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ヨーロッパの事件簿へ

時期・場所 フランス南部
被害者 投稿者本人
手口  もうずいぶん前の話になるが、当時学生だった私が
ヨーロッパ各地をバックパックで一人旅している最中、
フランスとスペインの国境で乗り換えの電車を待っていたときのこと。
 
一人のイギリス人が話し掛けてきて、辞退する私に無理やりという感じで
自動販売機のコーヒーをおごってくれた。
そうこうする内、自分はアメリカに住んでいるWHOの通訳をしている
(7ヶ国語がしゃべれる)者だが(と、グリーンカードとWHOのID、
を見せ<Lesley Shermanという名前だった、身長185cm、現在は56〜7歳のはず>)、
休暇旅行をしていてマヨルカ島滞在中に置き引きに合い、スーツケース他、
貴重品も殆どとられてしまって、身に付けていた小さなナップサック一つと
小銭を少々だけが難を逃れた、という。

そんな状況なのに、最後の有り金で見知らぬ私にコーヒーをおごってくれた
彼を人の良い心の広い人なんだと安心し、
ニースまで行ったらアメックスのカードを再発行してもらえるのだが
そこまでの旅費が無いというので、立て替えてあげて旅の同行をすることになった。
 
彼の話は面白く、乗りやすい私はすぐに意気投合し、
そのうち、『後でカードが手に入ったら全て支払うから立て替えておいてくれ、
ニースに行かなくてもアメックスなら大きな町ならどこでも再発行してくれるから』、
と言ってそのまま私と旅をすることになった。
それまでバックパックで貧乏旅行をしていた私は、
彼があとで全額支払うという言葉を信用し、
彼と二人で豪華なホテルやレストランを泊まり歩き、最高のレンタカーを
借りてイタリアを縦断し、ハネムーン状態のまま、
とうとう日本まで一緒にくるということになってしまった。
 
もちろん旅行中の彼の分は全て私のクレジットカードから出し、
旅行中に足りないお金は全てクレジットで借り出して、
そのまま日本へ戻ってきた。

旅行中、いろいろな国で行ったアメックス支店では、
なぜかどこも再発行を断られていたが不思議とも思わず
(当時私の英語力は日常会話程度で高度な専門用語はわからなかった)、
日本に着いてからもずっと返済してくれないまま、
私の金で生活(同棲)し、ビザの関係で正式に働けないからと
パチンコに通ってはのらくらした生活をしていた。
 
日本に来てから3ヶ月たったころ、アメリカの裁判所から連絡があり、
本人が出向かないと現在離婚訴訟中の4人目の妻
(他にアイスランドやイタリアなどあちこちに子種をばら撒いていた=
それぞれの妻と子供の写真を見せてくれた)と離婚ができず、
おまえと結婚できないといい、ついでにアメックスの件もあちらでちゃんと
してすぐに送金するからアメリカへ行くと言い出した。
別れる妻と子供のために日本の土産物を買い込み、
アメリカへの航空券、着いてからの小遣いまで私のクレジットで立替え払ってやった。
 
最後に空港へ見送りに行った際に、彼がGood-byと言ったので
『もうこいつは帰ってこないな』と直感したけど、
『Good-byじゃなくてSee you soonでしょ?』と
内心ほっとしながら言ったのが最後の別れとなった。
『アメリカに着いたがアメックスの件は解決せず』、という絵葉書を最後に
彼はそのまま行方不明になってしまった。

結局、彼と知り合ってから使った金(彼の分だけで)が
当時の金で130万円!!(1ドル250円の時代だった)。

親に借金してクレジットを返済し、学校を卒業してから
仕事を2つ掛け持ちで働いてその借金を返していった。

同様の手口・
注意する点
今後、せめて私のような被害者が少しでも減るようにと
恥をしのんで過去の『若気の至り』を発表する気になった。
あとで考えると、金が無いのにコーヒーをおごってくれたりする手口からも、
かなりそういうことに慣れた知能犯で、
そうやって次々と女を騙して食いつないでいっていたのだろうと思う。 
が、あの当時はネットもまだ無く、アメリカに知り合いもおらず、
どこに被害を届けてよいのかもわからないまま、
そのまま泣き寝入りしてしまった。

自分の軽々しい心が生んだことだからと黙って
被害を隠している女性も多いに違いない。
 もしかしたら、まだLesは(Lesleyの通称)
日本人女性を騙しやすいカモだと知って、
『自分はしばらく日本で生活していた』とか何とか言って、
ちょっと英語のできる独身女性を次々と狙っているのではないだろうか・・・? 

中途半端な語学力で国際結婚を夢見るなかれ、
独身の外人かぶれの人々よ!!

<やさしい男に騙されやすい馬鹿な女より>