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お名前: 44-40
日本人がやたらめったら偏愛する「荒野の決闘」と同じ'46年に作られたこの作品。
同じ決闘でも原題に「決闘」がつくのはこっち(Duel in the Sun)だけ。
セルズニック入魂のオール・カラー「超大作」。
ジェニファー・ジョーンズがとにかくエロい。それも安っぽく混沌としたエロさだ。
昭和の頃の夏木マリや横山エミーを思い出す。二人とも大のお気に入りだったが、
多くの人は違うだろう。グレゴリー・ペックはこの頃まだイメージが定まってい
なかった。修行中といったところか。2年後の「廃墟の群盗」でも盗賊の頭である。
もっとも「廃墟〜」では最後に改心してアニー・バクスターと結ばれるが、この映画
ではジェニファー・ジョーンズと殺しあって死ぬ。悪役ペックもとても魅力的だと
思うが、多くの人は違うだろう。
サイレント時代からキャリアがあるキング・ヴィダーの演出は、全体に脂ぎって
ケレン味たっぷり。まだ影も形もなかったマカロニの匂いさえする。ティオムキン
の旋律も人種差別もセックスも暴力もはっきり持ち込まれ、戦後の西部劇の面目は
すでに揃っている。
既存のジャンルの枠組みを脅かし、新たな「フロンティア」に踏み出そうとする勇気
と先見性を評価したいが、多くの人は違うらしい。ラオール・ウォルシュが自分の
作品(「ハイ・シエラ」)をリメイクしてまで撮った「死の谷」より2年早いのに。
確かに感情表現が唐突に感じたり、脈絡にスムーズさが欠けるところもあるが、
最近見直したのは本屋のワゴンで買った安売りのDVDで、128分バージョンだった。
もっと長いものもあるらしく、おそらくはさらに長い「完全版」があると思わせる。
ひょっとしたらどこかにあるという「荒野の決闘」のディレクターズ・カットより、
むしろこちらのほうを見てみたい。
最後にもうひとつ。ジョゼフ・コットンがなかなかいい。あまり顧みられず、
テキトーに演出された感がなくもないが(これとて「完全版」を見なければわから
ない)、過不足がなく的確でとてもいい演技だと思った。見直した。フレッド・
マクマレーなどと並んで、過小評価されている役者だと思う。
[2005年8月6日 20時52分37秒]
お名前: パパ吉村
最近DVD化されたものを観ました。戦後の作品とは思えないくらい映像がきれいでした。
正当派の西部劇の要素が盛り沢山で、「ウィンチェスター〜」や「ララミー〜」(共に
ジェームズ・スチュアート)を思い出しました。ここの書き込みではあまり評価されて
いないようですが、西部の「親子」「正義」「恋愛」を分かりやすくきちんと取り上げ
ていて、とても西部劇らしい内容だと思います。特に主人公の恋愛観は西部の人らしく
西部劇にふさわしいストーリーです。ペックの役柄もその後の作品と正反対で、私には
新鮮でした。しっかりした映画です。
[2004年7月15日 12時23分43秒]
お名前: 田舎のオジサン
この映画と「君去りし後」の2本立で見ました。どちらも2時間を越える大作で疲れました。今、考えると
どちらも製作者は、セルズニック、主演者はジェニファー・ジョーンズであり、映画館主はイキなはからいをしたものだと思います。題名に「決闘」とついていたので、痛快な西部劇だろうと期待して見に行ったところ大恋愛メロドラマでガッカリした思い出があります。ラストの臨終間際のペックのところへジョーンズが重傷をおいながらも必死でにじりよる大芝居のシーンで、後ろの席にすわってぃたアヴェックの女性の方
が,感激して大泣きしていたことを鮮明に覚えています。
[2004年4月16日 11時14分11秒]
お名前: はせべ ひろし
黒澤の「影武者」で、抽象化された長篠の戦いを見て、すっかり拍子抜けした際、この「白昼の決闘」
で、まったく同じ失望をしたことを思い出しました。西部劇仕立てにする以上、当然牧場主と鉄道側
の拳銃戦を、スペクタル・シーンとして見せるべきで、馬のかけっこで終わったのでは、大作としての
雰囲気も出ません。それに、主人公のペックの行動に、何の共感も感じないまま、ラストの大芝居に
なるので、製作者の奥さんは、得な役をもらえるなと思っただけです。
[2003年7月31日 12時49分21秒]
お名前: 靜山子
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力の有るプロデューサーが自分の愛する女優の為に作った映画ですが、この物語を
はたして西部と言う場所で撮らなければならなかったのでしょうか。女の愛憎劇は
フランスにでも任せば良かったのに西部劇として見るならものたりませんね。原題
でも違うのかと調べても似たような題ですね。西部劇として並べるなら「大いなる
西部」と同時に鑑賞すればどちらが面白いか解るのではないかと思います。確かに
セルズニックが愛した女だけに彼女のセクシーさ美しさは私でもペックになってし
まいそうですがね。
[2001年8月20日 11時31分30秒]
お名前: グリーンベイ
大西部劇「白昼の決闘」は、叙事詩の広がりと視野を備えていえるが、フロンテイアの牧畜王国を
築くという重要なテーマより、ラブストーリーが前面にちらつくのが気になところであるが、しかし
多くの素晴らしいキング・ビイダー監督の演出の冴えが見られます。・・・牧場主たちが大勢参集して
鉄道を破壊しに向かうくだりの水際だった演出による集団疾走シーンなどが印象に残ります。
この監督が、10年後に撮った「星のない男」があるが、精神の衰えは否めない。この「白昼の決闘」
には、当時で600万ドルの巨費が投じられているとか・・・
[2000年11月8日 1時28分54秒]
お名前: ケートファン
この映画は中学の頃、テレビで放映された時観ました。善良な兄(ジョセフ・コットン)
と悪の弟(グレゴリー・ペック)の対立が軸に描かれていたと記憶しています。
印象的だったのはペック扮する粗悪な弟が、恋仲になるパール(ジェニファー・ジョーンズ)
のお守りのペンダントを泉に投げ捨ててしまう場面と、ラストでした。
ラストはこのような愛の形もあるのかと子供心に驚きでした。
それまで観ていた西部劇の決闘シーンの常識が覆された思いでした。
[2000年2月22日 21時43分1秒]
お名前: グリーンベイ
「白昼の決闘」・・・・
この作品が話題にのらないのは、やはり寂しい。大製作者セルズニックが、愛妻ジェニファー・
ジョーンズに、せがまれて、ヴイビアン・リーの「風と共に去りぬ」に対抗して名匠キング・ヴイ ダー に撮らせた大作です。後の「大いなる西部」にも似たスケールの大きい正真正銘の西部劇です。
家族の愛憎劇も並でない作品です。テオンムキンの音楽もいい・・・・・・・・
[2000年1月27日 13時41分24秒]
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