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お名前: どくだみずき
う〜ん、私の思い込みって…。てっきり旧アイルランド系移民と新アイルランド系移民の抗争だと思って観てました。元同国人の旧移民(成功者)対新移民(難民)の話だと。
この映画を見たのは一年以上前なのですが、「タイタニック」「ギャングオブニューヨーク」を観て、アイルランド系移民を主人公にした映画をいくつか観てみたくなり、選んだ作品の一つだったんです。移民の人々の、生きる場所を命懸けで勝ち取ろうとする肝の据わった戦いぶりと、その底知れぬたくましさが見たくて。「バリーリンドン」とか「天国の日々」も観ました。
「自由の国」と謳われたアメリカの最高の教育を受け、高い理想を持って社会に出て行ったはずのエイブリルたちが、それぞれに現実に飲み込まれていく…現実をうまく泳ぐ者、どちらにも行けない者、最後まで戦う者、そして、生きるために男も女も一丸になって戦う移民の人々。ギャングオブニューヨークのラストで「都市は血と骨で出来ている」というモノローグがありましたが、「新大陸アメリカ」に限らず、人の生きるところすべてそうなのかな、と思って観ていました。
う〜ん、私的にはまあ…いいのかな…、なんですが、史実に対してごめんなさい。
エラとエイブリルの愛し合うシーンは無邪気で奔放で美しくて、忘れられないシーンとなりました。ネイサンのエラに対する最後の手紙には胸をえぐられました。そして男も女もなく最期まで戦う人々を自分の親たちの戦いを見るように見守りました。そして、一人生き残ったエイブルのありようを見て混乱しました。結局もとのサヤかよ…苦いラストでした。理想に生き抜こうとしたエイブルに何かの罰のような…。私には、素晴らしい作品でした。
[2006年8月24日 15時2分52秒]
お名前: Dek
初めて投稿します。天国の門は1988年渋谷の映画館がやってたチミノ祭で、
ビデオになったとき、最近DVDでと三回観ています。
西部劇としてはダメダメだし、映画通気取りが「深い!」とか語りたがりそうな
うさんくささ満点の映画なことは確かなんですが(^^;
高い教養と理想に燃えた若者がややっこしい人間の性と対決する青春映画として観れば
それなりに良作だと思いますよ。
音楽をやってるDAVID MANSFIELDがボブ=ディランと関わりの深い人であることも含め
チミノは90年代におけるオリバーストーンみたいに青臭いところがあって
しかももともと建築を志していたという人なので、
自身の理屈っぽさと暴力的な人の性との対決はもうライフワークみたいなもんでしょう。
その後イヤーオブザドラゴン、シシリアンとマフィアものに手を出すのもその流れでしょうし
各主人公たちがどこか線の細いダンディズムを着飾ってるあたり共通しています。
そんな男たちを「逃亡者」で監禁した娘に嘲笑われるあたりチミノ流の自虐と思えたり
「心の指紋」でついにインディアンの伝説にまですがってやっとハッピーエンドな映画を撮れたこととか
彼は70年代ヒッピー文化の残党のような理屈っぽい青臭さを引きずりつづけたんだろうな、
と私は感じています。
天国の門はそういう意味でとってもチミノらしい。
西部劇的な豪放かつ愛すべきマヌケさを持った男たちを彼には描けなかったんだろうし
例によって偏執的に構図にこだわる撮り方とか、彼には西部劇を撮る気なんて
さらさらなかったんじゃないでしょうか。
[2005年12月3日 8時45分3秒]
お名前: すがり
レンタルDVDでみました。
観終わってしばらく、ラストシーンの船旅に同室してる女性が
誰だったのか、よくわかりませんでした。
しかし、あの映画のあの世界観の中で、胸と腹に数発の弾丸を
くらったエラが生き残るとしたら、かなり都合が良すぎるよう
に思うし
エラでないとするなら、唐突に登場したようにみえる、船室の
あの女性も、ジムが持ち歩いていた写真の中の女性、つまり奥
さんであり、おそらくハーバードの卒業式でジムに何度も目線
と笑顔を送っていたあの女性なのでは? と考えると、それほ
ど唐突な登場ではなかったのかもしれないと思うようになりま
した。
