ヒーロー列伝

横綱  千代の富士 貢 

成績   通算1045勝437敗/幕内通算807勝253敗144休
        優勝 31回(2位) 連勝 53(昭和以降2位)    

郷土の先輩、横綱・千代の山に素質を見いだされ相撲界の門を叩いた。
入門した九重部屋には横綱・北の富士がいて、師匠の千代と北の富士の富士を
とり、千代の富士というしこ名をもらう。部屋の期待度が分かる。
新弟子時代から千代の富士の目は、鋭かった。兄弟子・北の富士はウルフと呼んだ。
20歳で新入幕。入幕当初、千代の富士の相撲には強引な投げ技ばかりが、
目立ち、ケガのくりかえしだった。

そんな、相撲の転機となったのが、昭和54年3月の
この場所、何度も脱臼していた左肩に変わり、今度は右肩を脱臼したのだ。
脱臼しやすい体質で、これで力士生命も終わりかと思われた。
手術するのは、簡単。半年(3場所)休むとどこまで番付が落ちるか分からない。
そこで、脱臼を防ぐために肩に鎧をつまり筋肉をつけることだった。
一日500回にも及ぶ腕立てなどをした。
今までの強引な技でなく、前ミツをとっていっぺんに前にもっていく 相撲になった。
こうして、昭和55年1月の関脇での初優勝(これがウルフフィーバーと呼ばれる
)に始まり、史上初の 年間で関脇、大関、横綱の地位で優勝する。

小さな大横綱。
その相撲は気迫と美しさに満ちていた。
通算1045勝。肉体と精神の限界まで勝負の世界に生きた。
第58代横綱。 昭和最後の時代、土俵に君臨した大横綱である。
無類の勝負強さ。優勝決定戦に6回、すべてに優勝している。

 

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