作品名: 大いなる勇者 -


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お名前: ウエイン命   
ジェレマイア・ジョンソンと云うのは日本で云うと金太郎や桃太郎に当たる人物だそうですね。TV
で初めて観たんですが感動しましたネー。当時TV放映はすべて吹き替えでしたので、何とか映画館
で、英語で観たいと一心に念じ(?)ながらアンテナを張り巡らせていたところ、その声がまるで映
画の神様に聞こえたかのように新宿の場末の名画座に懸かり、自分の日頃の行いの良さに感謝した思
い出の1本です。今でこそ、アレッと思うような新作がTV放映されるのは珍しいことではありませ
んが、当時は劇場公開からTV放映までは数年かかるのが普通でしたから、一旦TVでやった映画を
劇場で観れるなんて東京ならではのことでしたね。地方から出てきたオールド映画少年にとって、東
京は「観たい映画はいつでもどこかでやっている」魅惑の都会でした。
S・ポラックと云う人はどんなジャンルでも期待を裏切らないと云うか、必ず水準以上の作品をもの
にする、と云うより佳作・傑作多数と云っても過言ではないと思います。「あのシーンだけは時々観
たくなる」と云う映画は沢山ありますよね。ポラックの映画は、取り立ててどこが名場面と云うわけ
ではないけれど、見終わった後の清々しい感動はすべての作品に共通しています。ところで、この映
画には大口径のライフルが登場しますね。凍死した先輩から失敬しちゃうヤツです。ガンマニアの私
には嬉しいオマケでした。
[2007年4月28日 19時11分21秒]

お名前: はっちん    URL
レンタル屋でこの「大いなる勇者」のDVDが目に付いたので借りて来ました。この映画のDVDが出ているという事実が嬉しいです(ただし、日本語吹き替えなしです)。
一週間かけて見ました。
物語は、すべて主人公のジェレマイア・ジョンソンを通して展開してますね。
彼の出ていないシーンというのがないのです。ありそうでなかなかない描き方だと思います。
ロッキーの山の中、「一寸先は暗闇」と同じで何が潜んでいるかもしれない、もちろん何も無い闇かも知れません。彼が実際見聞きすること以外の情報は何も入ってこない、それが山の中なんだという演出なのかも知れないと思いました(クロウ族の聖地を通ったキリスト教徒の救助隊の末路も、もう彼の存知するところではなく一切出てきませんでしたね。)
また、ジェレマイア・ジョンソンが、街の生活を捨てて、山に入ることになった経緯も、何も語られません。映画の観客も、見たままを見るしかないということですね。
町の生活は人と情報が溢れ、見たまま感じたまま以外のものに惑わされてしまう。
そういうことを表現している演出なのかも知れません。

僕は、映画を見ているという感覚を無くしてしまいそうになりました。
ある程度史実に基づいているとは言え、物語なのですが、実際にジェレマイヤ・ジョンソンという人がおり(クロウ殺し、モデルはいたそうですが?)、その同じ空間に自分もいるような気がしてきます。自分自身も山の男になってしまったようなそんな気がしました。

「サバイバル映画」という見方をしている評も見ましたが、その表現には僕はちょっと違和感を感じます。確かにそうかも知れませんが、生き残ろうとしているのではなく、生きているというそのこと自体が自然と闘いになってしまっているのが、山で生きるということなのではないすと思うのです。
前半の山に慣れて行くまでの部分。途中の子供を引き取り妻を得て家庭生活を築いていく部分。
そして、一転、彼らが襲われ、復讐の後、インディアンの刺客との死闘を繰り返して行く部分。

こんなにもタッチが違う映画も珍しいですが、そのすべてが僕の中では、納得なんです。

クロウ族の聖地(墓地)を汚すことになってしまったため報復のため悲劇が起こる訳ですが、自分が引き起こしたことという事実は知っていても、復讐せざるを得なかったジョンソン。また、クロウ族も、そういう事情は分かっていても、許すわけにはいかないというところ。納得なのです。なるようになった、こうなる運命だった、そう思います。そこに違和感がありません。
そこで生きるジョンソンの一種淡々とした表情がすごいですよね。

最初の山に入った頃に出会った二人の山の先達と、また、最後で出会う訳ですが、そこでは、お互いが山に魅せられて、また、山の中で生きていく資格(?)を得たものとして認め合っているのが分かります。それは、お互いに自らの生きていることの悲しさを感じさせるシーンでもありました。俺達はこういう風にしか生きられないのだよな・・・。
終わり近くの開拓者との対比も、もう、戻れないんだ、違う人間なんだという感じがすごく出てましたね。
敵としてのインディアンも、その部分で彼らと同じ世界に生きており、価値観を既に共有していて、もうそこにあるのはどろどろの敵意ではなく、敬意さえ感じさせるものになっていたと思います。