あの女性、つまり奥さんがいたから、ジムはエラに結婚を申し
込む事をためらっていたのかと。一緒に逃げてくれとしか言え
なかったのかと。
ビリー役のジョン・ハート、映画みてしばらくして「ロブ・ロ
イ」で老貴族役だった人だと気づきました。さすがに1980年当
時は若かった!と思ったけど、1981年時点ですでに彼は41歳だ
ったんですね…検索してみたらすごい役歴で驚き「ヘルボーイ」
にもでてるし(教授役)すさまじくバリバリの現役なんですね。
http://www.imdb.com/name/nm0000457/
[2005年5月28日 10時22分20秒]
お名前: R・ライカ
URL
ラストがねぇ・・・
ボートのシーン・・・
よくわかりませんでした・・・
[2005年5月2日 22時53分18秒]
お名前: セルジオ・ドナーティ
皆様こんにちは。初めて投稿させていただきます。
「天国の門 完全版」私も拝見いたしました。初めから最後まで、すっぽり四時間近く、
次の日が仕事であることも忘れて深夜に見入ってしまいました。公開当時、友人が見てか
なり興奮していたので、その理由もやっとわかりました。かなり見応えがありました。再
評価の機運が高まったのも納得できます。
しかしながら、この作品は絵画的世界は描くことに成功しているのですが、本来の映画
的世界を描くことには見事に失敗していることを感じざる終えません。多々ご指摘のとお
り、個々の画面の見栄えは圧倒的です。ですが、舞台となるジョンソン郡の土地のイメー
ジが見る人に伝わりません。優れた映画は少しの表現で映像の舞台となる環境を見る人に
立体的に植えつけるものです。また、光と影の使い方にも、私的には違和感があります。
屋外場面を絵画的色調に抑えるために光を押さえつける、また影を絵の具を全部混ぜ合わ
せたようにように黒く塗りつぶしてしまう。屋内でも隙間光が多すぎる。間接光の処理の
仕方がいただけない。公開当時、米国では「とにかく画面が暗い」という批判は当たりま
せんが、このビルモス・ジグムンドという撮影監督の表現にかなり不自然さを感じざる得
ません。ジョン・フォードやセルジオ・レオーネの作品を見慣れてると、表現の自然さで
観客にイメージさせることを十分計算して作られていることが、返ってよくわかります。
この作品はマイケル・チミノ監督作品というよりビルモス・ジグムンド監督作と言った
ほうがいいでしょう。だから場面環境の緩急かつかない。すばらしい大学場面から始まる
のですが、ワイオミングに移ってからは、雄大さはあるけれど場の空気が変わった雰囲気
が伝え切れていない。伝えていない。全然切なく感じない愛情場面。何より残念なのは、
主役脇役、登場人物の類型的な描き方。西部劇ではないという方が居られるようですが、
これはマンマ西部劇ですよぉ。ドキュメンタリータッチという表現もあたらないと思いま
す。とってつけたようなのクリストファーソンとユペールが撃たれて、牧場主協会の悪玉
が死ぬ場面。また監督自身、場面を持て余してるラスト。マイケル・チミノ。作るのに20
年早かったね。(先進性ということでなく作家として成長するまで)
チミノによく似た作家はセルジオ・レオーネだと思いますが、レオーネの古典的な友情
のプロセスを描き通した作品にも、クリント・イーストウッドの「許されざる者」の老醜
をさらしてまで新しい映画的表現を求める気迫にも、及ばない。私にとって「天国の門」
はそれくらいの作品です。
しかし気になるのは、「ディア・ハンター」「イヤー・オブ・ドラゴン」であれだけ怖
いアジア人を描いたのに、やっぱり欧米人には公平なのね。(当たり前のことだけど私た
ちもそう見られていることは、やっぱり気をつけないといけない)
[2005年2月9日 17時41分39秒]
お名前: セルジオ・ドナーティ
皆様こんにちは。初めて投稿させていただきます。
「天国の門 完全版」私も拝見いたしました。初めから最後まで、すっぽり四時間近く、次の日が仕事であることも忘れて深夜に見入ってしまいました。公開当時、友人が見てかなり興奮していたので、その理由もやっとわかりました。かなり見応えがありました。再評価の機運が高まったのも納得できます。
