「おもいでばこ」雑感
デジタル・フォトアルバム「おもいでばこ」。この機器が如何に優れてゐるかについては、インターネット上でも数々の素敵な記事が見つかる筈なので、私が今更下手な文章を綴ることもないだらう。なので、私は雑感を書き散らしたいと思ふ。(もしも「おもいでばこ」をご存じなければ、このページ内(表題を除く)の「おもいでばこ」の6文字から渡れるリンク先で確認をお願ひしたい。)
デジタル・フォトダイアリーからデジタル・フォトアルバムへ
「おもいでばこ」が初めて世に出たのは2011年11月8日。私は何を切欠に知つたのか忘れてゐたが、最近になつて思ひ出した。仕事帰りに立ち寄つた家電量販店の店頭で目にしたのだ。雑誌でもインターネットでもなく店先の実物で初めて知つたことになる。目にした日が何月何日かまでは残念ながら記録が無いが、「おもいでばこ」に入つてゐる写真の中に、かはいらしいリモートコントローラーが写り込んだものがあり、撮影日は2012年1月21日だつた。手にした日は2012年2月3日だつた。(2019年1月、部屋の整理をしてゐたら購入時の領収レシートが発見され判明した。1月21日に写り込んだリモートコントローラーは全体像ではなく別物だつた)
そんな初期に使ひ始めた「おもいでばこ」の化粧箱を再び目にする機会があつて気付いたのだが、「デジタル・フォト」に続くカタカナは「アルバム」ではなく「ダイアリー」だつた。約1年後の2012年11月15日に2代目が出たときは、もうデジタル・フォトアルバムだつたが、ダイアリーがアルバムに切り替はつたタイミングは知る由もない。
アルバムはダイアリーよりも使ひ道が広く感じられるので変更は妥当だつたと思ふが、先日の感謝祭(於、二子玉川)でプレゼンテーションに臨んだ女の子が、数々の発言の一つとして《「おもいでばこ」は日記》といふ主旨があり、私はとても懐かしい気分になつたものだ。たしかに、基本のカレンダー表示からの閲覧は、書いた日記をめくる感覚に近い。
使用歴など
初代と2代目の話が出たので、こゝで変遷を少々メモしてみる。
2011/11/08 初代 PD-100
…2012/02/03に使用開始
2012/11/15 2代目 PD-100S
2013/11/27 3代目 PD-100S/W(リモコン2代目)
2014/02頃 初代・2代目を3代目相当にアップグレードできる有料キット
…導入し、初代本体と2代目リモコンの組合せで使用開始
2015/03/13 4代目 PD-1000
…初代が容量満杯に達したのを機に2016/11/06に買ひ換へ
2016/11/13
…初代(アップグレード版)を譲渡(後述)
2017/03/08 5代目 PD-1000S
2017/04/20 4代目を5代目相当のソフトウェアにする無料アップデート
… 即日適用
2022/06〜07 6代目 PD-2000(リモコン3代目)
…4K出力対応(静止画はアップコンバート)になつたので期待をもつて2022/07/10に買ひ換へ(発注)(07/12使用開始)
各世代の末尾は型番だが容量違ひの-Lは省略してゐる。また、このほかにサイネージセットや高信頼性のHDDを使用したバリエーションなどもある。
これを書いてゐて、PDのDはDiaryの名残りかもしれないと思つた。(PはもちろんPhotoだらう)
★「おもいでばこ」の変遷についての詳細は、『「おもいでばこ」開発の歩み』(2018年4月19日に公開された模様)を参照されたい。
記念すべき初代を譲渡した話
2016年10月20日、「おもいでばこアンバサダープログラム(仮)」に登録申請した。アンバサダーは辞書によれば大使。《製品、サービスを育て、より多くの方に魅力を伝えること》を目指すために募集されてゐて、いくつか例示された「こんな方をお待ちしています」の中に《「おもいでばこ」の良さを、もっと多くの人に知らせていきたい方》といふのがあつたこともあり、以前から盛んに薦めてゐたものゝ(決して安価ではないためか)なかなか買つてくれない親戚に譲渡することにした。なほ、「おもいでばこアンバサダープログラム(仮)」は発足後2年を経て「おもいでばこアンバサダーズ」になつてゐるが、このページの過去の出来事の部分は当時のまゝ「おもいでばこアンバサダープログラム(仮)」と記す。
テレビで地図が見られなくなるのは残念だつたが、容量的にも新しい写真は入らないし、中古品試用を経て新品の「おもいでばこ」購買に繋がれば…との、私としては、さゝやかながら販促の一環のつもりだつた。
このとき、初代の化粧箱と再会し、アルバムになる前はダイアリーだつたことに気付いたのだ。
機能に纏はる懐古趣味?
