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まずうま まずうまラーメン ラーメン記

星野哲郎の気持ちになれるラーメン屋

銀河鉄道999に登場する主人公=星野哲郎はラーメンが好き、である。
あのアニメを見ると、
出てくるラーメン屋は決まってしょぼくれた店舗だ。
壁は煤けて黒くなり 店には客はほとんどいない。。そんな店。

だがそんな店であっても
星野哲郎が食べるラーメンは実にうまそうに見えたものである。
「ラーメン屋は店の見た目ではなく、スープの味で勝負だ」
という絶対的信念。
換言するならば、
「店舗が古くても続いている店、そんな店の味は良いはず」だ。

さて、コロコロミントは東京都内、ある街道沿いの一軒に入った。
よくあるチェーン店だと、看板から判断できる。
「このチェーン店ならまずくはないだろう。」
コロコロミントは安心して店の戸を開けた。ガラガラ。

店内には客は誰もいなかった。
店員の「いらっしゃい」の声がさびしく聞こえるが
あまりに小さい声だったためか、
換気扇の爆音にすぐさま吸い込まれてしまった。

店内はカウンターのみ10席程度。
壁は染料を薄く塗り延ばしたかのように、煤けまくっていた。
カウンターの端に目をやると、古新聞古雑誌がいくつもに束ねられ
通路さえ占領している。

小生はその光景を目の当たりにした瞬間、呟きかけた。
「やっちまった、まずそうな店だ」

しかし、他に客のいない店内で、
最早 食わずして去ることは許されない。
それは戦わずして自ら敗北を宣言するに等しい。恥ずべきことである。
先立つ不安を抱えたまま、「ねぎラーメン」を注文する。

出てくるまでの間は店内を眺める。
おびただしい、いったい何年分のストックなのだろう?と思わせる
古新聞古雑誌。
店の片隅に鎮座する、洗濯用ホース。
なぜか壁に立てかけてある脚立。
見事なまでに壁の色にカモフラージュしている、すすけたエアコン。
破れた部分をガムテープで補修した椅子。
調度品の一つ一つが、店の清潔感を打ち消すには十分なアイテムだ。

数分後、 ねぎラーメンが出てくる。
小生はこれを見て驚かずにはいられなかった。
なぜなら、スープの脂部分がかなり多いのだ。
脂部分がどんぶり表面を完全に被い、
脂部分と醤油部分の比重の違いを見事なまでに表現している。
小粋な演出だ。
「外気とスープを遮断し、品質を保っているのか!!」
そこまで考えてるとは憎たらしいまでのスープである。
と思い直し、スープに口をつける。

口中ベトベトだ。
一口だけで、後の味は全て脂塗れである。
リップクリームはもう要らない。
椅子から腰が浮いてくるような、
早く退散したい気分を味わいながら
オイリーラーメンを一気に食した。

同時に早期に体外に脂が排泄されるよう、水をガン飲みする。
給水器の横には高く積み上げらた古雑誌とて、
この店からの一刻も早く脱出し、
新たな資源として活躍する日を待ち侘びているかのようであった。

清潔なラーメン屋

最近はそうでもないが うまいラーメン屋と聞いてイメージするものはなんだろう?
木造モルタル造りの建物に古ぼけた看板。油の染み込んだ壁。床はコンクリートの打ちっぱなし。
昔のうまいラーメン屋といえば 建物の姿・格好なんて気にせずに
味で勝負する店が多かったような気がする。
最近はどうだろうか。。

立川駅を出てすぐのところにトンコツラーメンを売りにした店がある。
駅から近いことも手伝って酔っ払いなどは吸い込まれるように店に入っていく姿をよく見かける。
この店、かなり見た目が汚い。でも味が良いのか、客の入りは上々である。

小生も酔っ払った時など何度吸い込まれたことか、。両手では数え切れない。
そしてある日 小生はまたもやその誘惑に駆られて 入店してしまった。
店内は厨房を囲むようにカウンターがあり、席数は20ほどだろうか。
しかしこの時は何だか様子が違ってた。見た目で分かるものではない。
なんだかクレゾール臭いのだ。
「この臭いは???」と小生考える。
「きっと隣の席にいる客の整髪料の臭いだろう」と勝手解釈。隣の客が消えるまでの辛抱と判断した。

客がいなくなった。 しかしまだ臭いがする。。なぜだ??
小生はあらゆる全知全能を結集して考えた。 蟻も逃さぬ洞察力を働かせ周囲を見渡す。
するとある張り紙に気が付いた。

「消毒をしたため 消毒液の臭いがします」

なるほど。そうだったのか。小生はハッとさせられた。
そして頭を金槌で叩かれたような衝撃を感じ図にはいられなかった。

そうである、。
小生はまず最初に 「クレゾール臭いぞ」と感じ取ったのだ。
それを 「まさかラーメン屋がトイレ臭を放つわけがない」という思い込みにより
隣の客を疑うことになった。そしてこれが初動捜査に遅らせる結果を招き、
注文したラーメンをすぐさまキャンセルして店を退出する時間を自ら奪ってしまったのだ。
全く自業自得な話である。

それにしても消毒して清潔になったはずなのに、逆に不潔感を感じずにはいられなかった。
帰宅して気付いたがスーツがトイレ臭くなっていた。

繋がりのないラーメン屋

繋がりの見えないラーメン屋 の巻

モノには大抵 原因と結果が存在すると思う。「○○なので△△」という具合に。
ケース@:夏である。歩くと汗をかく。洗面所に入り手を洗う。ベタベタしている手を何とかしたい。
。。 そこには石鹸がある。ベタベタ感が消えてサッパリ。
ここでは「汗をかいたので(原因)」「手がベタベタする(結果)」の要素と
「石鹸で手を洗うので(原因)」「さっぱりする(結果)」の要素が存在する。

ケースA:腹が減った。コロコロミントは歩いてラーメン屋へレッツゴーした。
ここでは「腹が減った」という原因があり「ラーメン屋へ向け歩く」という行動を通し
「ラーメンを食べる」という顛末にたどり着く。