ジョンソンが最後の手を上げるシーン(眩しそうなその表情も)忘れられません。
[2004年8月8日 4時47分31秒]

お名前: はっちん    URL
最初、何時(何歳のとき)見たのかは判然としません。
深夜放送だったと思います。たまたま、観たのですが・・・
頭にジンジン来ました。心にガーンと来ました。その日はそのまま眠れなかった。
以降、西部劇というと、「大いなる勇者」を思い浮かべます。あまりメジャーではありませんが・・・それも、この作品のらしさだと思います。
入植者と先住民、ジェレマイア・ジョンソンは、どちらでもあってどちらでもない、中間にいて
そして、彼自身であろうとすれば、どちらとも距離を置かざるを得なくなる・・・
その存在の悲しさと強さ

今日は、この作品別掲示板を見出して、書き込まずにおれなかったのですが・・・
また、ビデオを観なおしてから・・・再書き込みに来ます。
[2004年7月6日 4時59分46秒]

お名前: 捨石喜市   
 雪原に佇む野鹿を撃つ場面がありました。ロングショットの画面だったので、多分あの鹿は本当に
撃たれて倒れたのだろう、動物愛護協会から文句いわれるんじゃなかろうか、と思ったものです。
「ダンス・ウィズ・ウルヴズ」ではエンド・ロールで「動物は一匹も殺しとりません」と断り書きが
あります。今では「ナッティ・プロフェッサー」のように、あきらかにCGだとわかるようなおちゃ
らけた映画でさえ「動物虐待はしとらん」というクレジットが付いとりますが、当時はどうだったの
でしょうか。動物愛護云々がエスカレートしすぎると、キャトル・ドライブまで槍玉にあげられるの
ではなかろうかと、ちょっと気になります。
[2003年8月14日 6時22分41秒]

お名前: ET   
何回見ても新鮮な発見のある映画です。台詞も少なく、自然の情景と人物の無駄のない動き
でシンプルに描かれる叙事詩的な物語ですね。レッドフォードの本当にリアルで自然な演技
が素晴らしい・・・。
好きなシーンがいっぱいあるが、前半の苦労して山の暮らしを学んでいくところや、インディ
アンとの一騎打ちのシーンなど、緊張感が途切れない演出。それだけに途中の家族団欒の場面
が切ない。
[2003年7月15日 23時31分22秒]

お名前: 採鉱技師   
うわぁ、嬉しいですねぇ。
西部劇のサイトで、しかも作品別の掲示版があって、大いなる勇者のがあるなんて。

私も初めて見たのは中学生の時でして、私の場合はTVでした。多分、一般受けの
しない、作品の質としても完成されていない映画なのに、何故だか気になります。
余りに好きなので、社会人になってからアメリカから取り寄せたりしたことが懐か
しいですね。当時で、15000円くらいしたでしょうか。
[2003年1月26日 22時28分53秒]

お名前: GOGH    URL
最初に観たのは中学生のときでした。公開初日に並んだ記憶があります。
その後、TVで見て、輸入盤LD、もちろんDVDも買い、お気に入り
の西部劇の1本です。

作品的にはいまいちのところがありますが、なぜかしら気になる作品です。
マウンテンマンを扱っているのも珍しいですし「クロウ殺し」でしたっけ?
異名を持つ実在の人物を扱っているのも関係してるのかもしれませんね。

時代的には1840年代の終わりぐらいなんでしょうか。冒頭のジェレマ
イアの格好が米墨戦争当時の騎兵の服装のようです。戦争で傷ついた兵士が
心の安らぎを求めて大自然の懐へやって来たといったところでしょうか。
そういう意味では「ダンス・ウィズ・ウルブス」と同じですね。早すぎた
レッドフォード版「ダンス...」じゃないかと私は思ってますが。
[2002年4月26日 0時9分27秒]

お名前: ワード・ボンド   
久し振りにDVDで観ました。
72年、アメリカン・ニューシネマ全盛期に作られた西部劇です。
シドニー・ポラックとロバート・レッドフォードのコンビ作品です。
ひと言で言わせていただくと、ポラック/レッドフォードコンビに
よる「捜索者」ですね。人間と自然、山男と先住民の葛藤と共生を
描いていますが、先住民の描き方がいまひとつはっきりしません。
この作品の2・3年前に作られた「レッドムーン」の影響を受けて
いるようにも思えますし、タイトルロールのジェレマイア・ジョン
ソンが、先住民に対してどういう意識を持っていたのかが、よくわ
からないところがあります。これは、レッドフォード本人のリベラ
ルなイメージと、イーサン・エドワーズ的なジョンソンの人間像が
ミスマッチなのかも知れません。
それにしても、ポラック/レッドフォードともに若い頃、フォード
の「捜索者」を観て影響を受けているはずですが、アメリカ人とい
うのは、この類の話が好きなんだなあと、あらためて感じました。
[2002年4月24日 18時17分27秒]

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