「おもいでばこアンバサダープログラム(仮)」募集で例示された「こんな方をお待ちしています」の中には《これからの「おもいでばこ」をいっしょに育てたい方》といふのもあつた。私はこれは《改善提案に耳を傾けます》の意思表示だと受け止めた。
《こんな「おもいでばこ」に進化してくれたら、もつとワクワクする》と夢を見てゐる機能・性能の進化は、4K・HDR出力の実現(動画がデメリット過多なら、せめて静止画だけでも※)とか、テーマのカスタマイズ(背景・ボタン・フォントの選択性拡大)とか、動画再生時の操作性向上(本体でのファイル終端までの完全再生復活を含む)とか、モバイルOS用・パソコンOS用アプリケーションでの「しぼりこみ」表示を本体並みにするとかゞ一例としてあるが、これらはすでに開発者さんもご承知のことばかりだらう。〔※2022/7/13追記:2022年7月発売のモデルから4K・HDR出力ができるやうになつた。たゞし、直接再生は動画だけで、写真を含む静止画は「描画速度や互換性、工数などを考慮して今回は」アップコンバートとのこと。将来的にはさうした制約が克服されることを望む〕
そこで、ちよつと後ろを向いて、かつてあつた機能を振り返つて懐かしんでみたい。製品の進化とは逆方向の話をするのはネガティブな印象をもたれるかもしれないが、「おもいでばこ」は皆で思ひ出を振り返るために活躍するのだから、私は、かうした話もポジティブだと思つてゐる。
まづは地図表示の件。先にも少し触れたが、地図表示は4代目からテレビ出力は非対応になり、モバイルOS用・MacOS用アプリケーションでしか見られなくなつた。MacOS用はテレビ時代と同等だがモバイルOS用では広大かつ拡縮可能な詳細な地図が見られる。これはこれで便利ではある。だが、皆で思ひ出を振り返る場面で、大画面テレビで写真を見ながら、すぐ脇の地図を見ることができなくなつたのは寂しいと思ふ。
4代目以降では、写真と同時に地図を見るためにはMacOS搭載パソコンを起動しなければならず、パソコン・レスで…を謳つてゐたことを思ふと《やつぱりパソコンが必要?》となつてしまふし、より詳しい地図が見られるとはいへモバイル端末では皆で同時に楽しむのには不便だろう。テレビでの地図表示は、「おもいでばこ」のFAQにもあるので利用者は少なくないと思ふし、何か致し方ない事情により機能を継続搭載できなくなつてしまつたのだらうと思ふが、皆一緒にテレビで撮影時の地図を見て思ひ出を振り返つてゐたことを懐かしむたびに、いつか復活してほしいと心から望んでゐる機能なのだ。
2つ目は「テーマ」の話。「テーマ」はテレビ表示の操作画面のデザインで、何種類か用意されたものゝ中から選べるのだが、新デザインを選べるやうになるバージョンアップ時に、過去のテーマの一部が選べなくなることがあつた。初代デフォルトの《観葉植物をあしらつたテーマ》は、我が家ではアップグレードキット適用により選べなくなつたので、たぶん3代目からお役御免になつたのだろうが、少し寂しい気がするのだ。「おもいでばこ」を7年近くも使つてゐると、最初に使ひ始めた頃のことは子どもでも懐かしいと思ふやうで、「おもいでばこ」内に残してある《初代のガイド用動画》で今は選べないデザインが映ると《懐かしい》と言つたりするのだ。
テラバイト単位のハードディスク容量に対して「テーマ」セットが占める容量は大したことはないとしか思へないので、新機種用に細部を調整する手間がかゝるやうなのだが、折角「思ひ出を振り返る」のが本命ともいへるのだから、テーマは新デザイン追加のほかに、懐古デザインの復活と現デザインの搭載継続を希望したい。そして、ゆくゆくはもつと自由にカスタマイズできればとも思ふ。〔2017/4/30追記:2017/4/20のアップデートでは基本的なデザイン変更はされず既存デザインの細部のブラッシュアップにとゞまつた〕