立川駅を少し歩くとそこにラーメン屋がある。
コロコロは散策をしていると 目新しい看板に気付いた。さらに花輪がある。
どうやら新装開店のラーメン屋らしい。

店の入り口には食券の販売機がある。そして 大部分の商品が記念価格であった。ラーメンは300円程度だったと思う。
小生はラーメンのボタンを小気味よく押し、出てきた食券を持ち店内へと進む。
「いらっしゃいませ」
店内はカウンターのみ、席数はは10程度とこじんまりした店だ。
早速 食券をマスターに出す。

店内はさすがに新装開店だけあって 客足も上々の模様、ほぼ満席。
小生はすかさず 厨房を覗き込もうとするも カウンターが高すぎて見えない。満足度半減。
手際が見られないのは残念なことである。

厨房拝見はあきらめて 店内をキョロキョロ。他のメニューを見る。
チャーシューメン、塩ラーメン、味噌ラーメン。。。
単品料理もいくつかある。 ザーサイ、チャーシュー 、、。
そして 小生 音読に困るメニューを発見した。 なんと読むのだろう??
「 メンーマ 」
もちろん メンマ ではないし、メーンマ でもなく、まして メンマー でもない。
メンーマ。
最後まで読めなかった。

さて、「メーンマ」の発音に悩みつつ、他にも視線を遣る。
水の注がれたグラスの近くには どこのラーメン屋にもあるような調味料があった。
醤油、ラー油、酢。餃子喫食用 三種の仁義である。
小生 餃子はなかなかの好物である。 そこで餃子を追加注文しようとした。 値段は?
と思い、メニューに目を遣る。
目を遣る。
凝視する。
そこで小生ははたと気付いた。
「この店には餃子がない。」
あの三種の仁義は何に使うのだろうか?
そう思いながら出てきたラーメンをを平らげ、店を出る。
帰り際に食券販売機を見た。
されどそこには ラーメン系のメニューと 一品料理のボタンがあるだけであった。

座席を指定するラーメン屋

座席を指定するラーメン屋

JR水道橋駅から歩いた数分の場所にその店はある。
メインストリートから小道に入ると、いかにもとんこつラーメン屋らしい姿が臨める。
彼の店は 博多出身、博多では有名店(だと、その店には書いてある)の様子である。
小生 早速入ってみようと店内を覗き込む。
が、客は他に一人しかいない。
そんなことも気にせずに 入ると 「いらっしゃいませ!」
実に普通の掛け声だ。

入ると食券販売機がありとんこつラーメンがいろいろ。
具のトッピングはプラス100円でいろいろ選べるシステムのご様子。
小生 迷わず 「とんこつラーメン」のボタンを一押し。
販売機から食券が出るや否や(アズ スーン アズ)
「こちらへどうぞっ!」と店員から言われた。
「これだけ空いているのだから どこに座ってもいいじゃないかぃ。。」と思いつつも
既に 店員から指定された席には 水 (ア グラス オブ ワター)が置いてある。
逆らう気力もなく そこへ着席。

食券を店員に見せると 「麺は?」と聞いてくる。
麺は? ・・麺がどうしたのだ?
麺が入ってなければ ラーメンにならないじゃないか。
麺は、、、と悩んでいて思いつく。 「固めでおねがいします。」
ここで 普段なら 「麺は入れてください」とか
「麺類はとても好きです、うどんでもそばでもなんでも好きです」などと言ったかもしれないが
そんな元気もなく、普通に返した。

出てくるのを待つ。普段のまずうまならば ここで厨房を覗くのだが
今回は指定席が厨房に背を向ける形であり、見ることは出来ない(イン ビジブル)
さらにテレビを見る位置にも外れていて 見えない。

出てきた。
とんこつスープでも比較的サッパリ味、ゴマが大量に入っており実に良い香りだ。
食べる。固めの麺はうまい。小生 麺は固めの細麺が好きである。
そしてあっという間に食べ終わった。
小生 店を出た。 「ありがとうございました。」
そして 扉を閉めるまで 小生の後に客は来なかった。
ガラガラでも座席を指定する店、
実にこだわりの感じられる店であった。

めんくい亭の巻

水道橋 めんくい亭 の巻

JR水道橋駅、東口を降り白山通りを神保町方面に歩くこと約3分。
ウェンディーズバーガーの隣を右に曲がるとすぐ見える。 

水道橋はオフィスビルに加え、学生の集う街でもある。そこにあるラーメン屋である。
ボリューム、味、そしてコストパフォーマンスが感じられなければ
生き残ることはできない。 まさに激戦区だ。

そんな激戦区の中 白山通り下ル ウェンディーズバーガー右入ル には
ラーメン屋が2軒並んでいるのだ。
今回の店はそのうちの奥の店。
めんくい亭。
一目でラーメン屋を感じさせる ユニークなネーミングだ。
路地裏にあるだけに、ユニークなものがなければその場に残ることを許されない。
それはまさしく、まずい店を紹介し続けなければ
「越後のちりめん屋〜まずうまラーメン記」から撤退を勧告される
小生の環境に微妙に似ている。

店に入る。 中はカウンターが10席、テーブルが1席。
ベースは豚骨ラーメンのようである。
「いらっしゃい。」 まずまずの声出しだ。

一見客であるにもかかわらず、店を知り尽くしてる風の素振りを見せたい小生は
メニューも見ずに言った。
「ラーメンお願いします。」  ・・ 「ハイヨ!」

そう言った後に初めてメニュー表を物色。
なに、「麺は太麺と中麺の2種類から選べます。」とは。
小生の注文時には そんな質問は店員から遂にぞ聞かれなかった。
どんなラーメンが来るのか、不安でもあり楽しみでもある状態が数分。

出てきた。
見た目はまさしく豚骨ラーメンだ。 具もメンマ キクラゲ、チャーシュー、
海苔、ゴマ・・・。 豚骨ラーメンらしい具が載っている。
早速 スープを。
・・・
出汁が出てない。

