1948年のビル・エリオット主演作で、原題だけ見ると外人部隊ものか何かみてえだけど、テキサ
ス警備隊の話だよ。昔、スチール写真に、ボタンが一杯ついた胸当てシャツのレンジャーが写ってて、
埃っぽさが足りねえ感じだったんで見そびれたんだけど、ご贔屓筋の感想文に、「テキサス警備隊もの
の最高作、キング・ヴィダーのテキサス決死隊より遙かに現実的で立派」なんてのがあったんで、遅ま
きながら見たくなったのさ。
テキサスを分割して牛耳ろうってえ悪徳有力者がジョゼフ・シルドクラウトとブルース・キャボット
で、仲間割れでシルドクラウトがキャボットに殺されちまう成り行きは予想がつくね。主人公は、弟が
悪い仲間に誘われて銀行強盗に加わり、警備隊に撃たれて命を落とすんだけど、自分は警備隊に入って
悪党の陰謀と戦うよ。警備隊長のジャック・ホルトって俳優さんは、ティム・ホルトの父親だってね。
ヒロインはこの頃のリパブリック映画に出ずっぱりって感じのエイドリアン・ブースで、警備隊に同行
して取材する女性記者。エリオットはここでも銃把を前に向けた二挺拳銃だけど、別にそれで早撃ちを
見せるんでもねえし、主役ヒーローってより、ちょっと狂言回し風だって思ったよ。
サルーンでのエリオットとキャボットの殴り合いは派手だよ。いきなり始まっちまうんで、エリオッ
トは二挺拳銃つけたままさ。西部劇じゃ椅子でぶん殴ると、椅子はすぐバラバラになるのに、殴られた
方はあんまり応えないんだね。周りでポーカーするような丸テーブルだって放り投げちまうんだから。
あんな重そうな机、持ち上げられるのか知らん。大詰めのキャボット一味と警備隊の撃ち合いで、キャ
ボット側がガトリング砲まで持ち出したところへエリオットが乗り込んで、また格闘の挙げ句、キャボッ
トがライフルを掴んだのをエリオットがガトリング砲で仕留めるのには驚いたね。本当に、べた褒めの
人の感想文がいうほど現実的なのかねえ。
リパブリックの大作だろうけど、やっぱし、往年の「テキサス決死隊」の方が、警備隊の活躍と、
三人組の友情と反目をうまくまとめてあるよ。ジョゼフ・ケーン監督のものは、このところ、「曠野の
追撃」や「拳銃の嵐」を見たけど、結局、単純な作りの「西部の無法男」が一番面白いね。
[2006年6月3日 20時26分54秒]