それから、画面表示に関しては、写真(画像)の表示サイズについて仕様変更があれば嬉しいことがあと一つある。今の仕様では1枚表示時は画面いつぱいが基本になつてゐるので《無駄な余白を作らずに大画面を活かしきる》には最適だが、一方で情報表示と重なつてしまふといふ問題があるのだ。情報表示といふのは左側に並ぶサムネイルや右側上の撮影日など選択された写真自体ではない部分のすべてを指すが、特に下に表示されるコメントは比較的大きな表示域が必要であり場合によっては写真を見るのに支障になる。ところが、支障ならば非表示にすれば良いといふものでもないのだ。写真の隅々までを見つゝ気の利いたコメントを読む楽しみ方も大いにあるはずで、その点では以前の《デバイスの画面サイズよりは小さくなつてもコメントと同時に写真全体を見られる》表示サイズも有用だつた。さういふ訳で、ちよつとしたスイッチ(ボタンでもメニューでも良い)で情報表示と写真全体の表示が重ならないやうな表示サイズにできる設定を選べるやうになれば嬉しいと思ふ。
最後に自動顔認証によるアルバム整理機能の話。かつて開発中だつたこの機能は、ある理由により開発されなくなつたといふ。その理由は「おもいでばこ」ならではのもので、私も素直に受け入れることができた。他社製品に搭載されてゐることもあり、多機能化が普及の一助になればとの思ひで、アンバサダー登録の際のアンケートに実現希望の機能の例として書いてしまつたが、今は私も《顔認証は要らない》派になつた。私が以前使つてゐた某カメラメーカー製のパソコン用ソフトウェアにも自動顔認証があつたが、撮影技術が不完全な写真だと当然ながら認識率は低下するし、似たやうな人なら良く写つた写真でも誤認識されることも屡々だつた。だから、例へば《ピンボケでも味はい深い》写真が外されてしまふのは必至であり、さうした写真が自動整理されないことは利用者に不利になるといふのだ。全くそのとほりだと思ふ。
5385
「おもいでばこ」のゴミ箱を空にするときは、「おもいでばこ」から都度指定される4桁の暗証番号(いはゆるワンタイム・パスコード)を入力するのだが、記憶が確かなら、初代の時代はワンタイム・パスコードではなく、いつも「5385」だつた。これもまた、古き佳き時代の懐かしい思ひ出のひとつだつたりする。
ちなみに、最新の「ゴミ箱」機能は使ひ勝手が大きく進化してゐる。
以上、「おもいでばこ」の思ひ出にふれつゝ今後の希望などを書いてみた。ほんの少しでも共感していたゞけたなら嬉しいと思ふ。
なほ、おもいでばこアンバサダーズについては下のバナーのリンク先を参照願ひたい。
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このページは、おもいでばこアンバサダーズ長谷部 宏行(HASEBE, Hiroyuki)からの発信です
2017年4月2日初版/2017年4月5日微修正/
2017年4月9日(加筆・修正)第2版/
2017年4月30日(一部追記)第3版/2017年7月9日細部の修正/
2018年7月1日(追記)第4版/2018年9月21日(細部の修正・追記)/
2019年1月19日(出会ひの日を修正・アンバサダープログラム→アンバサダーズを反映)第5版/2019年1月20日(細部の修正)/2021年3月19日(細部の修正)/
2022年7月13日(6代目と4K出力について追記)第6版/2023年12月5日(細部の追記)