作品名: 野郎!拳銃で来い - |
オーディ・マーフィは第二次世界大戦のヒーローとしてハリウッドに迎えられ、西部劇や戦争映画で活躍した俳優であることは知られています。この「野郎!拳銃で来い」は1954年に作られたユニヴァーサルの典型的なB級西部劇で、マックス・ブランドの有名な西部小説の3度目の映画化でした。最初はトム・ミックス(1932)が、二度目はジェームズ・スチュアート(1939)が演じましたが、マーフィは中でも一番原作のコンセプトに近かったと評されています。マーフィはこの頃、自叙伝のTO HELL AND BACK(「地獄の戦線」)の映画化に取り組んでおり、ユニヴァーサル もマーフィの売出しには気を使っており、”大作公開”を控えて、前座の快作として宣伝したようです。物語は、悪徳の栄える西部の町、レストフルにかつての名保安官の息子のトムが助手として呼ばれ、虫も殺さぬ子供のようなその風貌に町の悪玉たちが安心しきっているすきに、前の保安官殺しの真犯人をトムがつきとめ、最後に実は拳銃使いの名手であったトムが、その正体を明らかにして、酒場経営者の悪玉をやっつけるという筋書きです。 映画でのマーフィはいきいきしており、こうした純朴な役柄が無理なくフィットしており、ウエスターン・コメデイともいうべきこの作品を十分に乗り切っている。アメリカの評者の多くも「勇者の赤いバッジ」に次ぐ好演ぶりと褒めている。トーマス・ミッチェルやマリー・ブランチャードの 共演やベテラン監督のジョージ・マーシャルの手腕も光っている。こうした映画が日本では安っぽい活劇のタイトル(原題はDestry)になり、正当な評価をされないのは、とても残念であるのだが。[2004年4月18日 19時9分54秒]
いやはや・・・次々と話題作を紹介なさいますね。「野郎・拳銃で来い」(54)凄い邦題ですね。 「砂塵」(39)のリメークですが、2本ともジョージ・マーシャル監督作品ですね。本編は オーデイ・マーフイーとマリ・ブランチャードですね。オデーイ・マーフイーのユーモラスにして 軽い感じが成功しているし、監督もお手のものだったのでしょう。「大いなる西部劇」逢坂剛・川本 三郎著のなかでも逢坂氏が忘れられない映画と言っています・・・。[2003年9月21日 11時45分6秒]
もう半世紀も前の映画(54年製作)であるが、60年に公開された際の 新聞広告を眼にした時の強烈な印象はいまだに忘れていない。 ミッキー・スピレインみたいなハードボイルドな題名もそうだが、振返りざま にこちらを向いた拳銃のクローズアップ写真が斬新だった。 当時はユニバーサルのオーディ・マーフィ西部劇が続々公開されており 「情無用の拳銃」「六頭の黒馬」「早射ち無宿」「抜き射ち二挺拳銃」等など 2本立て、3本立てのプログラムピクチャであり、内容は皆似たり寄ったりで ストーリーなど最早、思い出す事も出来ない。 ただこの作品は32年トム・ミックス主演さらに39年ジェームス・スチュワート ・マレーネ・ディトリッヒ主演の「砂塵」(Destry Rides Again,マックス・ブランド 原作)の3度目のリメイクであり、ストーリーはかすかに覚えている。 宣伝文句の”拳銃!酒!女!悪の華咲く西部の無法地帯に挑む若き ガンファイター!!”というほどの作品ではないが、静かでおとなしいマーフィ が最後にガンベルトを腰に巻き,父親(何とデストリーの息子という設定)譲りの 拳銃を町のボス(ライル・ベトガー)に向けた時には胸のすく思い。 オーディ・マーフィのようなタイプにはぴったりの作品であった。[2003年9月18日 13時4分19秒]