しかしながら、この作品は絵画的世界は描くことに成功しているのですが、本来の映画的世界を描くことには見事に失敗していることを感じざる終えません。多々ご指摘のとおり、個々の画面の見栄えは圧倒的です。ですが、舞台となるジョンソン郡の土地のイメージが見る人に伝わりません。優れた映画は少しの表現で映像の舞台となる環境を見る人に立体的に植えつけるものです。また、光と影の使い方にも、私的には違和感があります。屋外場面を絵画的色調に抑えるために光を押さえつける、また影を絵の具を全部混ぜ合わせたようにように黒く塗りつぶしてしまう。屋内でも隙間光が多すぎる。間接光の処理の仕方がいただけない。公開当時、米国では「とにかく画面が暗い」という批判は当たりませんが、このビルモス・ジグムンドという撮影監督の表現にかなり不自然さを感じざる得ません。ジョン・フォードやセルジオ・レオーネの作品を見慣れてると、表現の自然さで観客にイメージさせることを十分計算して作られていることが、返ってよくわかります。
この作品はマイケル・チミノ監督作品というよりビルモス・ジグムンド監督作と言ったほうがいいでしょう。だから場面環境の緩急かつかない。すばらしい大学場面から始まるのですが、ワイオミングに移ってからは、雄大さはあるけれど場の空気が変わった雰囲気が伝え切れていない。伝えていない。全然切なく感じない愛情場面。何より残念なのは、主役脇役、登場人物の類型的な描き方。西部劇ではないという方が居られるようですが、これはマンマ西部劇ですよぉ。ドキュメンタリータッチという表現もあたらないと思います。とってつけたようなのクリストファーソンとユペールが撃たれて、牧場主協会の悪玉が死ぬ場面。また監督自身、場面を持て余してるラスト。マイケル・チミノ。作るのに20年早かったね。(先進性ということでなく作家として成長するまで)
チミノによく似た作家はセルジオ・レオーネだと思いますが、レオーネの古典的な友情のプロセスを描き通した作品にも、クリント・イーストウッドの「許されざる者」の老醜をさらしてまで新しい映画的表現を求める気迫にも、及ばない。私にとって「天国の門」はそれくらいの作品です。
しかし気になるのは、「ディア・ハンター」「イヤー・オブ・ドラゴン」であれだけ怖いアジア人を描いたのに、やっぱり欧米人には公平なのね。(当たり前のことだけど私たちもそう見られていることは、やっぱり気をつけないといけない)
[2005年2月9日 17時35分9秒]
お名前: Old Cowhand
あまりにも評判が悪いので 見るのをためらっていたが 当頁で肩入れする方々の意見に励まされBSを録画して やっとみた。
感想の第一は 長すぎる。 2時間
位に仕上げても十分テーマを表現できる。あれもこれもと押し込んだ気持ちも分かるし 各シーンの出来も良いのだが、流れが散漫に
なってしまっている。大牧場主・資本家協会と小等牧場主・移植者との対立の原因が描き切れてないのだ。チャンピオンが移植者を
撃ち殺すシーンは強烈だが指令に依るとは言え その動機が不明瞭だ。これでは2流の西部劇の悪玉と変わらない。これは私のジョン
ソン郡の争いに対する理解とチミノ監督との考えの差かとも思っているのだが、一緒に見ていた家内にも?だったらしい。
卒業式も不要だ。協会の不遜さをもっと強調させれば良い。アヴェリルはハーバードじゃ無いぞ、
CORNELL大学卒のはずだと 茶々を
入れたくなってしまう。勿論 史実どうりに作る必要はないが、チャンピオンが協会の手先で登場するのには?だ。これはフランク・
キャントンの役回りで、リーダーはウォルコット少佐(映画では脇に回っていた)のはずだ。でも最後には協会の傭兵隊に囲まれてレイ
と共にメモを遺して撃ち殺される。”家は火が回った。さよなら、もう逢えない”と最後に書いた日記で有名なので 伝説どうりに描
いているが、彼をとうして対立を浮き立たせようとしたのは面白いが あまり生かされていないのが残念だ。主人公にアヴェリルと
エラとゆう 事件の3年まえに 牛泥棒の罪で吊らされた二人を持ってきたのも 賛成しがたい。見ながらいつ首吊りに遭うのか気に
なってしまう。むしろ架空の人物の方が見るほうにとり 変な先入感が入らずよいのでは無いだろうか。