麺はどうだろう。
・・・
茹で中に ほぐしてないから 麺があちこちで接着状態になっている。

実にユニークだ。

そしてキクラゲを と思いよーく目を凝らすと
それはキクラゲではなさそうだ。
なんだろう?
そんな一抹の疑問を感じつつもチャーシューに目を伸ばすと、
・・・
周囲が焦げまくっている。
そうか、さっきのキクラゲは チャーシューの焦げ破片だったのか。。
とすると 焼き豚ならぬ 焦げ豚である。

小生 空腹を満たすだけのラーメンをぺろりと平らげた。
「ごちそうさま」

代金を払って店を出た、
するとそこにはベンチがあった。
昼間は行列もできるのか???
やはりユニークであった。

梅田・びっくりラーメンの巻


大阪・梅田の繁華街、アーケード街を歩いていると 何やら まずうまラーメン通にはたまらない
興味深い看板が目に入る。
「びっくりラーメン 180円」。

小生、この看板を見た瞬間に連想したものは 東京・八王子にある「100円ラーメン」である。
コンビニのカップラーメンでさえ 150円程度はするだろうに、
この値段で商売をしている辺り、天下の台所としての心意気を感じる。

さて、店を伺う。アーケード街から20メートルほど引っ込んだ場所に建つ
雑居ビルの1階である。
店内は入口から見ると、ちょうどL字型になっており、その内装はいかにも
「かつては喫茶店だったのかな?」と思わせる調度品。
座席はカウンターのみで10数席であろうか。
3名の店員で切り盛りしている。

メニュー表を見る。「ラーメン180円」 真実の値段。(消費税別)

とりあえず、小生は この看板メニューを注文した。
「すみません、ラーメンお願いします。」
と、この店の大将らしき人物から 「あ ゛」という、無愛想な返事が来る。

小生に背中を向ける形でラーメンを茹でる店員の服装は
びっくりラーメン特製Tシャツだ。
「自家製ラーメン一番」というバックプリント文字の入った赤いTシャツである。

次に店内をぐるっと見渡し、他のメニューを見てみると、
ギョーザ定食、おにぎり定食、(これら350円 消費税別)
ごはん定食 (300円 消費税別)
ラーメン定食 (480円 消費税別) など。

珍しいメニューはと言うと、 「カレーラーメン」、「カレーラーメンごはん」「カレーラーメン定食」
の、カレー3部作が挙げられる。
小生、カレーうどんは好きだが、ラーメンにまでカレーに進出されたくないという思いがある。
さらに、「カレーラーメンごはん」にするくらいなら
「ラーメン&カレーライス」はなぜ メニューに登らないのか
実に悩ましい限りだ。
ちなみにそれらの値段は 順に 280円、400円、580円。(いずれも消費税別)

さて、注文したラーメンが出てきた。
スープの色は薄く、塩味としょうゆ味の中間ベースといったところか。
味そのものは180円と言っても、その辺のカップ麺よりもはるかに美味く
その味は「寿がきやラーメンからとんこつを抜いた味」とでも言うべきか。
日本酒を飲んだ後の口直しにはもってこいの味であるかなと思われる。

そのことを裏付けるかのように、メニュー表の最下部にこんな文句が書かれていた。

「深夜12時以降ご来店の方からは深夜料金として
お一人100円を別途頂戴いたします。」


メモ: 大阪・梅田駅から歩いて5〜10分のところ。
詳しい場所はよく分からないが、その辺のアーケード街を歩き
”薬ヒグチ”を右手に見ながら通り過ぎ、
韓国料理店が左手に見える辺りで右折、約20メートル。





寿がきや

寿がきやラーメンの巻

名古屋方面の方にはおなじみかと思う。「寿がきや」。
正式社名は「寿がきや食品株式会社」。愛知県小牧市に本拠地がある。
テレビでは「焼きうどんはっ すがきや〜」のCMでおなじみ。

今回は、この「寿がきや」のご紹介。え?なになに?「まずうまにふさわしくない!」ですかぃ?
そんなことはございませぬ。今日発見したんですよ。
「寿がきやのカップラーメン。」
セブンイレブンに売っていたので、懐かしさのあまりつい買ってしまった。

どうして懐かしいのか、寿がきやが全国的にどれだけ知名度があるのかよく知らないので
簡単に説明しておく。

寿がきやは大型スーパー「ユニー」や、「サティ」の中の食堂にテナントとして出店している。
小腹が減った時にピッタリな量のラーメンが主力商品。味はかつてはとんこつ風塩味しかなかったと思うが、
最近では味噌味などもあるだ。

味の他にある特徴といえば、「レンゲじゃなくて先割れスプーン」であろう。

そうは言ってもやはりあのラーメンと言えば 毎日食べるものではないが
期間をおいてたま〜に食すときのあの懐かしさ、にあるかと思う。

東京地方で寿がきやにお目にかかることのできる場所はほとんどないので
コロコロミントは故郷である飯田支店に帰還した時などは
懐かしさのあまり 寿がきやのためにユニーへ行ったこともあった。

そう言えば、今年は5月の連休に岡崎へ行ったのだが
たまたま入ったスーパー西友岡崎店 だったかに寿がきやがあり、
気がつくと小生は先割れスプーンを手にしていた。

さて、本日セブンイレブンにて購入した寿がきやカップラーメンだが
乾燥した具とお湯をカップに入れて4分待つことにする。

〜4分後〜
ふたを開けて2種類のスープを入れ、よく攪拌させる。1つ目はとんこつスープっぽい液体スープ。
それを入れると 寿がきやっぽい色へと変化する。
さらにもう1種類の「かくし味」と書かれた粉末スープを入れると
あの、ユニーで食った時の寿がきやの香りが 梅雨で湿気ったい部屋中に充満する。

食べてみると、店で食すがインスタントかと思われるほど 
コロコロミントの舌の記憶を納得させるあの寿がきやの味。

懐かしさのあまり、一息に食してしまった。
スープは捨てることとした。ユニーで食した時もそうであったのだが
あのラーメン食べると後でやたらと喉が乾くのである。
でも、懐かしさのあまりちょっと多めにスープを飲んだら
案の定
今 喉が渇いて仕方がない。

