作品名: ペイルライダー -


書込欄へ  ヘルプ
お名前: ピーター・ポッター   
 最近DVDで見ましたが面白かったです。予備知識なしだったので、見終わってから、「なるほど、シェー
ンのリメークか」と気がつきました。この映画の作られた1985年といえば、懐かしい西部劇スターたち
の多くが、すでに故人か最後期高齢者であって後継者もなく、西部劇がもはや終焉を迎えていたのですから、
その年代にあえて「シェーン」を再映画化するというのは、イーストウッドにとっては、蒼ざめた馬の騎手
を冥府から連れ戻すに等しい気分だったのでしょう。悪保安官のジョン・ラッセルとその仲間たちが皆で七
人なのも、「荒野の七人」の陰画なのかも知れません。でも、さらに後年の「許されざる者」では、イース
トウッドも気持ちが吹っ切れたらしく、神秘主義の要素は抜きですね。

 しかし、この作品にはシェーンから離れたそれ自身の面白さがありますね。主人公を慕うのを少女にした
ことで、シェーンとは違って恋愛感情が絡んでくるし、悪徳ボスにいじめられている砂金採りの人々が、
1,000ドルの立ち退き料を受け取るかどうか話し合った挙げ句、勇ましく断ることにしたものの、翌朝、
蒼ざめた馬の神父が姿を消したのを知って動揺するあたりは、同情さるべき弱者の側にも依頼心やご都合主
義があるのを見逃していないと思います。

 ベン・ジョンソンの役回りを受け持つのがリチャード・‘ジョーズ’・キールというのは、思いもよらな
い配役ですね。最初の馬は彼が乗った途端につぶれてしまい、もっと丈夫な馬に換えたそうですが、馬に乗
ることが直ちに動物虐待になるのでは、キールは西部劇には向かないようです。
[2009年1月18日 14時11分30秒]

お名前: ウエイン命   
「44−40」さんの2004年のご指摘により「荒野のストレンジャー」を見て「ペイルライダー」の従来
すっきりしなかった部分まで解決しました。いやー、一つも二つも賢くなった感じです。「ぺイルラ
イダー」は意味は分かっても理解しがたいタイトルでした。「プリーチャー」の登場シーンからして
ちょっとミステリアスですよね。で、助けた男に誘われて砂金掘りの集落に着いた場面、「地獄に黄
泉がつき従っていた」と云う聖書の朗読にイーストウッドの影が被ります。何故こんなおどろおどろ
しいことをするのかと思ってました。また「44−40」さんがおっしゃる「返歌」の意味もよく分かり
ました。イーストウッドにはもっと作って欲しかったと思います。興味のある方「荒野のストレンジ
ャー」の欄をご覧ください。それにつけても「44−40」さんの「返歌」と云うご指摘は素晴らしいと
思います。イーストウッドが益々好きになりました。
[2006年8月25日 22時4分5秒]

お名前: ウエイン命   
Yamakawaさん(と云っても2002年の書き込みなので伝わらないと思いますが)、ラストで少女は
「thank you preacher」とは云いましたが、声は小さくこだまはしなかったんです。私も「come 
back!」て云うんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、 まさかそこまではネ。
そんなことは実はどうでもよくて、この映画は当時、「もう一生涯映画館で西部劇を見ることはない
だろう」と嘆いていた私を、何かの間違いではないかと狂喜乱舞させてくれた忘れることの出来ない
1本なんです。新聞広告でイーストウッドの被っているのがテンガロンハットだと確信した時の感激
と来たら…。
ガラガラの映画館で双葉十三郎さんにお会いしました。「あ〜、ジョン・ラッセルだ!」出てました
ね。年取ってましたが長身にロングコート、きまってました。イーストウッドと彼の間に過去何かあ
ったことは確かなんですが、それが結局最後まではっきりしない…なんてこともありますが、そんな
ことはこれまたどうでもイイことなんです。
[2006年5月20日 9時19分34秒]

お名前: 44-40   
「荒野のストレンジャー」は「真昼の決闘」への、これは「シェーン」への返歌。
あんな町やあんな保安官なんてホントにはいやしない、あんな流れ者だって
来るわけがない。そんなことはわかっているさ。でもね、それでもね…
そんなイーストウッドの西部劇への愛と覚醒が幻想的な映像美を生む。
禁欲的な画面作りも、パーカッションピストルのリアルな時代考証も、
80年代にウェスタンを成立させるために必要な道具立て。
西部劇の伝統と作法をどう護り、どう発展させればいいのか、ジャンルと
たった一人で必死に戦っていたイーストウッドは、彼自身がその西部劇の
ヒーローのような緊張感をかもし出している。そしてその緊張感が、
ややもするとばかばかしくなりかねないストリーを、ぎりぎりのところで
救っている。
[2004年11月28日 21時4分32秒]

お名前: ビギナー   
Cイーストウッドは何故しつこく2度も同じようなものを作ったのでしょうか。
これと「荒野のストレンジャー」と…
[2003年4月30日 21時48分41秒]

お名前: Yamakawa   
BSで観ました。ラストの別れの場面で少女の声が山にこだまし,こみ上げてきました。
この場面どこかで観たような気がしますが、え〜と、え〜と・・・・
[2002年5月30日 22時27分53秒]

お名前: 鳴海昌平   
ほとんど人間の映画ではない。イーストウッドはこの作品で西部劇の魂ではなく、魂の西部劇に到達した。
[2001年12月27日 3時36分31秒]

※この作品についての発言をどうぞ。
氏名
E-mail URL

半角カナは文字化けします。  ※自動改行ではないのでご自分で改行してください。

作品名リストに戻る