豪華なセットと良い映像で当時のワイオミングが再現されて 興味あるシーンが多い。ラストの攻防は見事だ。実際は2日間の攻防で
死者は出なかったそうだが、映画ではそれでは面白くない。弾除けの台車は実話だと思ったが 映像で見られるのが嬉しい。
”この時代の最大の汚点”と言われる事件の映画化として 不満が残るが 西部フアンとしても楽しめるのではないだろうか。
[2004年11月18日 17時26分14秒]
お名前: 虎騎
アメリカは病んでいる。この時代も現代も、
あえて敵を作り攻撃することで、自己の免罪符を作っている。
猛烈にそれを考えさせられる。
[2004年7月14日 11時24分42秒]
お名前: tak
初めての投稿です。
「天国の門」を見始めたときにはこんな長い映画だとは思わなかった。途中であまりにも物語が前に進まないんで調べたら219分と書いてある。
あきれ果てて途中で止めて明日にしようと思ったら、それが途中でどうしても止められない。
傑作である。
冒頭の卒業式のシーン、あの華麗なワルツシーンはモスフィルムの「戦争と平和第2部冒頭」に匹敵する映画史上に輝く華麗なダンスシーンです。その後のゆったりしたテンポの美しいシーンの数々。
これがだらだらして意味が無いという方も居られるようですが、自分には映画の神髄として楽しめました。
このテンポでこの長尺の映画を緊張感を持って進めていくM.チミノ監督の手腕は計り知れないものです。
何と言ってもクリストファー・ウォーケンが良い。追いつめられた彼が炎の中で記す遺書。読み上げるクリス・クリストファーソンの声が印象的です。
イザベル・ユペールも良い。20年後にまさかあの「ピアニスト」に主演するとは、夢にも思わなかった。
見終わればこの映画は、3時間39分なければならない映画だと言うことが骨身にしみて判る。
映画を楽しむためにこれだけの時間を惜しまないという人には、至福の時を与える映画である。
ただし、この映画の伝える110年前のアメリカは、既に今の苦く腹立たしいアメリカそのものであることもまたはっきり伝えています。
[2004年1月28日 23時45分58秒]
お名前: でんでこ
黒澤明は絶賛してましたよね?当時の私の記憶によりますと、で意外に映画って事前の情報(その映画の出来うんぬん)をどうしても知ってないとなかなか行かないもので当時の私としてはま、黒沢明が絶賛すんだから見てみようって思って見たんですが、正に「アメリカ」そのものの映画で銃によって国家を成り立たせて来た国なんだなって思いました。あんなに皆が皆、銃もってたらそれでもって何とか言う事聞かないやつ
やってやろうかって奴は絶対出てきますよ、今のアメリカもその伝でミサイルやら最新鋭戦闘機やら等々
でもって他国を黙り込ませてんですかなその意味じゃこの映画はアメリカってこんな風に成り立って来たんですよってこの極東の日本人に教えてくれた意味は大きいかな。で映画の出来は「ちょっとお馬鹿な日本人には理解するのむりかな〜」ってとこですかねまずフォークナーあたりの本を読んどいた方が良いかもしれませんねそれくらい予習が必要って事ですね、この映画。
[2003年8月17日 1時54分47秒]
お名前: 廣
URL
天国の門を見たのは‘88年。ガラガラの渋谷の映画館で。凄い傑作なのに何でと思った。
それから天国の門に関する資料を読み漁りました。チミノ監督の映画も殆ど見た。
間違いなく優れた作品で詩情すらある。
これが分らん批評家ども、アメリカのWSPの恥だからとはいえ
作品そのものは素晴らしに尽きた。
わが63歳の人生でベスト10にはいる映画じゃ。
先入観なしでみたのが良かったのか。我が人生の衝撃的映画鑑賞だった。
[2003年4月5日 12時10分20秒]
お名前: くに
劇場公開ヴァージョン(149分)を見た時にはすごい名作だ!と思ったので
ビデオで完全番をを見たのですか・・・唖然。
つまらない・・アメリカで客が入らなかったのは、単純に「つまらなかった」
からだとしか思えません。中でも最悪なのはオリジナルのラストシーン。
ぜったい劇場公開番の方がいい!こんな駄作で会社潰す前に、誰か止めなかったのか?