酔わせてくれるトンカツ屋

神田・酔わせてくれるトンカツ屋

JR神田駅南側改札を出て日銀通りを数十メートル歩いたところで左の路地に曲がる。
すると、赤い看板が誇らしげなトンカツ屋が目に入ってくる。「とんかつ大和」なる店である。

細い路地を入ったところにある店らしく、古びた建物である。
築数十年、味がこの店を支えているに違いない。

さっそく店に入ってみる。
「いらっしゃいませ」
店員が声をかけてくる。店員は大将とその指揮の下に働くおばちゃんたちが数人。
小生が初めてその店を訪れた時、店内はガラガラであった。
働くおばちゃんたちらしく、「さぁさぁ、こちらへどうぞ。」
という声とともに、お茶が出てきて程なくすると注文を取りに来てくれる。

おばちゃん「今日は何にしましょうか?」
     ・・・初めて行く店なのに「今日は・・」と聞いてくるとは、
なかなか気の効いた言い回し、
歴史あるトンカツ屋なのにそれを鼻にかけるような仕種が全く感じられない、
粋な言い回しである。

その時は普通にトンカツ定食のような物を頼んだと思う。
ちなみに、カツの専門店であるらしく、バリエーションはなかなかのもの。
チーズやハムを挟んだものなど
若者にも愛される店を目指していることが、端々から窺い知ることができる。
カツは普通の店の物よりも大きく、値段も高いという印象はない。
ビールを飲みながらカツ定に食らいつき、満足感を得てその日はその店を出た。

さて、この店は店構えが木造2階建てになっている。
1階はテーブル席とカウンター席だけだが、靴を脱いで2階へ行くと畳の部屋である。
1階席が一杯になると、2階席に案内してくれる。・・・「お2階へどうぞ。」

ある日の夜、小生は再び「大和」に足を向けていた。
そして大和の扉を開けた。「いらっしゃいませ」、、その日は混雑していた。
「お2階へどうぞ」、、小生たちは初めて2階へと足を向けた。
襖で仕切られた部屋が幾つかあり、ひとつひとつの部屋もなかなか広い。
部屋に通されると、お絞りとお茶が運ばれてきた。
「とりあえずビールを2本ください!」
ビールが運ばれてくる間に、今日は何カツにしようかとメニュー表を見る。

しかし、我々は間もなくして体に変調を来していることに気付き始めていた。
その日は朝から体調が悪かった記憶はない、昼ご飯で当るような物も食べた記憶はない。
当然、ビールもまだ飲んではいない。
しかし、なんだか目が回ってくるのである。

この体調の急激な変化は小生だけかと思った。
せっかく皆で楽しい会食にするつもりで来ているのに
小生如きの体調一つでその雰囲気に水を差したくはない。
そう思って小生は目が回る気分の中、押し黙っていた。

しかし、他のメンバーからも小生と同じような症状が生じていることを耳にする。
「なんかさー、気持ち悪くない?」
一人が口を割ったところ、更に別のメンバーからも口々に同じ言葉が発せられた。
小生だけではなかったのだ。

でもなぜだろう?

車酔いした時などは、遠くを見ると酔いが治まると聞いたことがある。
確かに、近くで激しく動いている物を連続してみていると
目が回ってくるような感覚になることは小生のみならず、
読者の方々にも1度や2度は経験のあることであろう。

小生もその記憶を思い出し、部屋のなるべく遠くに目を向けてみた。
部屋の入り口から窓際に向けて視線を這わせる。
すると、あることに気付いた。

建物が傾いている

ほとんど同時にこの事実にメンバー全員が気付き、注目した。
「なんかさ、この建物 斜めだよなぁ」
確かに斜めであった。
近年、違法建築が社会問題になっており、
新興住宅地などではその被害に遭っているというニュースもよく耳にする。
そしてその被害に見舞われた方々の多くが、体調に異状を来しているということも聞く。
ということはこの建物も?・・・いや、築数十年、そうではない。

結局 なぜ傾いているのか、原因は分からないのであるがとりあえず傾き具合がすごい。
実証してみる。
ゴルフボール・ビー玉の類がないので、
飲み干したビール瓶を畳の上に置くと、コロコロコロコロ・・・ドン。
向こう側の壁まで行ってしまう。

なるほど、傾いた家に住むということはこんなにも体に悪いのか。
ということがよく分かる。

さて、その日のトンカツの味は、いつもと変わらぬ物。
ただ、定食に付いてきた漬物には旨味調味料と思しきものが
たっぷりとかけられていて、キラキラ光っていた。
傾いたトンカツ屋の中でまるでスターダストのようにきらめく化学調味料。
とても幻想的であった。

最後に、お膳を運んできてくれたおばちゃんは
両手にお盆を持っていたので
思いっきり足で襖の開閉行動をとっていたことを
ここに報告しておく。

月曜の朝は開かないうどん屋

月曜は絶対に開かないうどん屋

コロコロミントの日としまして、
まず、コロコロミントにHTMLのきっかけを作って下さった
はち氏にこの場を借りてお礼を述べたい。

さて、今回登場するお店はやっぱり、コロコロミントの拠点=立川からのリポートである。


月曜は開かないうどん屋

JR立川駅南口を出ると、まだ完成途中のペデストリアンデッキがあり、
そこの階段を降りてすぐにそのうどん屋はある。
名前は「三坪」。その名の通り、店は狭い。3坪程度か。

店の入り口には店の名前「三坪」の字が、そしてその下には営業時間と思われる
「6時〜8時」の文字が誇らしげに書かれている。

この店以上の点から見た目は普通の立ち食いそば&うどん屋と判断できた。
判断できたものの、ここ何ヶ月かの間にふと、気になっている事がある。
その店、月曜の朝は絶対に開いていないのである。
先にも触れたように、営業時間は朝の6時から夜の8時。
小生が自宅を出て駅に向かい、その辺りにつくのが概ね6時30分頃。
寒い朝でも、暑い夏の朝でも6時に店は開く。
しかし、絶対に開いていない日がある。
月曜日の朝だけは絶対に開いていないのである。

なぜだろう?
小生は気になった。「もしかしたら、毎週月曜日が定休日なのではないだろうか?」
そう思って追跡調査を試みた。
ある月曜日、仕事が早く終わったので閉店時間に間に合うように、三坪へ行ってみる。
営業していた。
月曜日が定休という訳ではない。

