「カ レ イ ド ス コ ー プ」


poem by EVER GREEN






森の奥深く

君は姿を消してしまった

傷ついた獣のように

君の心は悲しみの森をさまよっている



君を捜し疲れたぼくは ある日

木漏れ日の射す空き地に

ガラス作りの万華鏡を見つけた



怒る君

笑う君

悲しげな君

黙り込む君



万華鏡に閉じ込められた時空から

無数の感情をたたえた君の瞳が

いっせいにぼくを見つめ返す



めまいのなかでぼくは思い出していた

出会った頃の君のことを

知れば知るほど

好きになればなるほど

君の見せる翳り 深く



ぼくは君に触れることもできず

万華鏡の奥の

君の瞳を覗きこむ



木漏れ日の射す森の空き地で

ぼくは愕然と気がついた

君はほんとうに消えてしまったのだと



草原に立つ君

海に泳ぐ君

星空に広がる君

遠ざかって行く君



渦巻くひかりのひとひらずつ

無数の鏡の破片のなかから

無数のせつない君の瞳が

いっせいに ぼくを見つめ返す







comment 

「カレイドスコープ」

ひとの心は謎です

まして好きになったひとの心は・・・

恋の日々から遠くなったいま、わかること

それはぼくが彼女の心を万華鏡のなかに見ていたように

彼女も万華鏡のなかにぼくの姿を見ていたのだということでした



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