[2003年1月2日 15時29分15秒]
お名前: 鳴海昌平
あのダンスシーンの壮麗さは映画史に残るものだから、会社一つ潰すだけの
達成をチミノはなし遂げていると思います。彼が数年前に撮った「心の指紋」
は現代劇ですが、ほとんど西部劇的な映画で彼のジョン・フォードのいたハリ
ウッドへの敬虔な意思を描いたような作品です。
[2002年1月5日 16時52分20秒]
お名前: 審判
すいません、二重に書き込んでしまいました。
[2001年11月10日 6時31分26秒]
お名前: 審判
グリーンベィさん、石毛さん、ノスタル爺さん、今日は、
この映画、ユナイトを潰したことから、意味のないことでよくボロクソに言われていて
世評ではなく、批判するなら自分の目で批判しろって思ってます。
ただ、グリーンベィさんの意見は、自分も同じで、この映画、単なる西部劇の範囲ではないかもしれませんね。
[2001年11月9日 12時41分3秒]
お名前: 審判
皆さん、今日は審判といいます。
いろいろな方から、僕の意見に賛同頂きうれしいです。
この映画、ユナイトを潰したので、ほんとに評判が悪いのですが、
僕は、本当にいい映画だと思っています。
ただ、言われるとおり、確かに西部劇ではありませんね。
[2001年11月9日 11時52分43秒]
お名前: グリーンベイ
ノスタル爺さん・・・今晩は。 お久しぶりです。HP、いつも楽しく読ませて貰ってます。
さて、この作品をお嫌いのようですネ。お説至極ご尤もです。しかし、私なりにこの映画は受け止め
ています。審判さんも申しておいでの通り、個人の感性の問題だから、それぞれの評価があって良い
でしょう。私はこの作品を西部劇とは理解していないのです。先輩も仰る通り、60年代のハリウッド
西部劇には見るべき作品も少なく、ベトナム戦争の影響もあり西部開拓精神の見直し、インデアンの
人権問題とか、これだけとは言わないが衰微の一途を辿ります。そして、大作化やドラマの多様化等
試みたが、立て直すまでは至らず、マカロニの登場となったわけです。しかし、このマカロニは、
私の認識では、アクション映画で、これも5年と持たず線香花火と消えてしまった。その後、ニュー・
シネマの視点から、西部劇を考え直そうとして作られたのが「明日に向かって撃て」に始まるニュー・
ウエスタンでした。しかし、これらの作品も新鮮味を失っていきます。ですから、先輩のように、
ニュー・ウエスタンとこの作品を捉えるならば、何で今更こんな西部劇を作るんだと言うことになり
ます。
前述のように、私はこの作品を「西部劇」とは捉えていないのです。
チミノ監督の「デイア・ハンター」(78)でも披瀝した彼の哲学、そして、この作品の底流にある
もの、それはアメリカ社会の不条理を暴く彼の冷徹な視線にあると私なりに受け止めています。
この作品の冒頭、30分にも及ぶ卒業式シーンを、どの様に理解するか。
あのシーンは、一握りの特権階級(エリート)とステータスの象徴として大きい意味を持つものと
作品を見ながら全編を通して脳裏から離れなかったのでした。最高学府の良心とやらも良いでしょう。
しかし、「人間って信用のおけないものですネ」が、この作品の私なりの結論です。そんな意味で
この作品が不評をかったなどは、当たり前のことです。なぜならば、わが国を含めて、アメリカ社会は
豊かさ(???)に浮かれているからに他なりません。こんなの見たくないのです・・・。
今日のアフガン情勢も、むべなるかなと頷けるところです・・・。
[2001年11月8日 17時59分46秒]
お名前: ノスタル爺
URL
審判さん、グリーンベイさん、石毛宏和さんが言われる通り、優れた作品であることには
間違いないのですが、西部劇ファンの私としては、気に入らない作品です。
この作品が製作された1980年は、西部劇が衰退しており、復活につながるような
本格的な西部劇を期待していたんです。
ところが、出てきたのがアメリカの旧悪を告発した作品で、双葉十三郎氏も「この時期に、
今さらこの種の告発をして、どんな意義があるのだろう」と何かに書かれていましたが、
私も全くの同感です。この時期の西部劇のテーマではないんですよ。
チミノはリアリズムに徹して、金を湯水のように使い、興行は大コケして、ユナイトは
傾いたわけです。
この結果、西部劇はリスクが大きいと映画関係者が判断したため、1980年代前半には
西部劇が殆ど製作されなくなったんですよ。
私がこの作品の後、スクリーンで西部劇に接したのは、1985年のクリント・イーストウッドの