それからしばらく毎週月曜日の朝は営業していない事を確認している。
そして、3月10日、ついにコロコロミントは入店を決行した。
朝6時15分。いつもより自宅を出る時間を若干早めての行動である。

入ると店のご主人一人だけ。テレビがある。「やじうまワイド」。
客は他にはいなくて、ご主人はスポーツ新聞を読んでいた。
「山菜うどんください」と小生は注文した。
おやじは「ふ。」としか言わない。実に無愛想だ。

すぐに山菜うどんは出てきた。食す。どこにでもある味だ。
麺はやや やわらかめか。
一目散に食べていると、コップ1杯の水を出してくれた。
とりあえず、うどんを食べきって水を飲む。
初めて東京暮らしをし始めた時に飲んだ水のような味。
「ん、なんてまずい水だ!」

食べきって「ごちそうさま。」と一応、元気よく言って
500円玉を出す。
ご主人、やっぱり「ふ。」としか言わずに釣り銭を渡してくれた。

結局、なぜに月曜の朝は開かないのか、聞けず終いであった。
が、今後も引き続き、注意深く調査し続ける所存である。

まずうまとは?

まずうまラーメンとは?

昨夜、何気なくテレビをつけていると、
「タケシムケン」なる番組の中で、まずラーメン王決定戦
なるコーナーをやっていた。

番組をご覧になったことのない方に、少し説明しますと、
日本には無数のラーメン屋さんがあるが、
中には二度と行きたくない店も相当あるはず。
そんな、行列の出来ない店を2店登場させて、
その作ったラーメンの不味さを競わせるというコーナー。
不味い方が勝利、という方程式。

どちらが先に始めたのかよく分からないが
小生、「まずうまラーメン記」とコンセプトが似ていると思って観た。

昨日は、新潟にあるラーメン屋と、
春日井にあるラーメン屋が出ていた。
新潟のラーメン屋は、典型的まずラーメン屋という感じで
オヤジは飲酒しながらの調理。

もうひとつの春日井のラーメン屋は、「ラーメン屋と呼ぶに相応しからぬ」店だった。
番組内で紹介されていたラーメンは
「ありゃ、らーめんじゃなひ!」と言いたくなるシロモノ。
麺の上に乗っている具がすごい。
ういろう、プリン、バナナ、、どら焼き、コーヒーで和えた納豆・・・
あんなの、食えないよ。

小生 思った。
小生の追求するまずうまラーメンとは、あくまで見た目はラーメンであって欲しい。
思えば、ここまでで紹介した店は、見た目は普通のラーメン屋である。
例えば「ラーメン道場」にしても、味は駄目だが、ラーメンと認識できた。

ところが、昨夜観た 春日井のラーメン屋は、ありゃ、ラーメンではない。
麺の上に何でも載せて、奇を衒っているとしか思えない。

番組ではどちらかを勝者に決めるのであるが
見た目は普通の新潟のラーメン屋の勝利で終わった。
この番組を通して、
「少なくとも、ラーメンと呼ぶに相応しい まずラーメンをこれからも発掘したい」
と感じるコロコロミントであった。

〜番組紹介〜
日曜日午後7時からテレビ朝日系。
いつもそのコーナーがあるかどうかはよく知らず。

新宿 居酒屋かあさん

今回は、今までのラーメン記からちょっとズレまして、
居酒屋を紹介させて下さい。

新宿 居酒屋かあさん 編

新宿駅東口改札を出、アルタの横道を真っ直ぐ進む。
靖国通りを渡るとすぐ、石塚ビルの中にその店はある。
居酒屋 かあさん。

開店時間は午後5時のようだ。
小生が初めてその店を訪れたのは、1997年頃。
秩父宮ラグビー場で母校のラグビーの試合を観戦した後、
新宿を友人とぶらついていた時、何となく入ってしまった。

入店時間は4時半頃だったと思う。
開店定時が5時だから、普通の店では「まだ準備できてないんすよ〜」
と言われてしまうような時間である。
でも、そこは居酒屋かあさん。追い返すようなことはしない。
「いらっしゃい。」・・・「いらっしゃいませ」 ではない。

店内には、立て看板の類が入り口付近に置かれていた。
恐らく、開店後に店の外へ置くものなのだろう。

客の誰もいない店に、我々4人は座った。
客席の配置は厨房をぐるっと一周する形のカウンターと
4人掛けのテーブル席が10卓前後。
店内には地方の地酒の瓶があちこちに飾られている。
店員は「かあさん」の名に相応しい、40〜50代後半の女性がほとんど。
厨房の中にいる料理人かあさんが、この店のボスのようだ。
味付けはこのかあさんが行うのだろう。
しばらく見ていると、厨房に入ることの許されているかあさんと
許されていないかあさんがいることが判明。

かあさんがお通しとおしぼりを持ってきた。
「飲み物はいいかな?」・・・早く決めろと言わんばかりの圧力。
小生、石塚ビルの入り口でもらった、ビール1杯無料券を渡す。

ビールが出てきた。サワーに使うグラスだった。
サワーグラスって、焼酎入れる目安に星印が書いてあるやつ。
「カンパーイ」
と言ってゴクッと飲み干すか飲み干さないかの内に 我々は気付いた。
ビールを運んできたかあさんがまだ居る!
手には伝票を持って 居る!
早く食い物の注文しろ と、言わんばかりの雰囲気で立って 居る!

