とサロマ
を11回も走っている女性などさまざま。

 前夜祭が終わり、宿へそれぞれコースのバスが仕立てらる事になっているはず
だがバスがいない。先ほど降りた女満別空港は霧が深くなり、私らの次の便は、
1度着陸を試みるが滑走路に降りられず、上空を1時間も旋回していたそうであ
る。他の便は隣りの帯広空港や旭川空港に降りバスが迎えに行ったらしく、バス
のやりくりが混乱していた。このため宿に帰るのが遅れた。千歳空港からの便は
欠航したそうで、何と札幌から列車で網走まで乗ってきた人がおり、宿に夜遅く
到着していた人がいた。前日の金曜日は、台風で何時間も遅れて到着した人もい
た。

 宿は浜佐呂間の民宿で40名のもランナーで賑わっていた。食事はタラバガニ
が1枚づつ出された。満腹状態であるが無理して頂く。明日は早いので9時頃布
団に入ったが眠れない。

【2日目、6月22日(日)】
 2時半に起床、食事をしっかり頂いて、3時15分迎えのバスに乗ってスター
ト地点まで約1時間かかった。外はもう明るい。今日1日は天気が良く暑くなり
そうである。会場では、昨夜遅く到着していたランナーのために受付をしていた。
中間点の緑館へ行く荷物と、ゴールへ行く荷物を運搬する自衛隊車へ預ける。

 スタートは5時。もう朝日が上がっていた。スタート前に今回ゲストランナー
として参加している田尾さんと掛布さんが挨拶した。何故か朝露で不発だったの
かスタートの号砲が鳴らないうちに歩きだした。スタートラインのアンテナマッ
トを越えたときの時計をスタートさせた。

 今回は、HRモニターで120前後で走り、キロ7分以内と目標を決めていた。
早朝のすがすがしい気候である。2キロも走ると、もうそこは北海道の雄大な牧
場が広がっていた。まわりの景色を見ながらゆっくりゆっくり走る。回りも皆そ
んな感じで走っていた。今日は長い長い1日になるだろう。HRモニターもゆっ
たりで115は越えない。

10km 1:07:24(113)
 竜宮台を折り返して来るランナーにぞくぞくと行き合う。トップは12番の小
島さんが一人だけ抜け出ていた、続いて優勝した三上さんが続いていた。その後
は集団。この中に柏原さんや近藤さん、マックさんらの顔が見えた。

20km 1:07:01(115) 2:14:26
 目標通りのタイムで快調である。折り返しで、位置を確認すると最後尾に殆ど
近い。このスピードを維持すればと思いながら進む。何故かトイレが近く、10
キロ毎に途中下車していた。

30km 1:07:06(124) 3:21:33
 25キロ地点ではもう1/4走ったのかと言う感じだった。33キロでも、も
う1/3走った。あと2/3でゴール。と思いながら走った。
 日差しが強くなり、温度が上がっている。給水所に立ち寄り、水の補給とバナ
ナを食べる。この給水所で歩いていた田尾さんに追いつく。サイドカーにカメラ
マンが乗っていて撮影していた。田尾さんとは50キロまで抜いたり抜かれたり
していた。サングラスをして音楽を聞きながら走っていた。
 ペースはキロ6分半を維持しているが、HRモニターは何故かだんだんと早く
なる。どうも気温と同じように上昇しているようだ。気温が上がればそれだけ体
力を消耗するため心拍数も高くなるのか。

40km 1:11:54(130) 4:33:27
 30キロを越えた辺りから、足が重くなり、今までのペースが維持するのが苦
しくなってきた。ますます日差しが強くなり、帽子を被っていても暑さがこたえ
て来た。給水所では必ず、水とバナナ、パン、飴などを補給した。

50km 1:19:13(133) 5:52:41
 フルマラソンのラインを越えたのは4時間56分。これからがウルトラランナ
ーだ。ここには記念碑が建っていたがチラッと眺めただけで通り過ぎる。
 民宿の親父さんが、大漁旗を持って応援していた。この親父さんは、場所を移
動し数カ所で応援している。サロマランナーには有名な人。
 ここで、大塚さんと遭遇する。仲間3名で走っていた。なかなか快調で、付い
て行くのがやっとである。50kmは関門時間の37分前に通過した。

60km 1:29:03(133) 7:21:44 休憩15分含む
 緑館に到着すると、高校生ボランティアが到着と同時に着替え袋を手渡してく
れた。良く訓練されていて有り難い。テントに入り靴下だけ替える。靴は特に問
題がないのでそのままとする。ウェアも替えてもまた汗で濡れるのでそのままと
する。足の疲労を感じ重いのでエアサロンパスを借りて吹き付ける。これ以降は
行ける所までにしよう、殆どこの時点でゴールまではたどり着けないだろうと感
じていた。大塚さんも汗びっしょりで辛そうだった。緑館で長く休んだのと、ペ
ースが落ちたので、60kmの通過は関門時間の13分前になる。

70km 1:14:59(132) 8:36:43
 この区間が長く感じた10キロであった。2.5キロ毎にしっかり給水をとる。
67キロの民宿の前まではどうしても頑張ろうと走り続けた。応援を受けて70
キロまでもう少しだ。もうこの時は70キロでリタイアだと覚悟を決めていた。
70キロは何とか歩かず関門時間をクリアしよと最後の頑張りだ。関門時間を8
分残してクリアした。
 80キロの関門時間まで1時間23分あるが、もう歩くのを混ぜると到底関門
クリアは不可能だ。70kmからは東急リゾートまで4キロをずーっと歩いた。
ここも長い距離だった。46分かかり東急リゾートホテルの給水所に到着。お汁
粉を3杯も頂いてサロマは終わった。大塚さんは頑張って80キロへ向かって進
んでいったが関門クリアできたであろうか。その後会えなかったので分からない。


 予想通りと言うか、ワッカには入ることが出来なかった。ウルトラは簡単には
ゴール出来ない。トレーニングが忠実に反映する。フルまでは何とか完走できて
も、ごまかしがきかないのがウルトラだとつくづく感じた。サロマへ向けてのト
レーニングは、30キロ前後を3回しかやっていなかった。体重も目標まで落ち
なかった。出かける前から走り込み不足を感じていた。もう歳なので今後完走で
きるかどうか分からない。私より上の人が何人も挑戦し完走しているので再度ト
ライしようかとも思っている。会場を16時のバスで宿に帰り、疲れたので完走
パーティは欠席。夕食は毛ガニが1枚づつ付いていた。

【3日目、6月23日(月)】
 民宿に空港行きのバスが迎えにくるのが11時15分。時間があるので民宿の
親父さんが、近くのサロマ湖全体を見通せる展望台に車で乗せて行ってもらう。
広い広いサロマ湖であった。この周囲を走ったとはとても思えないほど広い。

 空港で阿部倉さんがいたので訪ねると11時間完走したとのこと。夜久さんか
らも声をかけられた。

 機内入場の予定時間になっても案内放送がない。そのうちに機内準備中なので
機内への案内は10分遅れとの放送があった。また時間を過ぎても放送がない。
どうしたのかと思っていると、故障で飛べないとの事で、羽田へ代わりの飛行機
を手配したので、離陸は何と4時間遅れとの事。食事券を差し上げます。もらっ
たのは1000円の食券。食事後なので質問するとおみやげも買えるとの事。ホ
ワイトチョコを買う。4時間遅れの羽田に降りると今度は航空料金の1部を払い
戻します。との事で、タラップ下で係員が全員の乗客に封筒を渡していた。中を
見ると3000円が入っていた。これには皆苦笑していた。こんな経験は初めて
のこと。