『ペイルライダー』でした。そして、すぐその後に『シルバラード』が出て、細々ながらも西部劇が
製作されるようになりました。
4年間の空白は大きいですよ。西部劇に“とどめ”をさしたのが、この作品と考えている
私にとって、評価以前の問題なのです。
チミノに西部劇を撮らせた製作者がバカなのでしょうが……
[2001年11月7日 21時29分58秒]
お名前: 石毛 宏和
こんにちは、はじめまして。偶然このサイト見て僕も一言述べさせていただきたいと思います。僕がこの映画を観たのはもう大分以前のことです。但し、最初の公開のときではありません。完全版として劇場こうかいされたときのことです。たしか、ヨーロッパに続いて日本公開がなされたと思います。当時の感想としてはとってもいい映画で、少なくとも『ディアハンター』よりは完成度が高く、マイケル・チミノの成長が見て取れる作品でした。このすばらしい映画が正当に評価されないのは非常に不幸なことであると感じました。アメリカでは、歴史的なことから毛嫌いされてしまうというのは残念ですが、どこの国にもそういったことは起こりえることだと思います。問題は、第三者である我々日本人の中で、この映画が普通に評価されないことです。..........観る目を養ってください。では。
[2001年11月7日 0時41分20秒]
お名前: グリーンベイ
審判さん・・・・初めまして・・・映画少年グリーンベイと申します。HN怖いですネ。(笑)
この作品についての、審判さんの寸評に、全く異存ありません。私の感想を二三述べてみます。
冒頭、30分にも及ぶ卒業式のシーンはいらないのではとありますが、これは物語全体を通して
極めて重要な意味を持っていると思っています。米社会でのステータスの象徴としてです。
ハーバードの卒業生が、それぞれ如何なる人生を辿るかです・・・・。この作品の、わが国公開は
81年ですネ。クリストフアースンもユベールも若々しい。二人とも金筋の演技派俳優です。
クリストフアースンは、「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」(73)、三島由紀夫の原作を
映画化した「午後の曳航」(76)以来でした。ユベールはフランスの女優ですが、これまた
二度も、国際映画祭で主演女優賞に輝いている。この度のDVD再生は,カラー映像も美しく
近作の感さえする仕上がりです。ユベールの全裸シーンも美しく清々しい。全裸シーンは他の
作品にもよく使われますが、この作品のドキメンタリータッチに、更に奥行きを与えている演出
となっている。3時間半にも及ぶ大作ですが、是非、鑑賞をお薦めの一本です。
[2001年11月6日 17時25分45秒]
お名前: 審判
なんか、この映画について、面白くないと、南泉さんという方が解説されています。
映画など、個人の感性の問題だからしょうがないのでしょうが、結構一方的な批判とも思えましたので、この映画が好きな者として反論させて下さい。
南泉さんによれば、この映画、人物展開が分かりにくいとのことですが、自分は分かりますよ。そんなの見る側の能力や感じ方の問題でしょ。
それから、確かに、冒頭の卒業式のシーンは要らないと言えば、要らないのですが、展開そのものは「デァ・ハンター」と同じで、この監督の作風が嫌いなら分かりますが、この作品自体の批判には当たらないと思います。
それより、自分が評価したいのは、この映画が大規模なプライベートウオーをテーマに描いている点です。
これは、西部劇の典型的テーマであり、今のアメリカが起こしているアフガンでの戦争にも繋がる重要なテーマだと思います。
南さんも、外国の映画批評の受け売りではでなく、虚心坦懐でこの映画を見ればどうですか。
[2001年10月21日 17時51分58秒]
お名前: 審判
先日発売のDVD版、天国の門を見ました。
この映画,ユナイトを潰したと一般的には評判が悪いが、
中身は凄い映画だ。マジで、同じチミノ監督のディアハンターより上
ただ、扱うテーマがジョンソン郡戦争という西部史上、最悪の話、
アメリカの恥部をテーマにするものである。
そりゃーアメリカ人に毛嫌いする訳。
なにせ、アングロサクソン系アメリカ人が新しい移民であるスラブ系アメリカ人を
迫害し、殺すのがストーリーである。
[2001年10月2日 14時43分11秒]
※この作品についての発言をどうぞ。
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