初めての店なので、何がいいのか迷っているとかあさんが言った。
「だったら、いろいろ盛り付けてあるオードブルみたいなのにしてみたら。」
このアドバイスに最早逆える者なく、それを頼んだ。

出てきた。かあさんが得意としそうな 煮物の類がいろいろ盛り付けられている。
食べようとした時、サービス品のビールを飲み干していた。
そこはかあさん、見逃さない。
我々がオードブルへ箸をつける前に、「飲み物はどうするの?」・・・相変らずため口だ。
追加で生ビールを頼む。

食べる。味については他の者は「懐かしい味だ」と、喜んでいたが
小生はあんまり感動もしなかった。
味付けには何とも思わなかったが、その卓に置かれている調味料が、いい。
食卓塩、ソース、醤油 これらは全て、スーパーで買ってきた状態そのまま。
それに加えて、高度成長を影から支えたかあさんに相応しいアイテムが。
味の素

飲み屋で味の素はなかなかお目にかかれないハズ。

つまみを食べつつ、ビールを飲んでいると程なくしてグラスが空になる。
すると、すかさずかあさんが来る。
「なんか飲むの?」・・・これまた高圧的な言い方

そろそろ日本酒にしようかと思い、日本酒メニューを見る。
地酒がいろいろ書いてある。とりあえず男山を頼んだ。
出てきて、またあっという間に飲み干した。

この頃から、客は結構 他にも入ってきて 店は賑わっていた。
飲み干しても、流石に直ぐにはかあさんの目が届かなくなってきている。
こちらからかあさんを呼んだ。
「すみませ〜ん」
若手のかあさんが来てくれた。早速 酒を頼む。
かあさんが一升瓶を持ってきて、一合升に注いでくれた
と、注ぎ終わって我々の席から去ろうとするや否や、ボスかあさんに呼ばれて、
店の片隅へ連行されていった。

どうやら、日本酒を注ぐ際に、まだ酒が残っている瓶から注がずに
新しい瓶から注いでしまったことを咎められているようだ。
かあさん同士のチェック体制は無茶苦茶 厳格。

我々、その光景をまじまじと見ながら 「あ〜あ〜、、、」

しばらくすると、怒られていたかあさんが現場復帰した。
でもそのかあさんの眼は、赤く腫れていた。
相当いびられたんだろうな。
我々がその若手かあさんに声をかけた。話しを聞くに、店に入って間もないとのこと。
新人教育は猛烈なのだ。こうして、商売熱心なかあさんが生れる。
この雰囲気が嫌だったら、辞めればいい。とでも言いそうな雰囲気。

入口にはついに、座席の空き待ちの客まで現れた。
そうなると、それまでフレンドリーを装っていたかあさんの態度は豹変、
空いた皿は勿論、皿の端にまだちょっと残っている物も片付けようとする。
酒のグラスがそろそろ空になるタイミングになると、容赦なく聞いてくる。
「何か頼まないの?」・・・さらに高圧的。

小生、高圧的なかあさんに、飲み物1回休みコールをした。するとそのかあさん、
「はっきり言って、席を待ってるお客さんが居るのよね、
だから、何か頼むか、頼まないんだったら(席を)譲って欲しいんだけど!」

何という、物の言い方だろうか。
客が酒をチビリチビリやりながら ツマミを楽しむ なんていう、客の気持ちは何にも分かっていない。
金の落し方の悪い客には帰ってもらう・・そんな営業スタイル。

思えば、入店する時は明るい声で「いらっしゃい」だったのに
会計をして店を後にする時の態度の悪さ!
早く帰ってねー、と言わんばかりのかあさんに圧倒されたコロコロミント一味であった。

〜楽しみ方〜
かあさん同士の人間関係観察。これに尽きる。
新人に厳しく、上には媚びる(ちょっと言い過ぎかな)な様子が良く分かる。
厳しい上下関係あり。歩道での客の呼び込み作業は、かあさんの中でも
嫌がられる仕事の一つのようだ。(寒いし、ゴミゴミしているし・・・。)
よって、その作業に入る時の引継ぎ風景は必見。大抵こんな会話。

かあさん1>じゃぁ、今度は私が(呼び込みに)行こうかしら。(は〜、寒いから行きたくないんだけど、
一応、やる気を見せておかないと、と。)

かあさん2>いいわよ、私、まだ(呼び込みを開始して)そんなに経ってないから・・
(も〜、早く代ってよ。でも、ここでは1歩退いておかないと。)

かあさん1>いいのよ、ちょっとは休んだ方がいいわよ、今日は冷え込んでいるし・・・
(本当はさっさと交替したいくせに!うまいこと言うわね、かあさん2は!)

かあさん3>そうよぉ、かあさん1、ちょっとは休んで!私も(呼び込みに)行くから。
(私も一応ジョインしておかないと、後で何言われるか分からないわ。)

かあさん2>私はまだ大丈夫だけど・・、そう?・・・。
じゃ、甘えさせてもらって(呼び込みを)代わってもらおうかしら。
(とりあえず、うまいこと押し付けられたわ。よかった、ふ〜)


本音と建前を見事に使い分けることの出来る人、
それが かあさんには求められるのだ!


立川・あじまる編

立川はコロコロミントのお膝元であることから
数々のラーメン屋を経験している。
そんな中、今回は成人式の名にふさわしい名店を紹介しよう。

立川・あじまる

JR立川駅南口を出て歩くこと3分、
JRA場外馬券売り場の近くにその店はある。
もともと、この界隈は馬券売り場があることから
そばや・ラーメン屋が多い。
そんな中で一際人気を集めるのが「あじまる」なる店である。

店は入り口から見ると縦に長い。席はカウンターのみ。
20席程度かと思う。
「いらっしゃい!」と威勢のいい掛け声が響く。
流石、場外馬券売り場界隈の雑然とした街には
これくらいの声でないと、縁起が悪くてしょうがない。

店員は3名。

どこの店、いや、店に限らず 社会では上下関係というものがある。
それは、目上の人を敬い、また、
自分よりもしたのものを可愛がるという関係である。
特にラーメン屋においては、大将がスープ作りをしているので
絶対的権力者である。
それ以外のものは、その店に入った順に偉い順が決まっている。

あじまるでも、もちろん、大将が偉い。
彼は麺をゆで、どんぶりにスープを入れる作業を担当。
カウンターでの接客はほとんどしない。

次に偉い者は、この店のナンバーU、見た目は
アニマルのおさるがバリバリのヤンキー目つきになった感じ、
首にはお約束のネックレス(金、ポケモン金とは大違い)。
彼は、店を入ってカウンターの一番奥から約3分の1のポジションで
接客をしたり、ラーメンに具を載せる作業を担当。

そして、もう一人(一番下っ端)がホンジャマカの石塚が強面になった感じの大男。
彼は、カウンター約3分の2のポジションでの接客、皿洗い、ゴミ片付け、などなど。

メニューは単純。
中華そば、チャーシュー麺、スペシャル中華の3種類のみ。
好みによってこの他 メンマ、ゆで玉子をトッピングすること可能。

店員が水を持ってくる、と同時に
客は店員にオーダーすることが要求される。
なぜなら、その場で頼まないと思いっきり嫌な顔をするのだ。

とりあえず、中華そばを頼む。
そして、頼んだ後はいつものように
厨房の手際を楽しむ。

しばらく見ていてあることに気付いた。
アニマルおさる似は、これ以外にもうひとつの仕事を抱えている。
それは、ホンジャマカ石塚似の教育・指導だ。

石塚は一生懸命仕事をしている。が、おさるは
石塚がダメだと思うことを容赦なく言ってくる。
大将が、ゆであがった麺をどんぶりに入れ、
おさるがトッピングをするのだが
トッピングを終了した完成品を石塚が直ぐに客へ運んでいかないと
「おいぃ〜、早く持ってけよぉ〜!」
と、厳しい言葉。食べながら聞いていても、背筋が伸びる。

ラーメンは茹で上がった瞬間が一番美味いはずで
せっかく素早く具を載せても、客へ運ぶのが遅ければ
せっかく作った、うまいはずのラーメンがまずくなる。
このあたりまで気を遣っているのか、
単に石塚がドンくさいのが気に入らないのか、定かではないが
手際の悪さには情け容赦ない。

もしも、皿洗いに集中してお勘定をする客を待たせでもしたら
「おいぃ、お客さんが待ってんだろぉ。早くやれよぉ!」
と、これまた厳しいお言葉。
だが、石塚もこうして日常的に怒られているもんだから
動きは非常に軽やか。
阿佐ヶ谷編の、酒飲んじゃう店とは大違い。

小生思った。石塚はこのように怒られていたが、非常に素直。
返事は「はい!」と、しっかり。
社会人にはこういう姿勢が必要だと思う。
それに、店員は小生が食していて、客のオーダーが入っていないときでも
体を休めずにせっせと仕事をしている。
「仕事を探している」という言葉が似合う。
グラスの水がなくなったらせっせと注いでくれるし、
見た目と違ってとても気が利いている。

まさに成人の名にふさわしい、しっかりした店であった。
たが、食べているものにとっては忙しなく、落ち着かない。
おまけに、椅子の高さがちょっと高すぎて
小生のような足の長い・・・じゃなかった、胴の長い人間にはちと、辛い。
でも、馬券売り場の近く=早食いが多い ならば、こんなの気にする問題ではないのだろうな。


〜メモ〜
中華そばは600円くらい。スープは結構うまい。(とんこつ風)
麺がややのびているのが残念だが、(小生、かためが好き)
楽しめると思う。オーダーの際に「かためで!」と言えば
やってくれるのかも知れないが
なにぶん、強面揃いの店だけに、小心者の小生は遂にぞ、その言葉を発せなかった。
競馬開催日には、食しているすぐ後ろに次の客が待っているので急かされる。
女性グループなんかでダラダラ食べていると怒られそう。

特集 2000年対応について

ご愛読者各位 様 1999年12月30日

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
皆様には日頃の御愛読、厚く御礼申し上げます。

さて、西暦2000年を間近に控えまして、
コロコロミントも漸く、2000年問題への対応を完了いたしました。
対応状況を大別致しますと、
食糧を始めとする物資の備蓄、PCを始めとする電化製品のインフラ対応につきまして、
12月30日午前5時までに対応を完了致しました。
今回の2000年問題につきましては、特別のプロジェクトを組み、
予算と致しまして1万円を計上し、対応にあたりました。

まず、物資の備蓄についてでありますが
ティッシュペーパーについては、街頭のティッシュ配り人から
精力的にポケティを集荷致しました。

また、火気につきましては、2週間前 サティの駐車場で
買い物客の落としものと見られるカセットコンロのガスボンベを
拾得致しましたので、万全の態勢となりました。
尚、コンロその物の着火試験につきましては、12月18日に
河口湖湖畔において執り行われた忘年会において異常なきことを確認しております。

食料関係の備蓄につきましては、ボルビックのみならず、
不測の事態に備え、キリンラガービール(500ml缶)1ケース、
鏡月グリーン1本、ワイン・ウィスキー数本を保有しております。
食物につきましても、イカ薫製や柿ピー等の乾き物を備蓄し
2000年問題発生時にも新年会が滞りなく行える体制を整えております。

PC等のインフラ関係につきましては
使わない電化製品はコンセントからプラグを抜き、
万が一の過電流による事故を最小限に食い止める対応をしました。
まずうまラーメン記の原稿につきましてもFDへ記録し、
不測の事態に備えております。

最後に、本日 勤務先を退社する際に
ペパーミントへの水やりをする予定でございます。

以上でございますが、当方の対応状況につきましてご不明な点がございましたら、掲示板またはEメール、若しくは年賀状でお問い合わせ下さい。

以上

コロコロミント

立川 ・ネギラーメン

ラーメン。
食っても飽きないラーメン。
でも、不味いとむかつくラーメン。

今回ご紹介するお店は、立川市内(ひょっとしたら昭島に入るかも)
のラーメン屋。

小生がこの店を訪れたのは、まだ学生だった頃。
平成5年か6年頃のことと記憶している。

その当時、小生はネギラーメンに凝っていた。
ネギラーメン。はっきり言って旨い。
旨いに加えて、もう一つのポイントは
ラーメンショップ(チェーン店)で見た
「ネギにはビタミンが豊富!!」という文句であった。
これを見たら、ネギラーメン以外には考えられなかった。

さて、その店は、夫婦で切盛りしている小さなラーメン屋であった。
結構 年配の夫婦であった。
旦那は仕事に厳しい、正に職人気質の人
対して奥さんの方は旦那を支える良きパートナー。
日本の母、という感じであった。

小生、勿論ネギラーメンを頼む。が、頼み方にも作法あるもの。
この様な店では キビキビとした行動をすることが客にも要求される。
メニューで悩んではいけないのだ。入店した瞬間に「ネギラーメン!」
と言えるだけの準備が客にも求められる。

食べる時も勿論、ダラダラ食べてはいけない。
会話しながらのラーメンは以ての外である。

麺とスープの奏でるハーモニーを楽しみつつも
その饗宴が終わらぬうちに、会計まで済ませる。
これが、ラーメンを食す王道だと思う。

席に座るか座らぬかの間に「ネギラーメン!」と注文する。
そして注文した後は、厨房での手際を楽しむ。漫画を読んでいる場合ではない。

オヤジ、具を拵える。縦長に刻んだネギにチャーシューを加え
調味料を使って和える、のが一般的。

ところがそのオヤジ、ネギがどうにも気に食わないらしい。
見ると、ネギを何度も何度も切り直している。
「どうしたのか?」
と小生、疑問を抱きつつ食い入るようにオヤジの手捌きを見つめる。

何度か切り直し、とりあえずネギラーメンが出てきた。
とりあえずスープ。・・・・普通の味だ。
麺は細めん。さっと茹でた感じ。
さて、オヤジが何度も切っていたネギに箸を伸ばす。
と、オヤジが言った。

「兄ちゃん、そのネギの切り方でいいかなぁ?」

小生、その言葉の深意がどうにも掴めない。
ネギに切り方があるのか?・・・・何処にでもあるネギラーメンにしか見えない。

小生が返答に困ってオヤジの目を見つめる、と、オヤジは続けた。
「俺の思っているように、細く切れねぇんだよ、このネギは。」

どうやら、切ったネギの細さが気に入らないらしい。
そう言いながら、他には客がいないのに またネギを取り出して切っていた。
そして言う。
「ほら、やっぱり細く切れねぇんだよ!」
小生、そんな事言われたってどうする事も出来ないし
第一、ネギの細さなんて ある1度の経験を除けば気にした事などない。

小生は言った。
「これくらいのも、歯ごたえがあるからいいかもしれない。
僕はむしろこれの方が好きだなぁ。」
と、心の中の「そんなの言われてもわからん。」と言う叫びとは全く別の
オヤジを援護する言葉を発していた。

オヤジ、その言葉に多少機嫌を取り戻したのか、
小生以外に客のいないその店で、再びネギを刻むのであった。
テレビの一つもない店に、ネギを刻む「ザクザク」という包丁音がこだましていた。


〜追加〜
ネギの細さについて気にした経験

小生が卒業した某大学の生協食堂ではたま〜にネギラーメンがメニューに置かれていた。
しかしそこで出るネギは、普通のネギラーメンの常識を覆す
「輪切りしたネギ」が麺の上に大量に乗せられていた。
小生思うに、ネギラーメンのネギは縦切りにして頂きたい。


第2弾  阿佐ヶ谷編

第一弾はコロコロミントの予想をはるかに上回る大反響で、
たくさんの温かいお言葉を頂戴しまして
誠にありがとうございました。

実は、うけが悪かったら池袋編のみで終了するはずでしたが
好評であることに調子に乗りまして 
第2段掲載と相成りました。

第2段は阿佐ヶ谷編です。
お手隙のときに、おやつのお供にどうぞ。


阿佐ヶ谷編

今回は、名前が凝っているという店ではない。
見た目はどこにでもある店である。店の名前も「道場」ではない。
「〜龍」みたいな、いたってシンプルな店名。(店名忘れました。)
阿佐ヶ谷駅を降り、南口に出て阿佐ヶ谷のアーケード街
(通称:パールセンター)を
歩くこと約5分、どこにでもあるラーメン屋だ。

店の前には「お土産餃子あります。」
・・・ふふ〜ん、餃子が自慢の店か。
この店、小生は実は何度も素通りしていた店である。
餃子が自慢ならば、
買い物中のおばちゃんが買っている姿を見てもよさそうなもの。
その餃子の信頼性を確かめるために、あえて何度も素通りしていた。
マズラーメン通にはその位の地道な下調べが必要なのだ。

綿密な下調べの結果、
「土産餃子を買う人は結構いる」ことが証明される。
となると、ラーメンの味にも 
さぞかしこだわっているに違いない。
これらのプロセスを経て小生 入店を決意。

入ってみる。中は厨房とカウンター(10席程度)が平行に並ぶ。
厨房の中には3人。頭にはタオルで鉢巻。見た目 やる気十分。
水はセルフサービス。
・・・厨房に入る者、一秒たりとも無駄には出来ない。
ラーメンは麺の固さとスープの温度のハーモニー、しかし、
そこにはどんぶりに入れられた時の器の温度まで
微妙に計算されなくてはならないのだ。
それでないと、麺とスープの競演はありえない。

店内にはテレビ・雑誌のような雑音の類はなく
客はラーメンの出来上がりをいまや遅しと待つ。
程なくして「おまちど〜」の掛け声と共に出てきた、ラーメン。
見た目は普通だ。極めてシンプルだ。

食す。
味は大したことない。
何も新鮮さを感じさせない、どこにでもあるラーメンだ。

それでも、待ち侘びていたラーメンを一気にかき込んでいると、
厨房の親父がタバコを吸い始める。
ラーメン屋なら珍しくない。

しかし状況はエスカレート、
厨房の親父、いきなり前屈みになる。
「ズズズ〜〜」
自分で作ったラーメンを自ら食している。これは貴重な風景だ。

更にエスカレート、
グラスに入った水を飲んでいると思ったら、
彼の左手には一升瓶があった。
ぐい飲みであった。ラーメンをつまみにしていたらしい。

小生、おみやげ餃子を買うこともなく店を出た。
結局、餃子の味は不明である。
ラーメン作っている親父はただの のん兵衛だった
柳葉敏郎も吃驚。きっと吃驚。

〜一口メモ〜 JR阿佐ヶ谷駅南口を出て
パールセンターを南へ向けて歩きましょう。
現存するかどうか、その親父がいるかどうかは不明。


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History v1.31 [Shigeto Nakazawa]